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《大人の博物館めぐり》東武博物館って、おもしろい!

夏休み、遠出がしたいと思ってもあまりできなかったです。街歩きが好きな私にとっては、この猛暑はさすがに厳しくて・・。ということで、何か良いリフレッシュできる場所が無いか?と思ったのですが、

博物館めぐり

は、とても楽しかったです。博物館と言っても、鉄分が高い人にとっては、鉄分が補給できる場所についつい行ってしまいがちです。この夏には、

・地下鉄博物館(東京メトロ東西線 葛西駅)

・鉄道博物館(ニューシャトル 鉄道博物館駅)

と言う場所に行きましたが、もう一つ行きたい場所として、東武博物館がありました。今回初めて訪れましたので、その模様をお伝えしたいと思います。

■東武博物館とは

東武博物館とは、言わずと知れた、東武鉄道が運営する博物館です。場所は、浅草駅から3駅目にある、「東向島駅」が最寄り駅です。

今昔マップで見る、東向島駅付近。昔は「玉ノ井」駅でした。

■東向島駅へ

東向島駅に到着。曳舟駅の隣の、日中は各駅停車しか停まらない駅です。
高架駅の鉄骨も、古レールが利用されています。
1928年の刻印があるレールです。
ここの高架化完成は、昭和42年(1967年)。その当時は、
まだこういう資材を活用していたのですかね。
東武博物館に、向島百花園の最寄り駅。
下町の雰囲気が漂う駅前です。
高架下を少し歩くと、東武博物館の入口にたどり着きます。

■東武博物館に入館

東武博物館に、入場。入場料は、交通系ICカード利用だと、何と大人200円(現金だと210円。)この微妙な「10円割り引く」システム、電車のきっぷの運賃体系に似ているのが、何だか鉄道会社っぽいな、と思いました(笑)。

入口前に出現するのは、東武鉄道開業当時の機関車、「5号機関車」。
私鉄なのに明治生まれの蒸気機関車を保存しているのが素敵。
1898年、英国マンチェスターの、ベイヤー・ピーコック社から輸入。

この機関車、ただ静態保存しているだけでなく、実は動かす実演をしています。蒸気でボイラーを動かすのでなく、圧縮空気でシリンダを動かすやり方で、最近いろんな場所でSLが復活しているのです。

次に、東武線の電車運転開始時の、デハ1型5号電車です。

5号電車。大正時代にデビューした電車。
木造の車内。何だか温かい感じがしますね。
スイッチもなんだかレトロな感じでとっても良いです。
運転席も、とてもシンプルです。ハンドル式のブレーキも付いています。
【日本車両製造株式会社 東京支店製造 大正13年】
こちら、スペーシアのコンパートメントの座席の切り出しモックアップ。
そのまま日光まで走っていきそうな雰囲気です(笑)。
東武鉄道の歴史を知る年表。明治時代に北千住~久喜の間を走ったのが最初です。
過去に走っていた機関車のプレートたち。
「日立」や、「芝」という製造メーカーを示す標示。
古レールは、歴史を物語ります。ここのレールは戦後の国産のものが多そうですが。
戦後の電車のプレート。「アルナ工機」は、関西が地盤の阪急系の車両会社です。
屋外展示の電気機関車、101号機。
1928年、英国製の刻印があります。
そういう車両を間近で見られるのも、魅力的です。
古い機関車の運転席。味わい深いです。
同じく、屋外展示の、昔の特急「けごん」向け5701号。
5701号の車内。昔の特急という感じがします。
これは、5701の前面形状を作るための金型だそうです。
こんなものまできちんと保存しているのがすばらしい。
こちらは、軌道系の展示。
分岐器の機械がスケルトンになり、中の機構が見えるようになっています。
軌道上にこんな機器を置いて維持管理しているのですね。
ポイント部分の雪を溶かすカンテラ。レールの下から炎をメラメラさせるのですね。
融雪カンテラにも色んな種類があることが展示されています。
保線道具を積んだ無蓋貨車。
こちらは、鉄道電話の交換設備が実演できる場所。
お子様連れが熱心に使っていました。
鉄道でなくとも、通信の分野の遺産、と言っても良いでしょうか。
ED5010型。東上線の貨物列車近代化に貢献した電気機関車。
昭和60年を過ぎると、貨物輸送の縮小により廃止。
東武と日立のマークが誇らしげです。
このこの博物館、電車だけでなく、バスも展示されています。
デザインとしては全く古さを感じさせないと思います。
こんなバスが今走っていたら、とても楽しそう。
運転席近くは大きなエンジンがあり、少々窮屈です。
ボンネットバスでは前に出しているエンジンを、
無理矢理中に入れた仕様だから、だそうです。
バスの後部から。全部ロングシートなのですね。
バスのエンジンが展示されていました。
片仮名で、「ニッサン」と書かれたエンジン。
何だか新鮮です。
何と、日光の明智平で運行されていたロープウェイの搬器が。
この展示はとても珍しいと思います。
何だかハイキング気分になってしまう、面白い場所(笑)。
1950年 川崎重工製。
この映像は、東向島駅の脇の実際の鉄道上下線間に設置されたカメラのライブ映像。
少し時代を感じますが、面白い取り組み。
そしてこちらは、東向島駅のホーム下から電車が見られる場所。
シンプルだけど、とても新鮮な目線です。
この列車走行制御盤、実は稼働しています。
実際に走る電車の走行位置を知らせてくれるので、見るのに夢中です。
東武線にまつわる様々な記念品を集めたコーナー。
保線大工、線路工夫の法被。土木屋的には興味ある展示。
私立東武館林青年学校の旗。何かいいな。
昔の駅名板とか。
そしてこの車両、車内に入るのは博物館館内ですが・・、
車外は、一般道から眺められます。デラックスロマンスカー「けごん」。
昭和を感じる懐かしの車両です。
車体の一部だけ切り出しているので、
何だかBトレインショーティーみたいでかわいい。
こちらは、日光の軌道線を走った路面電車。
これも車内には博物館内から入れます。
市内電車とケーブルカーで行く、日光観光。
昔はこういう楽しみ方ができたようです。
こちら、東向島駅の前身、玉ノ井駅の高架化工事を再現した模型。
片側の線路を切り替えて、高架橋を増設している様子。
ミキサー車に時代を感じます。
高架橋の施工状況がよくわかり、とても楽しいです。
こんな感じの休憩スペースも。とても良いです。
定期券売り場は・・
昭和から平成を感じるような事務室を再現しています。
切符売り場も再現。
実は結構新しそうな運賃表。
こちら、券売機の裏側です。

■終わりに

わずか200円で楽しめる高架下の東武博物館。その楽しさと展示の充実度は、想像以上です。思った以上に歴史的な展示物も多く、単純ながら楽しめる今走っている電車の見せ方や、軌道などの学びも含めて、大人でも十分楽しめるスポットだと思いました。

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