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鬱病引きこもり、約4ヶ月ぶりに都心部へ行った日のこと

仕事の面接が控えているので4ヶ月ぶりに美容院に行く。美容院どころか、電車に乗るのも都心部へ行くのも4ヶ月ぶりなのである。
今日は朝から張り切って掃除機をかけたりピアノを弾いたりしてソワソワしていた。
緊張しすぎて朝の薬を忘れた。(昼に飲んだ)

いざ電車に乗る。意外と緊張しない。
外の景色を楽しみつつ、向かいに座っている女の子がオシャレで素敵だったのでたまにちらっと見つつ、あっという間に都心部に着く。
美容院に行く前に、コンビニでミンティアブリーズを買う。家で出かける直前に歯を磨いたけれど、なんとなく口が臭いと嫌だった。

駅から少し歩くと美容院の入っているビルがある。
知らない女の人2人とエレベーターに乗る。ミンティアを食べ忘れていたことを思い出し、慌てて食べると静かなエレベーターのなかで「ガリッ」と音が響いてしまった。恥ずかしかったので着くまで噛まずに我慢した。

急いでミンティアを噛み砕き、美容院に入る。
すぐに案内してくれたので髪色をスタイリストさんと相談した。
しかし、ここで思わぬ壁にぶちあたる。

他人と喋れなくなっているのである。


4ヶ月も引きこもりをしていたため、話す内容は思い浮かばないし、話すタイミングはワンテンポ遅れている。ボキャブラリーが出てこない。目を見て話せない。

私が接客をバリバリこなしていたのはもう過去の話なのだった。

染めてもらったあと、アシスタントさんにシャンプーとリンスをしてもらう。
まだ20歳前後な感じの男の子。
23歳、自分より歳下の人達が社会に出て頑張っているのだと気付かされることがすごく増えたと思う。

20くらいのときは、若い人が働いていても「若い人だな〜」くらいにしか思わなくて、自分より年下かな?などと考えたことはなかった。

丁寧にシャンプーしてくれたんだけど、あまりにも無口だったので私も緊張してしまい、「ありがとう」の一言が言えなかった。
家に帰ったら口コミと一緒にお礼をかいておこう。

それでも、スタイリストさんの服装やイヤリングが可愛くて「素敵だなと思ったんですけど、どこで普段飼ってるんですか?」と頑張って会話した。

好きなブランドとかいっぱい教えてくれた。

素直に「素敵だと思うんですけど…」って言って良かった。

あっという間に2時間が過ぎ、パニックになることも無く、綺麗に仕上げて貰うことができた。
美容室を後にし、駅に戻る。
駅ビルには色んな人がいて、つい人間観察をしてしまった。
この日はイヤホンが無かったため、静かな書店に割といたと思う。立ち読みしていると、ふとアルバイトの研修なのか、裏から「いらっしゃませ!ありがとうございます!またお越しくださいませ!」と数人で練習しているのが聞こえてきた。

唯一、イヤホンしてこなくて良かったなと思った場面であった。

必要なものを購入し、帰宅ラッシュにぶつかって混んでいる電車に乗って帰る。

夕焼けが綺麗なのだけど、
なんだろう。すごく寂しい気持ちになった。

鬱とかそういうのとはまた違う気持ち。

1人で生きている感じがするというか、誰かに会いたくなった。

鬱の時にラインを消して、TwitterやInstagramも消してしまったので大学までの友達や先輩は一切連絡が取れない。

消した当時はすごくスッキリしたけど、
1人で外出できるようになり、いざ髪を切ってスッキリしたら人に会いたい気持ちが沸き起こるなんて、まさかそんなことがあるなんて。

切る前までそんなこと一瞬たりとも思わなかったのに。

家に帰って本を読みながら、寂しいけど生きていかなきゃな…なんて覚悟を決めた1日だった。(重い)

たけだ

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