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スーツのおじさまに惹かれてしまうのは

そう、わたしはスーツのおじさまに弱い。


金曜日の18時。私は阪急百貨店のエスカレーターをくだっていた。

ふと目をあげると、ジュエリー店にスーツの男性が見えた。

あまりに真剣な表情。

目を離せず、降り口でつんのめってしまった。


立ち止まって見ているわけにもいかず、出口に向かう。

でも。どうしても気になって引き返した。


白髪のまじった60代くらいの男性はまだショーケースを眺めていた。

そして店員さんと会話をしたあと

にっこりと笑って小さな紙袋を受け取り、店をあとにした。



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ここからは空想。

男性は今日が結婚記念日で、夜景のみえるレストランで待合せをしている。

デザートのタイミングで紙袋を差し出すと

奥様は目を丸くした後、満面の笑みを浮かべる。

男性も目じりにしわを寄せ、そして肩を並べて帰路につくのである。

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そう、なぜわたしがスーツのおじさまに弱いかって

愛する人を想う姿に胸を打たれるからである。


ミスドの大きな箱をもった若きお父さん。

青山フラワーマーケットの花束を抱えた20代のお兄さん。

その日だけでそんな姿にたくさん出会った。



ひとがひとを想う瞬間ってどうしてこんなに美しいんだろう。

そんな愛ある瞬間を撮りためたら、

とっても美しいアルバムができるだろう。


写真もイラストも苦手だけど

わたしはこのnoteで、文章で、美しい瞬間を伝えたい。


ひとは誰かに想われている、そんなことが伝わりますように。






あなたがよんでくださって心がポカポカしています☕