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「おらと いっしょに ぱらいそさいくだ」 諸星大二郎 漫画『妖怪ハンター』内『生命の木』ネタバレレビュー・感想・あらすじ







〜ネタバレ注意よ〜


みんな ぱらいそさ いくだ!



いま勝手に諸星大二郎マイブーム(最後に諸星大二郎の別記事も貼って置くね)につき、延々と書くわね。

まず、


『妖怪ハンター』

というシリーズの説明をするわ。


これはなんとこんな渋い難解な内容でありながら、1970年代に少年ジャンプに掲載されていた漫画よ。

(こ、こ、この漫画をジャンプぅ?ガロじゃなくて?)

とにかく読者の少年達の年齢や嗜好に1ミリも寄り添ってないという実に衝撃的な作品群なの。


主人公の妖怪ハンター『稗田礼二郎』というイケメン設定のワンレン長髪・長身でいつも黒スーツの考古学者が、まずそもそもどうかしてる。

まあファッション的にもややどうかしてるけどポイントはそこじゃなくて。

彼は悩める全国の少年達から手紙をもらっては怪事件に困っている村にやってくるんだけど。

妖怪ハンターのくせに

いっさい妖怪を捕まえず、
いっさい妖怪退治もしないのよ。
彼は要するに

妖怪を…観察してる…だけ…なの…。


で、妖怪ハンターの来訪と共にかならず怪事件は収拾がつかないような盛り上がりを見せて、トコトン行くところまで行っちゃって、たくさんの人が死んで、酷いときには地響きと共に村ひとつ消えたりするの。

「一切の謎を解か死人だけ増やす」

コナン君からコナン君の唯一の良い所(謎解き)を完全除去したみたいな青年よ

まあ、あれだけの大災害に巻き込まれながら一人だけしれっと生き残る技は半端ないけどね。あんな顔色悪そうなイケメン顔だけど身体能力はマスターキートンの10倍くらい上を行ってるわよ。


で、『生命の木』通称、


『おらぱらいそさ行くだ』

の話ね。【ここからはマヨコ超訳につきほんのちょっとだけ冗談混じってます全部は本気にしないように】


この作品はシリーズ『妖怪ハンター』の中の1作品で、正式名称は『生命の木』って題名よ。諸星大二郎の金字塔的作品であり、『おらぱらいそさ行くだ』という通称で親しまれていることでも有名なの。(今日ただいまからわたくしが広めてる)

吉幾三・歌聖によるラップ化までされた聖なる作品よ。(ウソです)


舞台は東北、青森の奥深い山村。

そこには


『おらこんな村いやだ村』

という小さな集落があったのだわ…。(集落の名前はウソです)

ここは古来の隠れキリシタンの時代から地域に伝わり改変された不思議なラッパー文化が伝わる村よ。(だから本気にしないでよ、ここは)


唐突に起った殺人事件。

そこには『善ず』という名の、村のみんなに慕われている、とっても頭が悪い男がいたの。(あ、これはガチで本当よ、イミフでしょ、でも本当にこれはそーゆー作品なの!こっから先は『RAPの話』以外は全部作品の通りそのままよ!)

ところが。

ある日『善ず』は、彼を慕っていた、同じくとっても頭の悪い村人たちに十字架にかけられ!小高い丘で磔にされた挙句に惨殺される。。。


いきなり意味が解らないわ。。。

捜査は難航する。

ボロボロの服を着て常にわけのわからない言葉をつぶやく村人たち。そもそも彼等には日本語がまともに通じないの。(これもホントよ、ガチでそーゆー話なのよ!)

別村の人々が口々にその村の噂を言う。

「その村では村人全員がメチャクチャ頭が悪いので会話という会話はゴリゴリの東北弁RAPにしてきっちり韻を踏まないと一言も通じません」

「( ゚Д゚)ハァ?」

「しかも村人はいつまでたってもよぼよぼしたまま死なないのです…老衰死や病死というものがない。事故以外で死んだ人は見たことないです」

「( ゚Д゚)ハァ?」

「まれに事故などで死者が出ることもなくはないのですが…村人は異常なほどに長命で」

「意味わかんないよじゃあ死ななかったらどうなるの( ゚Д゚)?

「ですから村人たちはいつの間にかいずこかへと消えていくのです!」

「( ゚Д゚)ハァ?」


確かに妖怪ハンター・稗田先生が確認したところ、村には墓が一個もない!

そんな馬鹿な!と思いながらも稗田はここに伝わる特殊なキリシタン伝説を思い出すのよ…。

本来の聖書には存在しない異端の教え、本来の聖書には存在しない、知恵の実ではなく、生命の実を盗んで食べてしまったもうひとりのアダム!

アダムと違い知恵の実を食べられなかった「じゅすへる」という末裔のことを!


村に伝わる隠れキリシタンの経典

『世界開始の科の教え』(ちゃんと本物の史実に残る文献です)

によれば

「じゅすへる」はアダムが食べた知恵の実のかわりに「生命の木の実」を食べたの。そのため知恵を得られず、それでいて不死になってしまった。

死なないじゅすへるのアホすぎる子孫だけで地上がいっぱいに溢れかえってしまうことを恐れた神は一計を案じたわ。

神は不死の彼らが歳を重ねるとかならず「いんへるの」という地面に空けた大きな大きな大きな穴に放り込まれなければならないという世にもおぞましい呪いをかけたの…彼らは暗い穴の中で死ぬことができないから永遠に蠢きもがきながら苦しみ続ける何百年も…何千年も…「きりんと」がすべてを救いにやってくるその日まで…!

事件から三日経ったわ。

その日。

みんなに慕われていたのにイミフな事情でみんなに磔にされて殺された「善ず・きりんと」の死体が、村役場から消えた!

善ず・きりんと…

イエズ・キリスト...

すっかり腐敗が始まっていた死体が消えた...

「善ず」は生き返る…

磔刑から三日後といえばキリストの復活の日...

「きりんと」がついに復活する!!

(この続きはぜひ漫画本編で読みませう!)


『おらこんな村いやだ村』→『みんなぱらいそさいくだ村』のテーマソング

(ここに貼るのにぴったりな『おらこんな村いやだ』村ソングを探し当てるために人生の貴重な時間を数日無駄にしてしまった…)

↓1:45~ラストまでが最高
ちなみにマイケルはほぼ歌ってません、マイケルは吉幾三のバックコーラスに成り果てています。あくまでも吉幾三のセクスィーボイスRAPを堪能するだけの歌です。




諸星大二郎が気になってきた人はこちらにどうぞ。

マヨコンヌの諸星大二郎論はこちら。


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