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非エンジニアでもわかるベクトルデータベースとは?生成AIの要素技術を徹底解説

ベクトルデータベースとは
実世界の複雑なデータ(画像、音声、テキストなど)を数値形式に変換して、その数値の配列やリストをベクトルといいます。これらのベクトルは長く複雑なものとなることが多く、時には何百という次元におけるそれぞれのオブジェクトの位置を表現しています。
それらのデータの集合体をベクトルデータベースといいます。

そのデータは細かくデータ点によって構成されており、これは類似の特徴を持つデータが近くに配置されています。

ベクトルデータベースの機能
データは完全一致ではなく類似性指標に基づき識別され、モデルがデータを文脈的に理解できるようになります。これにより、類似した画像を見つけたり、音声コマンドを理解したりすることが可能になります。

例えば、オンラインストアで「この商品を閲覧した人へのおすすめ」などという風に類似商品を提示します。これは顧客の購買履歴や興味を表すベクトルを分析したものです。他には、自然言語処理として単語や文書をベクトル化し、単語、文、アイデアを互いに関連付けることで、文書を分類したりテキストを作成できます。これは機械翻訳や検索エンジンの精度向上、会話型のAI にあたります。

このように関係性の特定、文脈の理解を可能にするのがベクトルデータベースとなります。

代表的なサービスにはこのようなものがあります。
・Elasticsearch
・Gensim
・Faiss
・Annoy
・Milvus

従来のデータベースとの違い
・データの種類
 従来:主にテキスト、数字、日付などの構造化されたデータをテーブル形式で格納し、行と列で構成されます。
 ベクトルデータベース:複雑な非構造データ(画像、音声、テキストなど)をベクトル形式で扱い、数値の配列として表現されます。
・データの処理方法
 従来:データは事前に定義されたスキーマに基づいて整理されます。
 ベクトルデータベース:ベクトル間の距離や類似性を計算することにより、類似したオブジェクトやパターンを迅速に特化できます。


ベクトルデータベースの利点

画像、音声、テキストなどの非構造化データをあちこちへと移動させることなく、効率的に処理し、分析することができます。
また、画像検索や音声認識、類似文書の検索など、似たデータ点を迅速に特定する能力があります。それによりモデルがデータセット全体を解析するのを待つことなく、数十秒以内に結果を返すことが可能になります。
さらに、機械学習モデルは学習した以上のことは記憶できないのですが、機械学習モデルとの統合が簡単で、モデルが生成するベクトルを直接扱うことができます。
これらのために、大量のデータと高次元のベクトルを効率的に扱うことが可能です。

まとめると、従来のデータベースは構造化されたデータを効率的に扱うことに特化しているのに対し、ベクトルデータベースは複雑な非構造化データを多次元ベクトルとして処理し、これらのデータ間の関連性や類似性を高速で検索することに特化しています。
この特徴により、AIや機械学習が関連する応用分野で非常に有効です。ベクトルデータベースは、大規模なスケールで迅速に動作できるので、これを使わない理由はありませんね。

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