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【南大沢土木構造物めぐり】No.53 八王子市の多摩ニュータウン東部を歩く(前編)~鹿島・大塚地区と、多摩市愛宕・和田地区~

多摩ニュータウンでも、今回は少しばかり「遠征」です。八王子市でも最東端にある、鹿島・大塚地区と、そのお隣の多摩市の愛宕・和田地区を歩いてきました。後編で、松が谷や東中野地区にも行っていますので、そちらは後編に続けて紹介していきたいと思います。

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このエリアは、南大沢のある、多摩ニュータウンの西部より早く開発が始まった地区であり、昭和50年前後には団地が立ち並ぶような状況だったようです。「今昔マップ」で見ても、横長の団地型の住宅が多く立ち並ぶ丘の上です。そのせいか、近年では高齢化や中心街の空洞化のような課題も多いとされています。また、大栗川沿いの和田や大塚地区は、昔は大栗川が大きく蛇行し、田園風景が広がっていたようですが、今はだんだん都市化が進んでいるようです。そんな今の姿を歩いて見ていきたいと思います。

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歩くスタートは、お隣多摩市の、京王多摩センター駅。多摩センターは、キティちゃんの聖地。京王・小田急の両駅がサンリオとコラボして駅がサンリオキャラクターで飾られています。

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京王・小田急線の高架橋に、歩道橋、その上に多摩モノレールの高架橋がある駅前。やはり多摩ニュータウンの中心市街地という感じです。

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乞田川に架かる、山王橋。高欄の装飾が独特です。乞田川は桜がきれいな場所。満開の時は目黒川に負けず劣らずの桜並木です。

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モノレールの高架橋。多摩ニュータウン通りを一跨ぎする橋と、その奥は分岐器がある大きな構造物です。

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交差点を過ぎると、尾根の上を目指してモノレールはカーブしていきます。

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今までの市街地がいきなり丘の上に景色が変わっていきます。

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山王隧道。急峻な尾根を越えて大塚地区や日野市を目指す幹線道路にあるアンダーパスです。

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近未来感があるモノレールの曲線高架橋を上に望む歩道。

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【三本松陸橋 1975年3月完成】
陸橋も南大沢より前に出来上がっています。

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【山根入歩道橋 1997年3月完成】
松が谷駅前に架かる歩道橋です。松が谷駅から鹿島地区方面に向かうメインルートになる歩道橋。アーチが目印のシンボル的な歩道橋です。

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松が谷駅の真ん前。本当にモノレールの真下を横断する形の橋です。

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【1975年6月 東京都建造 上下部施工 日本橋梁株式会社】
【山根入歩道橋 1997年3月 東京都 製作 日本橋梁株式会社】
この橋は、多摩モノレールが施工される際に新しい今の橋に架け替えられたようですが、下部工はそのまま新しい橋に転用されたようです。

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大塚地区へ。公園の中を歩いていきます。

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地区内の商店街は、シャッター商店街になっていました。もう少し賑わいが復活するような方策が考えられると良いのですが。

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昭和のにおいを感じる遊具がある公園。懐かしさを感じるのは、開発された時期と自身の生まれた時期が同じなので、なんだか自分の子供時代を思い出すような気になるからなのでしょうか。

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隣接する多摩市の愛宕地区に入りました。
古くからの団地がたくさん並ぶ地区です。

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愛宕地区の名前のルーツと思われる、愛宕神社。

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急な階段の参道があります。

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【愛宕第一歩道橋 1972年2月東京都建造 製作 株式会社石井鉄工所】
歩道橋も、銘板を眺めながら歩くと、また違った見え方がします。多摩ニュータウン開発初期の歩道橋と思われます。

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愛宕地区から大栗川に向かう多摩市和田地区には、水田の姿が。少し前の訪問だったので、当時はまだ田植え作業中。

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お地蔵さんもあります。

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ブロック塀の中にもお地蔵さんが。立派な家並みの中にささやかな信仰心。

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大栗川に降りてきました。堀之内近くよりやや下流側なので、少し川幅も広い感じがします。せっかくなので橋を紹介しながら上流に歩き、八王子市内に戻っていきたいと思います。
【①久保下橋】

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【②横倉橋 1971年3月】

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【③望地橋 1971年12月】

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【④宮田橋 1971年12月】

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多摩モノレールが見えます。大塚・帝京大学前の駅の近くになります。

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宮田橋の北側は、大きな商業施設や帝京大学の高い建物があり、大塚・帝京大学の駅にも近く、賑やかな場所です。

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大塚地区にある八幡神社の石段。商業施設や野猿街道の賑やかな場所と、このような古くからある神社が共存しています。

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宮田橋の南側には、古そうな道が。お地蔵さんもあり、古くからの農村の風景をとどめるような小径です。

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大塚神明社のイチョウ。街の変遷を知る生き証人のような古木でしょうか。

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坂を上がって再びニュータウン区域を目指します。八王子市の由木東事務所の前です。やはりモノレールはダイナミックな高架橋でこの地区を越えています。

【前編終わりに】
多摩センター駅から松が谷駅前を通り、鹿島地区、多摩市の愛宕・和田地区、再び八王子市の大塚地区を駆け足で回りました。同じ多摩ニュータウンの中でも、開発されてから年数が経った地区は、南大沢周辺とは街並みも異なるようです。古くからの神社や豊かな緑がある街が広がる一方で、シャッター商店街ができており、ニュータウンの中と外でも雰囲気が大きく異なるようです。大塚地区は、野猿街道やモノレール、大学や商業施設が建ち、賑わいがある一方で、古くからの風景も残されており、それらを共存させつつ、良い環境をどのようにして維持していくかが課題と考えました。

少し足を伸ばして遠征してみると、その地域のことがよく見えてくると思います。後編は松が谷や東中野を歩きます。バリエーションに富んだ八王子市の最東端地区。まだまだ知らないことだらけで自分自身には新鮮に感じます。

(後編はこちら)


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