ChatGPTを家庭教師として雇えるか検討してみる(ChatGPT部, 大城)
こんばんは、ChatGPT部(チャットGPT部)、部長の大城です。出張で福岡->大阪->東京にやって来ました。明日、ChatGPTx教育xメタバース、の勉強会があるので、「ChatGPTに家庭教師はお願いできるのか?」ということで少し実験してみました。
(検証環境はChatGPT-4+プラグイン、メインターゲットは高校1年生に設定してます)
得意科目について聞いてみる
まず、ChatGPTに得意科目、不得意科目があるか、ということで聞いてみました。まとめると以下。
そもそも人工知能なので得意不得意科目はないけど、精度は異なるよ、という事ですね。(まぁそれを不得意と科目という)
何だかんだやりとりした後のサマリはこちら
数学、英語、コンピュータサイエンスなどは得意な一方、実技や高度な知識がいる分野は苦手、との回答でした。日本の国語も自信あり、というのは意外な感じですね。
では個別に聞いてみましょう。
数学 -> いけそうな気がする
まずは数学。ChatGPTに高校1年生向けの例題と解答例を考えてもらいました。
y = x^2 - 3x + 2、の二次関数問題。なんか昔やりましたね。
(ちなみにコンピュータ表記では^2は2乗を指します)
とはいえ、解答例だけだとちょっと味気ないので、もう一工夫してもらいます。
wolflamプラグインで、数式を可視化
wolflam alpha、という一昔前に話題になった科学演算用のWebサービスがありまして、ChatGPTにもそのプラグインが提供されています。今回はこいつを使って数式の可視化を試みます。
依頼文はこんな感じでプラグイン使ってねと指示。
作図結果がこちら。どうでしょう。いいかんじではないでしょうか。
いやー、一瞬で作図とかほんとありがたいですね。
解説を段階的に依頼&分からないところを質問
続いて、数式の解答方法について、深堀して質問してみました。
丁寧に解説してくれてますね。続いては"dy/dx"が何を示しているかの質問。
ちゃんと返してくれてます。
しかも、例として直線の場合、曲線の場合、傾きが0の場合など、例もわかりやすいですね・・。多分、これをwolflamで可視化してくれ、とかもできると思うので「分からないところはバンバン質問する」というのが捗る気がします。( 私自身が高校生時代に欲しかった・・ )
英語 -> リスニングまでいける
続いて英語。これは前評判でもChatGPTは日本語より断然英語が得意、と言われているChatGPTなので、多分問題ない気がしますが一応確認です。
( あと、ChatGPT自体、そもそも文章中の次に単語を予測するモデルだったような )
高校1年生向け、ということで作ってもらった例題がこちら。
穴埋め問題と4択の解答例が自動生成されました。
高校1年レベルかどうかは全く分からないのですが、良さげですね。
穴埋め問題だけだとシンプルすぎるので、リスニングもしてみましょう。
Speechikiプラグインでリスニング対応
先日もChatGPT部のnoteでも取り上げたSpeechikiプラグインですが、テキストを様々な言語や声質で読み上げてくれるサービスです。
こちらを用いて、なおかつ読み方を工夫した結果がこちら。
依頼は「Speechikiプラグインを使ってね」と言うだけです。
( ちなみに、外部公開するにはSpeechikiの$25くらいの有料プランに入る必要がありますが、自分の学習だけで使うには無料版で全然良いと思います )
ちょっと修正指示を1回入れてます。
完成したものがこちら。
・作成された音声データ(音量注意)
私は英語はそこまで得意でないので雰囲気しかわかりませんが、英語読み上げもそれなりにいい感じな気がします。
またSpeechikiのサイトでは再生速度の調整もできるので、慣れてきたらスピード上げての練習とかも良いかもしれません。
複数の単語を使って文章を作ってもらう
続いてこちら。これはだいぶ初期(3月前後?)にどなたかが見出された技ですが、「複数の単語を使った文章を考えてもらって覚えやすくする」ということが可能です。
例えば、こういう感じで依頼してみました。3つの単語を使ってね、という指示です。
3単語を組み合わせて、文章サクッと考えてくれましたね。
(ちなみにこれも音声化してくれました。)
あと、ついでに意味と単語のリスト化も依頼してみました。
まぁそれなりにはできている気がします。
応用としてはHTMLやマークダウンなどで書き出して、プリントして単語カードを作る、とかもありかもしれませんね。
( 余談:Take it easy、ってなんか気楽にいけよ、みたいな感じで使われるケースが多いと思うのですが、使い方としては特に問題ない感じですかね・・? took it easy、ってあまり聞かない気もするけどどうなんでしょうね。)
歴史関係 -> 年号の語呂合わせは弱い
あとは私も苦手な歴史科目。丸暗記だと全く私覚えられないんですよね。
(というか、時代背景など知らないと興味が湧かない・・)
一応、問題を作ってもらいました。
あってそうですね。では1789年のフランス革命について深掘りしてみましょう
フランス革命についての深掘り
ChatGPT、しれっと嘘をつく問題が結構辛いのですが、今回はwolflamを使って調べてくれているので、時期は問題なさそうです。
(時期はwikipediaで答え合わせ済み)
(細かな登場人物・周辺情報・背景情報の真偽は未確認ですが、あってそうな雰囲気です。実際はこの辺をチェックしてから使うことにはなると思います)
前半、いい感じですね。歴史的背景もあり。
ちなみに1789年を覚える語呂合わせは・・全然ダメです(笑)
一応、もう少し指摘してトライしてみます
語呂合わせに一応トライしてもらう
年号そのまま覚えるの、辛いですよね。ということで語呂合わせで行こうと思いますが、結果としては「まだ自分で考えた方が早い」感じでした。一応修正してもらった結果載せておきますね。
Chat先生の提案により、いいなハチくる(1789)、となりました。
とりあえず後ろに出来事をくっ付ければ完成です。
「それは素晴らしいアイディアです!」とヨイショは得意なChat先生です(笑)
他にも同じノリで例を出してもらいましたが・・、うーん、まだまだですね。逆に、GPT-5などで将来的にコレがちゃんとできるようになったらだいぶやばいなーという気がします。
(ちなみに、1919年は少しリテイクの依頼をかけてます)
番外編:部活の支援 -> ある程度できそう
ちなみに、Chat先生に「部活動も支援できますか?」と聞いたところ、「できる」との回答があったので少し貼っておきます。
音楽部(ピアノ)の場合
ピアノ部、があるかはわかりませんが、曲目の提案はこちら。難易度もつけてもらいました。
ChatGPTは最新の情報は学習していないので疎いですが、クラシックは昔からあるので安定している気がします。youtubeとかで実際に曲を聴けるので、曲選びの参考くらいにはなる気がします。
写真部の場合
コレは基本的な技術の解説がまだ主かな、という気がしますが、一定支援をお願いできそうです。
ChatGPT-4は将来的にはマルチモーダル対応により、「画像解析」の機能のリリースもアナウンスされていますので、将来的には撮った写真に対してのフィードバックとして「良い写真かどうか」「構図のアドバイス」なども可能になるかもしれません。
野球について聞いてみる
この辺はどこまで高校野球で詳しく分析するか、という話もありますが、サイバーメトリクス、という名称で野球のスポーツ分析はアメリカのメジャーリーグを中心に盛んに行われている分野ですので、データさえあれば一定の解析やアドバイスはできるかも、とも思っています。
( とはいえ、高校生の時点では体づくり、チーム連携、などの側面も大きいとは思います )
・野球の特定シーンでの対応についての質問と回答
・どういうデータがあると良いかの質問
うーん、高校だとここまでのデータは揃ってない気がするので、何か他のアプローチも必要そうですね。(強豪校の監督の皆さんは采配についてはどうされてるんですかね。)
補足①:ChatGPTはしれっと嘘をつくので注意は必要
なお歴史系は今回wolflamプラグインに正しい情報があったのでそちらはまだ良いのですが、参考書籍や論文を聞く場合、Web検索をしてもChatGPTが想像でoutputを作成するケースもあるので、ちゃんと合ってるかの裏どりは必要です。コレが非常にネックですし、ある意味人間の先生やメンターの出番かもしれません。
あと、Web上には玉石混交の情報が多数ありますので、「その情報が正しいかどうかの裏取り」の練習にはなるかもしれません。
( 検証が必要な情報が受験勉強に向いているかどうか、でいうと微妙かもしれませんが、おそらく今後は重要なスキルになると思います )
補足②:ChatGPTは未成年には親の許諾が必要なケースもあるので注意
ChatGPTの活用に関してはヨーロッパを中心に、未成年者には利用制限や親の許諾を得るように、という動きがありますので、この辺りは注意が必要です。コンピュータの出力を鵜呑みにするのではなく、正しい情報かどうか、をある程度見極められる年齢になればどんどん使っても構わないと思いますが、それまでは先生や親などがサポートしてあげると良いと思います。
所感:中高生時代に欲しかった・・ めっちゃ便利
ChatGPT、たまに嘘をつくことを除けば知らないことも懇切丁寧に説明してくれますので、めっちゃいいと思います。自分が学生時代を振り返ると「分からないことを質問するのが恥ずかしい」とか「授業を止めたら申し訳ない」とかで、結構全体に合わせて質問ができなかった経験があるので、そういうケースでも非常に有効かと思います。いまさらこう言うレベルの話は聞けない、と思っててもChatGPT相手なら恥をかく事もないですし。
( もちろん、本来は授業でガンガン質問するのが正解だとは思います )
また今回は解説しませんでしたが、OpenAI社の公式のiPhoneアプリからもChatGPTは使えるのですが、こちらは「whisper」による音声解析にも対応している、とのことなので、文字入力が苦手な小学生や、場合によっては幼稚園生でも音声ベースでの質疑応答ができるかもしれません。
また無料版のChatGPT-3.5に比べると、圧倒的にChatGPT-4の方が賢いので、月額$20を支払う余裕のある方はぜひ課金してChatGPT-4とプラグインを使っていただければと思っています。なお3時間で25回までしか使えない制約はあるのですが、私は2アカウント契約をしているので数が足りない場合は複数アカウントで契約して使う、と言うのも一手かと思います。
( 月額2500円くらいでほぼ質問し放題の家庭教師、破格です )
ということでまだまだポテンシャルはある気がしますが、本日はChatGPTに家庭教師をしてもらう実験のお話でした。
それでは皆さんもどうぞ良いChatGPTライフを・・!(大城)
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