GOOPASSさんの企画されたイベントに参加させていただき、2024年4月7日に横浜武道館で開催された男子プロバスケットボールB3リーグに所属する横浜エクセレンスとヴィアティン三重の試合を「リング脇のプレス席」から撮影させていただきました。
　残念ながらプレス席で撮影した写真はSNSで公開できないのですが、前から2番目で通路側の席も確保していただいており、その席からプレス席とほぼかわらない写真を撮影することができたので、プロの撮影現場で体験した感想をレポートさせていただきます。

準備としてのイメージづくり

　普段、私は動物園でサーバルやホワイトタイガーなど動物ばかりを撮影しています。

　バスケットボールに関しては、ずいぶん前に高校の体育の授業でプレイして以来見るのも初めてでした。
　そこで、予習としてYoutubeでバスケットボールの試合の動画を見たり、GOOPASSSさんのイベントに先に参加された方のレポートを参考にしたり、スポーツ系のアニメを見たりして、どんな写真が撮りたいのかイメージをつくるところから始めました。

　ちなみにどんなアニメを見たのか言うと、

　バレーボールで人気の「ハイキュー」です

　なんでやねん！
　バスケットボールなら「スラムダンク」を見るべき！

　と思われるでしょう。
　私もそう思います。

　でもね、「スラムダンク」が流行った世代であるにも関わらず見たことないのです…。
　MANISHの「煌めく瞬間にとらわれて」は大好きなんですけどね。
　2022年に公開された新作映画の配信あるのかな？と思って探しても見つからなかったので、割り切ってバレーボールのアニメでどういう構図で撮りたいのか考えてみたところ、

　撮りたいと思った構図は広角が多かったのです

　そこで、14mmの広角レンズを準備することにしたのですが、この判断は大正解でした！
　ぶっちゃけ、ハイキューは本業で煮詰まったり、新刊写真集の制作で頑張りたい時にBGVとしてよく見てたりします

　話がそれました…
　こんな感じで準備をしていると、あっという間に撮影当日となりました。

　本番の試合撮影の前に、講師の石井ジョゼさんから「プロに求められるスポーツ撮影とは？」というレクチャーを受けたのですが、「どんな写真が求められるのか？」というお話が非常に参考になりました。

　これはスポーツ撮影に限った話ではないかとおもうので、これからの撮影でも心掛けようと思います。
　石井ジョゼさん、貴重なお話をしていただきありがとうございました。

バスケットボールの撮影に良いと思ったレンズ

　今回はGOOPASSさんから機材をお借りできることになっていたので、α1と70200GM2をお借りし、自前で準備した機材を加え、カメラ3台、レンズ5本の体制でバスケットボールの撮影に挑戦しました。

　まず、使い慣れたカメラをお借りしたとはいえ、自前のα1と同じ操作方法となるようお借りしたα1をカスタマイズさせていただきました。

　カメラのAF設定については、動物撮影と同じくトラッキングAFとワイドAFを切り替えながら撮影したのですが、トラッキングAFの追従感度は「粘る」にした方が良い感じだったかな。
　というのも、ボールを持った選手にトラッキングAFをあわせても、敵味方の選手にかぶったりして見失うケースが多かったので、途中で設定を切り替えました。

　私は動物撮影でもファインダーを覗かず液晶を見ながら撮ることが多いのですが、トラッキングAFのカーソルをセンターやや上くらいにセットし、そこにボールを持った選手がくるようなんとなくあわせ、あとはカメラのAFを信じて構図を整えることを意識しながら撮っていました。

　次に、レンズについての感想です。

・SONY　300GM

　すこし焦点距離が長め
　反対側のコートで試合が進んでいるときを中心に使用

・SONY　70200GM2

　初めて使いましたが、評判通り軽くて写りがいいですね
　コートのどこに選手がいても使える感じで汎用性は高いと感じました

・SONY　135GM

　知る人ぞ知る私のメインレンズです
　70200GM2が便利すぎたので、出番がないと思いきや
　やっぱりいい
　特に2人の選手がボールを競り合っている場面でも、フォーカスがあった選手以外はボケるので何を見せたいのか明確になりやすいのが良いと思いました
　また、照明がついているとはいえ体育館の中での撮影なので、F1.8の明るさはISO感度を下げるなど、撮影者に表現の選択肢をあたえてくれます
　135GMはクロップすれば200mm相当になり、ほぼ70200の焦点域をカバーできるので、もし次の機会があれば、70200GM2を借りずに2470GM2を借りることになると思います

・TAMRON 2875GII

　けっこう良い感じ
　ゴール前での混戦をど迫力で撮影できるのが良いと思いました
　標準ズームレンズは一本持っていた方が良いのではないでしょうか

・SONY　14GM

　正直ちょっと広いです
　ただ私はスリーポイントシュートの描く弧を撮ってみたかったのです
　残念ながら今回は撮ることができませんでしたが、クロップして20mm相当の画角で多用していました。
　広角単焦点なら20mmとか35mmあたり、少し絞って撮影していたので2470あたりの標準ズームレンズが無難かと思いますが、プロのメディアの方がEF1635で撮影されていたのを見かけたので、そのあたりが狙い所なのかもしれません

ベストカット

　SNSなどに写真を公開することはできないのですが、リング脇プレス席から広角レンズで撮影した写真はお気にいりが多いです
　特に…

　という状況が１枚でわかる写真が撮れちゃったんです！
　少年◯ャンプ 4/7号　第xx話　最後のコマで使われそうですよね

　おそるべしビギナーズラック

　他にも、ゴール真下からの普通のフリースローなのに迫力のある写真だったり、リング下でのボールの奪い合いなど、お気に入りの写真を撮ることができました
　やっぱり広角レンズはたのしいな！

まとめ

　私はバスケットボールの試合を撮影するのが初めてでしたし、α1にはプリキャプチャー機能が搭載されていません。
　普段の動物撮影なら先の展開を見越して節約することもできるのですが、今回は脳内リミッターを解除し人間プリキャプチャーということで連写しまくりました。

　撮影枚数は約8,000枚

　データを取り込むのは大変でしたが、お気に入りの写真が撮れたらそんな労力は気になるものではありません。
　中には、連射機は撮影枚数が多くなってしまうことを敬遠される方もいるかもしれませんが、私は撮影後のデータ整理をがんばることにしています。

　あ、さっき普段の動物撮影だと連写をセーブしてると書きましたが、ここぞというときはシャッターボタンは押しっぱなしです
　多摩動物公園のサーバルのアポロくんとか、よく見てる個体はある程度動きが読めるので、連写のポイントを絞ることができるということです

　また、リング脇での撮影でしたので、ボールや選手が飛びこんでくることも覚悟していたのですが、幸いなことにそういったケースはありませんでした。
　でも、そういった状況に陥った場合はすぐに逃げられるような体勢は整えていた方が良いでしょうね。

　最後になりましたが、横浜エクセレンスとGOOPASSさんには、リング脇のプレス席での撮影のチャンスをいただき、本当に感謝しております。
　普段の動物撮影とはまったく異なるジャンルの撮影でしたが、めちゃめちゃたのしませていただきました。
　ここで培わせていただいた経験を次の撮影に活かせるよう頑張ります！

　今回の撮影時点で横浜エクセレンスが所属しているB3リーグはB1リーグと比べると下位カテゴリーに属してはいますが、横浜武道館という素晴らしい会場で開催されており、プレス撮影でなくてもリングサイドで観戦したり、撮影することができるようです。
　ファンクラブに所属しなければならないとか、条件はありそうですが…

　今回の試合は2023-2024シーズンの最終戦で、横浜エクセレンスはB2リーグへの昇格トーナメントを戦うことになるようです
　B2リーグ目指して頑張ってください！

　とまぁ、こんな感じで長々と観戦記事を書くくらいとても楽しいひと時を過ごせたので、来シーズンは普通にチケットを購入して観戦しようかと考え中です。

おしまい