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死ぬまでに観たい2010年代映画100 2章: 2011年


《死ぬまでに観たい2010年代映画》第二章です。

2011年総括(筆者:高校2年生) 東日本大震災による闇

この年は、サブプライムローン問題による急激な景気の悪化に追い討ちをかけるようにして2011年3月11日に東日本大震災が日本を襲いました。福島を始め東北の多くの地域が、2019年になっても決して癒えることのない大きな傷を負ったのだ。

当時高校2年生だったブンブンは、鮮明にあの時のことを覚えている。陸上部の練習を終え、祖父母の引越しの手伝いをしに、仙川に行ったのだ。そして軽くお茶をし、さあこれから本棚を片付けるぞ!という時に、かつて体験したこともないような揺れに襲われたのです。すっかり地震に慣れたブンブンですら驚いた。そしてテレビをつけると、ディザスター映画でも観たこともないような大波が福島をのみ込んでいったのだ。当時、認知症が進行していた祖父は、相当なトラウマを受け、夜な夜な突然起きて慌て始めたりして非常に怖い思いをしました。そして、東北はあれだけ大惨事にも拘らず、仙川は次の日には何事もなかったかのように町が稼働する様は、ある意味世界から隔絶されたような気がしました。そして、1日、また1日と経ち、学校が再開未定になったことが分かっていくに従い、これは現実なんだということが嫌でもブンブンの心の中に伝播していきました。

こうして暗い、お葬式のような1年が幕を開けたのです。映画においてもイベントの自粛自粛の並で、これといった凄い作品が紹介されることは少なかったように思える。キネマ旬報のベストテンを読んでみると、イマイチパッとしないランキングになっていることがわかるでしょう。

では海外の映画はどうか?と訊かれても『別離』、『ツリー・オブ・ライフ』、『ファウスト』、『アーティスト』、『ミッドナイト・イン・パリ』、『ヒューゴの不思議な発明』、『ニーチェの馬』などと、映画メディアでは重要な作品として取り上げられることもあるが、2010年代を語るに値する作品か?と思うと疑問が残る作品が多い。

それだけに今回の選出は3ヶ月ぐらいウンウン、あーでもないこうでもないと言いながら決めた。世界規模で不作だった年なのかもしれない。

それでは、そんな2011年の作品10本を覗いてみましょう。

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