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ダイアンのラジオ本に感じた確かな"違和感" ~RadioBook is DEAD~

「ん?」
1ページめくった瞬間に感じた。
それはポジティブな印象ではなく、
ネガティブな印象なのは明らかだった。

ようやく読み終えたダイアンのラジオ本。
「脳内再生!読むラジオ ダイアンのよなよな・・・」

毎週月曜日22時〜深夜の1時の3時間
ダイアンがぶっ通しで喋り続けるラジオを書籍化。

"聴くメディア"から"読むメディア"に
変わることでどうお笑いが変化するか
僕もすごく楽しみだった。

が、その感情はものの1秒で死んだ。
※以下少しネタバレ注意









この本は以下の感じで展開していく。

ラジオの音声を
本当にそのままテキストへ落とし込んでいる。
※一部加筆・補足文有

そうなってくると
テキストに落とし込みづらくなってくるのは
以下の3つのポイント。

・間(ま)
・声の強弱、抑揚
・西澤と津田の温度差

どのポイントも
お笑いでは欠かせない
重要なポイントであり
このポイントを
どう"テキスト"に落とし込み方が
醍醐味となってくるのだが

このポイントが








なんかもう全然ちゃう!思ってたんとちゃう!実写版アラジンのウィルスミスぐらいなんかちゃうぅう



2人のキャラクターが
テキストに
うまく表現できていない。
この一言に尽きるだろう。

淡々とマイペースにボケる西澤に
絶妙な音感でフルスピードで突っ込む津田。
そして
ダイアン恒例の小競り合いに発展するのだが
それはまるで
年末でみる家族の痴話喧嘩みたいな
ノスタルジックを感じさせる。

どうでも良い喧嘩。小さい小さい。
もうどっちでもええやん!?ってなる喧嘩。
でもそれが懐かしさを感じ
愛おしく感じる。

それが感じられない。

原因として考えられるのは、
テキストの装飾。
ここからは
ケーススタディを交えて説明しよう。


これが本の空気感。
ただこれではあまりにも伝わない
ダイアンの空気感。
ここで津田のフルスピード
ツッコミを表現として
テキストに加えてみよう。


どうだろう?
スピード感がおいといて
勢いは伝わったのではないだろうか。
もうすこし加えると


これでようやくバランスがとれる。
伝わる。
淡々とマイペースにボケる西澤に
絶妙な音感でフルスピードで突っ込む津田。
そして、痴話喧嘩になる時は


こんな感じ。
こんな感じでどっちかがどつく。
だいたい津田。
ちょっとやりすぎだが、
これがダイアンの空気感。
それがこれだとあまりに伝わらないだろう。


でも、わかる・・・
スタンスとずれることや
ターゲットが全年代老若男女なことや
5年分を凝縮してるから
こんなにもスペースとれないことや
政治的問題・・・

1冊にするには
無理があったんじゃないだろうか・・・?







いや


いやいや、そうだとしてもまだある。
このスタンスでいくにしても
まだある。
言いたいこと。気になるとこ。

まず
"西澤の「。」がいらない"
具体的にどういうことかというと

違う。いらんいらん。
西澤が喋る時は
句読点もいらんくらい無機質。
「。」をつけるとすごく丁寧に感じる。
違う。西澤はもっとドライ。
西澤ほど喋りに感情が入っていないように
見える芸人はそういないだろう。
「。」をつけることによって
西澤の空気感が台無し。

この本は2人の空気感が同じすぎて
たまにどっちが喋ってるかわからない時がある。

西澤は「。」少なめにしたり
津田のツッコミの時は、太字・斜対にしたりとか
そのスタンスでいくにしても
それぐらいの細かい処置で
もう少しバランスをとることはできたろう。


結果、ラジオをそのまま本に
移植できているかと言うと
答えはNOだ。

そう思いながら、
パラパラと読み進めていくと、
聞いていない放送の回がでてきた。
その回を読み終えた感想は、
正直いって、






くそおもしろい
今どきでいうと
ばかおもろい
(このばか
って使うやつむっちゃ嫌い)


今まではラジオと対比して読んでいたので
そら細かいところも気になって
読めへんか・・・。


そう考えると、
この本の役割が見えてきた。

"ラジオ初心者層獲得"

確かに
ラジオ5年間やっているので、
どの放送がおもしろいの?
どっから入れば良いの?
って思う人にはうってつけ。
(確かに僕もそうだった)
全部読んでみた感想としては、
掲載されている回ではずれ回はない。
これは言える。
放送タイトルが書いているので
それでYoutubeなどで聴いてみればいい。
絶対におもしろいから。


そして、すでに聴いてる人達の役割は
・アーカイブ用
・豆知識獲得用
この本に掲載されている回は、
ダイアンとスタッフで吟味して
選定しているので、
殿堂入りタイトルとして
アーカイブするといいだろう。
あとは、
ダイアンのインタビューや
構成作家やプロデューサーのコメント、
ラジオ開始するまでを
タイムライン形式で写真で掲載されていたりなど
ファンが知りたい情報もてんこ盛り。
これだけでも充分買う価値あり。


とまぁ
いろいろ初心者が
なにゆーとんねんって感じでしたが


結論、買い
お笑い好きなら買っとけ

いややっぱり買わなくても良い
買わなくても良いから
せめて第一回の伝説の放送だけでも
聴いてみてください。


そして


これからもマジで応援してます





週1でiphoneの充電器なくなってます