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25歳になったので高さ日本一のバンジージャンプに挑戦した話

先日、CHE BUNBUN生誕25周年を迎えました。25周年ということで何か面白いことしたいなと思い、行ってきました。

バンジージャンプに!

茨城県にある竜神大吊橋は日本最大級のバンジージャンプスポットであり、100mの高さからダイブすることができます。昨年、親友が挑戦して、めちゃくちゃ楽しかったと語っていたことから一気に興味が湧きました。

そしてふと、とある説を検証してみたくなりました。

「スカイダイビングとバンジージャンプ、バンジージャンプの方が怖い説」

実際、ブンブンは大学最後の夏に、栃木県藤岡でスカイダイビングをしました。上空3,000mから一気に眼下の世界に飛び立った訳ですが、意外にも全然怖くなかったのです。標高3,000mから落ちるということが非日常的過ぎて、パラシュートが開かなかったらどうしようと思ってみても、「別になんとかなるんじゃね?」と思ってしまったのです。寧ろ、怖いというよりかは身体にかかるGの圧が強くて、声をあげることができなかったのが印象的でした。

なので、地面が見え、現実的な高さから落ちるバンジージャンプの方が怖いのではという仮説がここに上がりました。と同時に、最近MCU映画をたくさん観ているので、トニー・スタークのようにビルから落下しながらアイアンマンになっていくような体験、あるいはスパイダーマンのように白い紐一つでビルとビルの狭間を疾走していくあの感じを猛烈に体験したくなっていました。

しかし、ここ数年予約しようとしても、日程が合わなかったり、満員だったりしてなかなか行くことができませんでした。

それだけに今回のバンジージャンプは胸踊りました。バンジージャンプ発祥の地バヌアツでは、大人になる通過儀礼としてバンジージャンプが導入されていたとのこと。ブンブンも25歳という節目の年に大人になってみました。

【どうやって行くの】


竜神大吊橋までは上野から、だいたい3時間かかります。

午前7時、眠い目を擦りながら、特急いわきに乗って水戸駅を目指します。休日だというのに、サラリーマンで割と賑わう電車に揺られて1時間、そこから水群線に乗り換えて常陸太田駅を目指します。

茨城県の知識ゼロだったので今回初めて知ったのですが、常陸って《ひたち》と呼ぶんですね。切符の精算時に駅員さんに《じょーりくおおた》と言っても通じない訳だ。地理漢字の難しさに頭を抱えました。

常陸太田からバスに乗って会場に向かうのですが、基本的にバンジージャンプする人は自家用車で来るらしく、数時間に1本しかきません。10時のバスまで1時間ぐらい暇を潰します。『NETFLIX コンテンツ帝国の野望』を読み切みながら気長に待つとします。

バスにはブンブン含め、バンジーしにいく方数名が乗っています。どんどん茨城の深部へと潜っていきます。東京では見かけないコンビニ《セイコーマート》や地方都市を舞台にしたアニメでしか見かけたことのない趣のある個人商店がポツポツと見えているのですが、それも30分経つと、生物の気配すら感じない地に変わって行きます。ホラー映画のオープニングさながら不穏な空気が流れます。1時間ぐらいして、ようやく「竜神大吊橋入口駅」が見えてきました。しかし、バスの兄ちゃんはこういうのです。

「本当にここで降りるのかい?」

完全にホラー映画あるあるな展開ではありませんか。

兄ちゃんがこう言うのには訳がありました。

実は、肝心なバンジージャンプ会場はこの駅からさらに1km近く坂のを登ったところにあるのです。かつては、「竜神大吊橋入口駅」から勇猛果敢な猛者たちがバンジーの為にうんしょうんしょと山道を登っていったのですが、流石にそれはかわいそうだと最近、山頂にも駅ができたのだそうだ。下手にそこで天邪鬼根性発揮しなくて正解でした。

【翔んで茨城】


さて山頂では、早速「フォーーーーーーー」と叫ぶ野郎の声が木霊しています。歩いている人は、チャラ男やパリピ、屈強そうな人ばかりです。スカイダイビングの時も感じたのですが、ソロでやって来る人などいませんでした。しかし、すっかりトラベルジャンキーなブンブンにとってそんなの関係ねぇなのです。

お手洗いを済ませて受付をします。強そうな女性の方が、

「こんにちは、あんた独りかい?おけ、これ書いて!」

と誓約書とペンを渡してきます。そうなのです。バンジージャンプは危険なアクティビティなのです。酒を飲んでいたり、体調が悪かったり、精神衰弱時にはやってはいけないのです。読むと、背筋が凍るようなことがびっしりと書かれた契約書にサインし、保険の登録も行います。

続々と12:00の回参加者が集まってきます。友人同士、カップルで来ている人に紛れ、おさるのジョージTシャツを着た怪しいおっさんがバンジーを心待ちにしているシュールな光景が広がっていました。

スカイダイビング同様、チャラい外国人のお兄さんが現れて、「よっしゃ飛ぶ準備しよう」と、安全器具の取り付け作業を始めます。安全器具はぎゅっと締め付けられるので、痛すぎる場合は申告する必要があります。また、チンポジが悪化するので、飛ぶ前に定位置を探し出しておきましょう。

さあ、いよいよ橋へ向かいます。隊列を組んで、それぞれが想いを抱きながら、尊厳持って歩く様は『アベンジャーズ/エンドゲーム』でヒーロー達が歩く様子に近い興奮があります。道ゆく人々が、不安と羨望、好奇入り混じった目でまじまじと見つめてきます。それに応えるかのように、我々も堂々と歩く訳なのですが、いざ「さあこっちだ」とジャンプ地点に到着すると腰が引けてきます。

いくらスカイダイビングを経験しているとはいえ、また、

「死は避けられない……あんたも死ぬし、俺だって死ぬ、皆いつか死ぬ……だが今日じゃない」

と『バトルシップ』の名言を自分の胸に言い聞かせたとしても、やっぱり「怖い」と思ってしまいます。

ジャンピングブースに着きました。周囲網で囲われたブースは高所恐怖症の人がいたら絶句してしまうことでしょう。ブンブンの順番は6番。一人、また一人と落ちるのを見守りながら時が来るのを待ちます。

落ちる際には思いっきり頭から飛び込んだほうが、変に足や首を捻らずに済むとのこと。皆そのことは分かっているのだが、やはりいざ飛ぼうとすると足がビビってしまい足からダイブしています。

チャラいインストラクターの方曰く、やることはたったの4つだそうだ。
1.思いっきり飛ぶ。
2.100m地点に落下したら、足元にある赤い紐を右に引き、天地がひっくり返ってしまっている状態を解除する。
3.天から降ってくるカラビナを首元の赤シールのついた金具に取り付ける。
4.カラビナをつけたら丸サインを送る。

インストラクターは
「Hahaha!飛ぶ、紐を引く、カラビナつける、丸サインだぜ!簡単だろ?」
と言っているが、割と頭が真っ白になって上手くできなそうな工程だ。

そうこうしているうちにブンブンの番がやってきました。後ろのお客さんにブンブンの雄姿を動画に収めてもらうことにしました。

Hey, Bunbun,よく聴け、
1に思いっきり飛ぶ。
2に100m地点に落下したら、足元にある赤い紐を右に引き、天地がひっくり返ってしまっている状態を解除する。
3に天から降ってくるカラビナを首元の赤シールのついた金具に取り付ける。
4にカラビナをつけたら丸サインを送る。

だ。復唱してみろ!

そうだ。よし、準備できたな、写真を撮ろうぜ!

目の前のお姉さんに、ブンブンが10分かけて考えて決めた「ワカンダフォーエバー」をドヤ顔で魅せ、いざポイントへ。

おい、もうちょい前だ、何ビビっている。
下を見るんじゃない。
横だ。カメラを見ろ!

やはり、いくら空を自由に飛んだとしても、慣れません。つい数分前までは、スマホを託したお客さんにスカした顔していたブンブンもビビります。焦ります。こんなに高かったんだ!と。

でも、もう立ってしまったんだ。飛ぶしかありません。

5

4

3

2

1

翔んで茨城!

脳内に、ホイットニー・ヒューストンの「I will Always love you」が響き渡り、ブンブンはInto the Space羽ばたきました。走馬灯が見えました。今まで観たあんな映画やこんな映画の残像がフラッシュバックする。外から見ている分にはたったの4秒という刹那なのだが、ながーーーーい時間現世と黄泉の隙間を彷徨っていたような気がしました。

魂が抜けそうになるのも束の間、ビヨーン!とブンブンの身体は宙に上昇して行きました。そしてようやく、眼下の景色を捉えることができました。荘厳な森林、青でもグレーでも白でもない川の味わい深い色彩とのコントラストに感動を覚えました。

生きていてよかった。と。

そして100m下の世界から天を眺める。太陽がブンブンの軌跡を眩ます。そこに右手を翳す。脳裏にしか焼き付けることのできないインスタ映えスポットがここにあったのかというほどの美しさがそこにありました。

赤い紐を引っ張り身体の向きを整えると天から輪っかがゆっくり、ゆっくりと降りてきました。

しかし、安心するのも束の間、ちょっとしたハプニングが発生します。やはりブンブンの旅はハプニングがつきものです。輪っかが途中で引っかかってカラビナに手が届かないのです。ヒヤリとしました。インストラクターが引き戻して、輪っかをブンブンの手元に届けようとするのだが、数回やっても上手くいかない。ちょっぴり焦りました。なんとかカラビナは、手元に来たのですが、頭が真っ白になって、暫く首元の赤いテープを見つけることができませんでした。

引き上げられると、インストラクターが

「おうやったな!」

と祝福してくれました。これぞ、地獄からの生還、底知れぬカタルシスがブンブンを包み込みました。写真は、なんとハイテクなことに、そのままスマホに入れてくれます。受付で次回以降1万円で挑戦できる、賞状兼クーポンを受け取りブンブンは無事大人になることができました。

屋台で、カレーうどんを食べながら、バンジージャンプの高揚感を噛みしめる。圧倒的に、スカイダイビングより怖かったが、挑戦してよかったなと思いました。そして、次は世界最大級のバンジージャンプスポットと言われているロイヤル・ゴージ・ブリッジでのダイブに挑戦したいなと感じるようになりました。

ネットニュースでのリポートを読むと、全身の細胞が飛ぶことを拒絶するらしい。これはワクワクしました。

ということで、25歳も映画の伝道師兼トラベルジャンキーとして人生を遊び倒していきます!



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