わたしの推し

わたしには推しがいる。
15年くらい追っかけているベテランアイドルと、「アイドル気取り」から本当にスーパーアイドルになっちゃった推し。

今回は「アイドル気取り」の推しのお話。
9人組アイドルMesemoa.で薄桃を務めるおっきい弟とみたんこと、とみたけさんがわたしの推し。
まもわたしがMesemoa.とみたんに出会ったのは今からもう4年前になるのかな、シングルで言うと「Flower Wind」を出した頃だった。
その頃の私と言えば、第一子を出産してようやく一年経つ頃だった。
でも慣れない育児に疲労困憊した私は、趣味なんてできるはずもなくて、今まで好きだった音楽を聴くこともできなかった。

そんな時に10年来の友達が教えてくれたのがMesemoa. YouTubeで観れるという手軽さでそれなら見てみようかなと思ったのがきっかけ。
動画を見出したのは些細なきっかけだったけど、歌が上手いところ、しなやかなダンス、チャラいお兄さんに見えて実は世話焼きで家庭的なところ、おバカキャラだけど頭の回転が早くて地頭がいいところとか、いつのまにかとみたんのことが大好きになっていた。
不思議なもので、推しができると生活にメリハリがついて育児が大変でも、ご飯を作る一瞬でも音楽を聴いたり動画を見たりしながら息抜きができるようになった。

地方在住だし子どもたちもいるし、なかなか現場には行けないけど、それでいいと思ってた。
グループのみんなは変わらず仲良しだし、これからも楽しんでいけると思ってた。なんてったってずっと彼らが夢見ていた武道館も決まったし、これからもずっと安泰で推していけると思ってた。

今思えば「人間」の彼らに「ずっと」を無意識に求めてしまっていたわたしが悪いのかもしれない。
ほんとうに唐突な発表だった。「うそ」って一言言葉に出たけど、それ以外何も話せなかった。寝耳に水ってこのことを言うのかなと思った。
わたしの推しのとみたんはこれからもグループに残ってくれるけど、わたしの好きだった9人のMesemoa.はあと1年半でいなくなる。未だにそのことを考えると頭の中がふわふわしてしまう。
わたしって箱推しで、みんな大好きなんだ…とこの後に及んで改めて思った。

心の整理はまだつかないけど、彼らからの発表の言葉は信じることができる。
げるたんの涙を堪えながら、時には流しながら話してくれた言葉が胸に刺さった。「今でもブランクはあるけど、これ以上開くと多分無理」同世代として、ちょっと前に子連れで就活をして働き始めたわたしはそのブランクを埋めることの大変さをよく知ってる。
寂しさはなくならないけど、物事に対して真摯に向き合う人たちを好きになれて本当によかったと思う。

あおいちゃんが言っていたように「帰れる場所があった方がいいと思ったから」を信じてる自分がいるのも事実。可能性は限りなくゼロなのに。

でも何より現在進行形でいちばん辛かった育児の時期を救ってくれたMesemoa.に感謝してる。
Mesemoa.に出会わなかったら真剣に産後うつになっていたと本気で思う。

正直、武道館の日が来るのは怖い。
でも感謝の気持ちは変わらないし、好きなことも今更変わらない。嫌いになんてもちろんなれない。


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