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新社会人のための飲み会サバイバルガイド

おはようございます、チェ・ブンブンです。

2024年も数ヶ月が経ち、4月、始まりの季節がやってきました。

この時期になると飲み会が増えてくる。皆さんは「飲み会」は好きでしょうか?

「飲み会」ほど好き嫌いが分かれるものはないと思っている。実際にX(旧:Twitter)では、定期的に「飲み会」は業務にあたるのか?といった議論が巻き起こり、コスパや精神論など様々な側面から意見が出る。

個人的に、「飲み会」は独特な立ち回りを要し、それを知らないと苦痛に感じることが多いように思える。実際、自分は高校時代から大人の飲み会に出入りしていたのだが、慣れないうちは退屈に感じたり、裏切られたと思ったりすることが多かった。

しかし、10年近く場数を踏んでいると、隠キャであってもそれなりに楽しめるようになってきた。また、苦痛の飲み会になる可能性をグッと減らすことができるようになった。それと同時に、飲み会を通じて仕事や遊びの誘いがガンガン来るようになったのだ。

今回は、自分が10年飲み会に参加して習得したテクニックを伝授しようと思う。


「飲み会」とはなにか?

まず、前提として「飲み会」はなぜ存在するかについて考える必要がある。大きく分けて3つの役割が存在する。

1.情報収集
2.フラグ立て
3.政治

1.情報収集

まず、「情報収集」についてから語る。インターネット時代、情報の海を前に我々はなんでも情報にアクセスできると思うかもしれない。しかし、そういう時代だからこそ「表に出てこない情報」に価値が生まれてくる。「飲み会」では、普段の業務やランチ会では出てこないような話題が酒の力によって出てくるのだ。また、数時間と長時間に渡る飲み会では、じっくり議論をすることができる。情報交換をすることにより、自分の中でアイデアが生まれたり、考えが深まったりするのである。これは業務時間の短いコミュニケーションや制限時間が決まっているランチ会ではなかなかできなかったりするのである。

2.フラグ立て

次に「フラグ立て」の役割がある。これはクセが強いもので、慣れていないと不快に感じるかもしれない。飲み会で会話をする中で、新しいアイデアが生まれたり、一緒に何かしたいと思った時、「今度〜しましょう」と声がかかる。これが「フラグ立て」である。多くの場合は、すぐにその企画が動くことはないし、寧ろ行われないことの方がほとんどだ。しかし、フラグは立っているので、急に企画が始まったりするのだ。学生の頃はそのフラグを待っていれば動くものだと感じていた。ただ、どうしてもやりたいのであれば自分から後日、「あの件、具体的に進めませんか」と持ちかけないといけなかったのだ。つまり、フラグが立った場合、やりたければ主体的に動く、やりたくなければ放置するといった動きが求められるのである。

3.政治

そして最後は「政治」の側面である。先述の通り、飲み会では表に出ない情報がやりとりされる。また酒の席では悪口が出やすくなる傾向がある。その悪口は飲み会に参加していない者に向くことが多い。つまり、飲み会に参加しないことで悪口の対象にされ、社内政治での立ち位置が悪くなる可能性があるのだ。だから、会社での飲み会はある程度、出ていた方が良いと言える。あまり健全とはいえないが、人は共通の敵を作ることで団結しやすい生き物である。飲み会を活用することで、自分に対する敵意の矛先を回避できる役割があるのだ。

「飲み会」の時間感覚

さて、この章では飲み会に流れる時間について説明したい。だいたい飲み会では一定の空気感が流れている。その波に乗れるかどうかが重要となってくる。

1.開始前〜30分

実は、多くの飲み会においてキツい時間が流れるのが開始直後だろう。メンバーが揃っておらず、またアルコールも入っていない時期なので会話が進まない。意外と、陽キャの人であっても初対面の方と話したり、アルコールが入っていない状態で会話を回すのは苦手だったりする。妙な空気感が流れがちなのである。だから、立ち回りが上手い人は、30分すぎぐらいに登場することが多い。自分は、時間に厳しい人なので開始5分前に着きがちである。毎回、30分耐えて面白くなる空気が生まれるまで待っている。

2.~60分

乾杯が行われ、自己紹介をしていくフェーズだ。料理もじゃんじゃか来るタイミングであり、飲み会が面白くなるか否かの分かれ目といえる。特に自己紹介のタイミングでは、興味ある人をチェックしていくことが重要である。この後、群れが形成された時に、上手く滑り込めるかが勝負どころとなる。

3.~2時間

この辺になってくると群れが形成されていき、深い話がなされる。ここで面白い話の群れに入れるかどうかが重要である。席移動がしにくい環境で退屈な群れに入ってしまった時の虚無感が強烈だ。飲み会が苦手な人にとって想像するのはこういう群れに入ってしまった時だろう。どうすれば群れから脱出できるのか?このテクニックを知っておくだけでだいぶ楽になると思う

4.2時間以降

この頃になると、だいぶ出来上がっている人が増えてくる。それに伴い猥談がメインとなってきて、有益な情報が出てくることは少なくなる。酒癖が悪い人が暴れ出すのもこの頃だといえる。つまり、有益な情報を引き出してフラグを立てるには、開始30分〜2時間が勝負なのである。

「飲み会」でのベストポジションとは?

さて、飲み会において最も重要なのは、最初の座席選びである。立食パーティだったり、参加者に対して席が潤沢にある場合、途中での座席移動ができるのだが、上記図のような会場になってくると、最初に選択した座席で2時間過ごさないといけなくなる。最悪な席を選んでしまうと地獄となる。

個人的に最も選んではいけないのは、壁側のはじ席だ。早く会場に到着してしまうと選びがちな席だが、ここは最も移動がし辛い。しかも料理も届きにくかったりする。それでもって対岸が退屈な人だった場合、一気に地獄となるのだ。

できるだけ移動しやすい通路側を取るのがベタだろう。ただ、通路側は幹事が座ることが多いので注意が必要だ。幹事は割と、机と机の間の中央通路側に座ることが多い。また、幹事の対岸には主賓が座ることが多い。それを考えると、幹事の対角線上に座るのがベストと言える。幹事から話を振ってもらえる可能性が高く、主賓とも話せる確率が高い。そして何よりも、中央付近に座ることで、左右に形成される群れの中から面白い話を選んで参加することが可能だからだ。ただ、ベストポジションだけになかなか座るのが難しい席だったりする。早く来すぎると、奥へ詰める必要性が出てくるからだ。なので、慣れないうちは、通路側に座ると無難であろう。

「飲み会」での酒のコントロールの仕方

飲み会で退屈になると酒が進む。それはすなわち、酔いが回りやすくなる。なので、できるだけ退屈な時間を減らす必要がある。そして、酒の量をコントロールすることこそが飲み会を成功に導く鍵である。

飲み会ではある程度時間が進むとメンバー入れ替えが行われたりする。ただ、幹事のコントロールでメンバー入れ替えが行われるケースはそう多くない。飲み会での立ち回りが上手い人は、華麗に群れから群れへと飛び回っている。では、どうやったら飛び回れるのだろうか?

ここで重要となってくるのは酒の量である。

例えば、退屈な群れに入ってしまい気まずい時間が流れたとする。ここで離脱するために酒の量が重要となってくる。酒がなくなっていれば、交換するタイミングで席移動ができる。これをスムーズに行えば相手を不快にさせることなく離脱ができるのである。そして、席移動する時に重要なのは、空いている場所が存在するかどうかだ。誰かがトイレにいったタイミングを見計らって離脱するのが良いだろう。「〜に挨拶してきます」と軽く添えて離脱すれば違和感はないのである。

[追記]応用例(立食パーティースタイル)

やたらと反響の多いこの記事だが、読み返してみると「立食パーティ」スタイルをあまり想定していなかったことに気づいた。

「立食パーティ」は飲み会界におけるオープンワールドゲームのような奥深さがある。地獄席にあたりにくい一方で、幹事の近くに居続けることは難しく、自分なりの戦略を立てないと「虚無の刻」という名の地獄を経験するであろう。また、立食パーティは会社間など初対面の人が集まる状況で発生しがちである。フィールドも広いので、知り合いが見つからなかったり、他の人と話していたりするのでサバイバルスキルが求められる。

そこでいくつかの応用テクニックや技術をここに追記していく。

1.意外と面白い人もぼっちになりやすい

立食パーティは、半ば強制的に群れから群れへと渡り歩く必要がある特性上(例えば、仲がいい人と話していても、食事や飲み物を取りに行く段階で解散となり、新しい群れに入る必要がある)、座席を囲むタイプの飲み会と比べて難易度が高い。気がつけば、ぼっちとなり壁際で、残飯のようになった食べ物をチビチビつまむ「虚無の刻」へ突入しがちだ。

ただ、裏を返せば面白い人や著名人であってもぼっちになりやすいのだ。ここで、マルチ商法の人がやるテクニックが効果を発揮する。つまり、「ぼっちの人に話しかける」のである。マルチ商法をやる人は、クラブや立食パーティに潜入し、ぼっちの人に話しかける。相手からすると「虚無の刻」から逃げ出せるので嬉しい状況となるのである。マルチ商人はその安堵につけこんで闇の道へと誘う。だが、適切に使用すれば新しい関係性が生まれるのだ。

とはいっても、初対面の方に話しかけるのは難しいのではと思う方も少なくないだろう。ここで3つのテクニックを伝授しよう。

①YOUは何しに〜へ?話法
②主催者との関係性
③立食パーティのテーマに則った話

まず①だが、立食パーティとどのような関係があるのかを訊くといったものだ。なにかしらのきっかけがあって、この場にいる。そのきっかけを知ることで話を広げられる。相手と親密になるには、共通の話題が必要である。大抵、立食パーティに行く動機は限られているので、共通の話題を作りやすいのだ。

そして先述の通り、飲み会は政治の場でもあるので、主催者や幹事との関係性を訊いておくといいでしょう。年齢に差があると、話し始めた段階で相手に壁を置かれてしまう場合がある。しかし、主催者や幹事との関係性を伝えると一気に心の差が縮まることがある。また、相手の方が主催者や幹事と近い場合は紹介してもらえるかもしれない。さらにこの技法を応用することで、自分が話したいターゲットと繋いでもらえる。

例えば、話したことはないが、Xさんと話したいとしよう。ぼっちAに話しかける際に、「Xさんと話したことありますか?」と訊いてみる。もし関係性が近いようであれば、そのままXさんのもとへ連れて行ってもらうといった話の進め方ができるのだ。

最後に③だが、立食パーティで設定されたテーマは99%共通の話題である。例えば、映画関係者の立食パーティだったら「最近、何かご覧になりましたか?」「この前のアカデミー賞の結果どのようにみましたか?」と訊けば自ずと話は広がるであろう。重要なのは、相手の話を聞くことである。虚無の刻は埋まり、情報も得られる。なによりも相手に「話を聞いてもらえている」と思ってもらえる。これが良好な関係を作るために必要なことである。

2.ジョーカーワードに気をつけろ

立食パーティでなんとか群れに入ったり、ぼっちの人と対話ができたとしよう。気をつけないといけないのは、どの界隈にもジョーカーワードが存在することだ。ジョーカーワードとは、その単語を言った途端、距離を置かれる可能性が高いものである。映画関係者の立食パーティの場合、映画評論家の町山智浩氏の名前は避けるべきである。過去に何回か、距離を置かれたことがある。

その本質は以下である。

・その界隈の初心者が知っている名前
・政治的問題を抱えている名前

町山智浩氏は映画関係者なら誰しもが知っている人で、映画評論のフロントラインを走っているような方である。その名前を出すことで深いレベルの情報を持っていないと思われる可能性があるのだ。そして、彼の場合は政治的に好き嫌いの派閥が分かれており、嫌いな人はとことん見下している特徴がある。個人的には、いろいろ問題の多い方ではあるが高尚から降りて映画を解説したり評論したりするので、日本映画評論に足りない部分を担っている存在として評価しているのだが、そういうことを言ったところで関係ない。「町山智浩が〜」と言った途端、相手が虚空を見つめながら私が去るのを待つ状況が生まれるのである。

つまり、界隈によって触れてはいけない話題があるのだ。これはX(旧:Twitter)でよく論争になっているキーワードが何かを把握することで未然に防ぐことができるであろう。

3.心の壁が敷かれている状態を検知するには?

ところで、「心の壁が敷かれている」状況とはなんだろうか?

検知は簡単である。会話のリレーが3往復程度で終わる状況が数回連続続いた時だろう。これは、互いに会話を広げられず、かといって他の群れに入れそうにもないので虚空を見つめながら時ばかり流れて行っている状況である。

こういう状況になったら残念ながら互いに得るものはないだろう。飲み物や食べ物を交換するアクションと共に次の群れやぼっちの人へ移る必要がある。

また、群れでの会話でも同様の方法で検知できる。群れの中で自分が発した話に対する反応が薄く一方通行であることがわかったら、そこには居場所はないのである。

最後に

今日は軽く飲み会サバイバルガイドを書いてみた。

役に立つかどうかは分からないが、有意義な飲み会体験になればと思う。

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