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茶屋のお便り年末年始号《後半》~手打ちそばと自作のそばつゆ

 こんにちは。茶屋ファームです。前半でご近所さんから年越しそばのオファーをいただいた話をしましたが、その続きです。


■ 利賀村北豆谷のそば

 サムネイルにもありますが、利賀村北豆谷の名人にそば打ちをしてもらいました。蕎麦屋を営んではいないのですが、お得意さんから注文を受けて手打ちそばを提供されています。

 平たい麺に特徴がありますね。色は黒っぽく、いかにも田舎そばといった感じです。オファーをいただいたご近所さんから写真と感想を送っていただきまして、美味しかったと褒めていただきました。


■ そばつゆ作り

 そば打ちは名人にお願いした一方で、私はそばつゆを作りました。今ほど交通が整備されていなかった頃はかつお節や昆布などの海の幸は貴重だったので、岩魚の焼き干しから出汁を取っていたようです。それを復刻してみようと思いました。

『頭と尾を落として、内臓も取り出します。』
『焦げ付かないようにジワジワと脂と水分を落とします。』
『脂は雑味になるので、どんどん落とします。』
『何日か干して、水分をさらに飛ばします。』
『ひと晩浸しておいてから煮出します。』

 出汁の本を何冊か買って研究しました。岩魚だけだと少しコクが弱かったので、組み合わせも色々と試してみました。

 せっかく川魚を使うので、かつお節や昆布といった海の幸を使わずに作りました。上品な味わいとはいきませんでしたが、野性味を感じるワイルドな仕上がりになりましたね。「あぁ、昔の利賀の人たちはこれを食べて長く厳しい冬を越していたのか。」なんて想像を脹らませていました。

 移住者である私が「利賀の味」に取り組んでみたわけですが、地元の方に喜んでいただけたのは嬉しかったです。準備を進めて、皆様にもお届けできるように頑張っていきたいと思います。


■ うま味の相乗効果

 せっかく色々と出汁について勉強したので、私が面白さを感じたことを少し発表したいと思います。うま味は科学です。

◇ イノシン酸

 タンパク質の合成に重要な役割をもつ核酸。料理にコクやまろやかさを出す成分で、肉や魚(かつお節や煮干し等)に多く含まれます。ほんの少しの塩分を加えるとうま味が強まります。

◇ グアニル酸

 イノシン酸と同じ核酸。乾燥の過程で生成されます。干しシイタケ、海苔、ドライトマト等に含まれていますが、干しシイタケが特に多いです。

◇ グルタミン酸

 タンパク質を構成するアミノ酸。昆布に含まれています。トマト、肉や魚、チーズなどは熟成させることで含有量が増えます。

 これらは三大うま味成分と言われており、驚くべきは核酸系とアミノ酸系を組み合わせて使うことで相乗効果が発揮されることです。

 グルタミン酸 × イノシン酸 ⇒ うま味が7~8倍
 グルタミン酸 × グアニル酸 ⇒ うま味が12倍

参考文献『だしを極める。(監修:村田吉弘、高橋善郎、本田祥子 発行:宝島社)』


■ 最後に

 普段ほとんど料理をしないのですが、そばつゆ作りは楽しくて結構のめり込みました。そばつゆを自作してみると、そばの楽しみ方の幅が広がるのではと思いました。

 色々と試しましたが、かつお節の凄さを思い知りましたね。香り高く濃厚な味わいで、しかも上品でしつこくない。特に作り立ては別格です。チャーハンか焼きそばくらいしか作らないヤツがいっちょ前に何を語ってんだって感じですが。あと、市販のそばつゆがちょっと甘いなーと感じている方は、かえしの砂糖の量を調整するとそれだけでも違うと思います。

 それでは前半、ハーフタイム、後半とお届けしてきましたが今回も最後までお読みいただき有難うございました。本年もよろしくお願いいたします。


 私ども茶屋ファームは富山県南砺市利賀村で主にソバの栽培をしている農業法人です。日頃の農作業や六次産業化の過程、そばを使った料理、蕎麦についての豆知識など色々と発信していこうと思っています。

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