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ずんだもん解説を作ったら死にかけた話

■ずんだもん動画にハマる

ずんだもん解説動画を作りたくなった。

きっかけは、ずんだもんがSVB破綻事件について解説していた動画。当時私は、転職活動をする中で人材会社やコンサルタント会社の人がプレゼンする動画を見ていた。この手の動画は、説明やトークの構成が洗練されていることが多く配信や動画制作だけでなく転職活動の語りの参考にもなっていた。その流れで、過酷な面接の傷を癒すようにゆっくりボイスによる2ch/5chまとめ動画を漁っていた。そんな中、ずんだもんにたどり着いた。


ずんだもん自体はカレーうどんを食わせられるネットミームやVTuberとのコラボ配信で知っていた。だが、だーまめさんのずんだもん解説には衝撃を受けた。ゆっくり解説のような臭みが脱臭されており、ずんだもんの可愛らしいボイスで専門的なビジネス事象が語られていたのだ。

それから、貪るようにずんだもんがビジネスについて語る動画を掘っていった。その中である欲望が生まれたのであった。

「映画解説ずんだもん動画を作りたい!」

■ずんだもんを使ってみた

Netflix解説こそ存在したが、映画ビジネスや映画監督の人生について語るずんだもん解説はなかった。なら作るしか!

調べてみると、VOICEVOXというソフトを使えば実装できるらしい。立ち絵は有志の人が提供している。坂本アヒルさんが実装しているずんだもんモデルを使用して何本か動画を作ってみた。

ただし、当時、MacBookProを使っていた自分にとっていくつか課題があった。それは、ずんだもん解説やゆっくり動画を作るのに必要なソフト「ゆっくりムービーメーカー4」はWindowsのみ対応していたことだ。MacBook Proについている動画編集ソフトは使い物にならない。じゃあどうするか?

OBSで紙芝居のように立ち絵やボイスを展開していくことを考えついた。

いつもの動画収録のように一発撮りで行う。これが難しい。MacBook Proの画面が小さいので、その中でいくつものソフトを操る必要がある。なかなか厳しいものを感じた。

■ゲーミングPCを買う

MacBook Proは以前からVTuberの配信の敷居が高いことが気になっていた。デスクトップの音声が拾えなかったり、配信時のノイズが酷かったりと課題を抱えていた。そこで、ゲーミングPCを買いに行った。店員のアドバイスを受けて26万円ぐらいでPCや機材を揃えた。正直MacBook Proより安くて驚かされる。しかもこれで試しに映画紹介動画を作ったらノイズがなくなっていたのだ。視聴者に優しい環境が整った。

そしてなによりも「ゆっくりムービーメーカー4」が使える!

個人的に温めていた企画「ウィリアム・キャッスル解説動画」プロジェクトを指導した。ウィリアム・キャッスルは4D上映の原型を作ったような人物で、面白い映画興行を模索した映画人だ。例えば、映画上映前に紙を配布し、上映中にクライマックスを観客に決めさせるシステムを導入していたのだ。彼の自伝はめちゃくちゃ面白いものの、邦訳されておらず、彼の興行精神はビジネスのインスピレーションを掻き立てることができる。ニーズがありそうだったので実装した。

■1分1時間、地獄の動画制作

大学時代やプライベートでいろんな映像編集ソフトを使ったことがあるが、ゆっくりムービーメーカー4がこれほど高性能だとは思いもよらなかった。セリフを打ち込むと自動的に字幕が生成されたり、立ち絵に口パクをさせることもできる。ネットを調べればめちゃくちゃテクニックが出てくる。エフェクトも豊富で微調整が利くのだ。何よりも直感的に操作できるのが面白かった。

早速作るのだが、これが想像以上に時間がかかる。

1分1時間ペースなのだ。

なので3日間、一日8時間ペースで動画を編集し続け、ようやく1本完成した。普段の創作では数日にまたぐことがないので、初めて作ったずんだもん解説動画を前に泣いた。

自分の理想の動画ができたと。

続けて上半期ベスト動画を作った。Web媒体用の映画寄稿を終え、夜7時から作業に入った。前回よりは早く制作できるようになったが、それでも14分の動画で8時間くらいかかった。終わったのは深夜3時。

結局4日間、徹夜状態、朝食、昼食を食べる時間惜しんで作業していたので、翌日の健康診断で42.2kgと出た時にゾッとした。知らず知らずのうちに命を削っていたのだ。確かに、2本目の動画作り終えたとき、軽く目眩を感じていたので危なかった。

めちゃくちゃ楽しかった一方で、創作するときは体調管理しないといけないなと思った私であった。

また、一見通俗にみえるゆっくりやずんだもん、VOICEVOX解説動画を作っている人は膨大なリソースと情熱で動画を作っているんだなと思ったのであった。

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