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茶屋のお便り10月号~そばの収穫と農政について~

 こんにちは。茶屋ファームです。今月号の内容は以下のようになっております。少しでもお読みいただければ幸いです。


■ 刈り取り開始

 7月26日に播種をしてから83日が経過し、いよいよソバを刈り取る日がやってきました。豆谷地区のそば畑がイノシシに蹂躙され、まだ被害の出ていない中村地区に電気柵を急遽設置するなどドタバタさせられましたが、ついにこの日を迎えました。

 コンバインや乾燥・調製設備を持っていないので、利賀村の中核機能を担う農事組合法人とがファームさんに作業を委託しました。ただ、作業を見守りながら、「でもやっぱり自分で収穫したいなー。」という気持ちがこみ上げてきましたね。いつかは自前の機械・設備を導入したいです。 

■ 収穫されたソバ

 上の写真は平台の乾燥機に乗せられているソバです。これから水分が15%程度になるまで乾燥して、それから粗選、石抜きを経て出荷できる状態に仕上がります。

 よく見ると黒い実と青い実があると思います。ソバの実は全て成熟するのを待っているとポロポロと落ち始めてしまうので、青い実が残っている状態で刈り取りをします。未熟なのも一緒に刈り取るの?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、青い実は香りに優れていたりします。

 黒化率70~80%程度が収量・味・香りのバランスが良く、収穫適期とされています。今年の茶屋ファームのソバに関しては、もう少し早くても良かった気がしますが、天気の問題や刈り取る順番もありますので概ね良い時期に収穫できたのではないかと思います。

■ 品質と収量

『カメラを向けられ、テンション高めの検査員』

 品質は検査に出さないと分からないので現時点では何とも言えないのですが、粒が軽い気がしたので容積重の要件を満たさないかもしれません。収量は不純物が混ざった未乾燥の状態で約120kg/反でした。今年のソバは今のところ50~55%程度の歩留まりとの事なので、出荷できるレベルのものは約60kg/反ほどの見込みです。ちなみに1反は、1,000㎡で10コースの50mプールほどの広さです。

 収量の多寡の基準はそれぞれだと思いますが、茶屋ファームでは45kg/反としています。この数字は農家の経営所得安定対策の基準値です。この制度は高品質なものをたくさん作れば作るほどボーナスがもらえる制度で、ソバの場合は45kgを超えると1kg当たり約300円が交付されます。(※品質の等級や年度によって異なります。)

■ 経営所得安定対策とは

『出典:令和5年度経営所得安定対策等の概要(農林水産省)』

 農政について知っていただく良い機会なので、経営所得安定対策についてご案内したいと思います。まず上図の黄緑色の面積払いとは、作付面積に合わせて暫定的に交付されるものです。ソバは13,000円/反となっています。

 そして収穫して出荷した農産物が一定量を超えると、数量払いと言って上図の黄色の三角部分が交付されます。成果給のようなもので農家の頑張りを後押ししてくれる制度です。反対に、いい加減なことをして全然出荷できなかったりすると面積払で交付された金額を返還しなくてはいけなくなる事もあります。

 色々な制度の下で日本の農業が成り立っていることを知っていただきたくて書いてみました。

 前後しますが交付を受ける要件がまだあって、認定農業者である必要があります。当ファームは来年申請する予定です。とりあえず今年は検査に出してみて、何等級がつくか把握できればいいと思っています。そして来年の栽培計画に反映するつもりです。ひとつひとつ成長できればと思っていますので、ぜひ応援していただければ幸いです。


 私ども茶屋ファームは富山県南砺市利賀村で主にソバの栽培をしている農業法人です。日頃の農作業や六次産業化の過程、そばを使った料理、蕎麦についての豆知識など色々と発信していこうと思っています。

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画像は「ぱくたそ」さんのフリー素材を使用しています。

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