人間であろうとしていた

透き通ったビー玉のようなひとが好き。
人間にしかない複雑性があるから人間もすき。

ぼーっと風呂場の天井を眺めているといろんなものがぬけていってなんにもなくなっていってなんにもないってしあわせなことに気づいた。最近では人間より湯船がすき。人の波より紙の上を走る文字がすき。

人間であろうとしないとこんなにも軽くて最高な時間の経過が生まれるんだ。一見重くて呼吸が止まりそうでも脱力したときの軽さはどんなときでも味わえる。

そもそもわたしは人間じゃなかった。わたしの世界に時間なんて存在しない。人間のふりしてその場に溶けこもうとするから環境に依存する。
ほんとうに溶け込んでるわけではないから染まりそうになる前にぬけだして、どこまでも動物でありたかったんだ。

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