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小さな町の職員の考え方、大都市の職員の考え方 ~まちの魅力を引き出す編集力~

 私は、人口数万人ほどの小さな市から、100万人の政令指定都市まで、昨年まで地方行政の内部で仕事をしておりました。その経験から推しはかって考えるのですが、「そのサービスを受ける方のイメージがつくと、仕事が迅速に効果的にできる」ということがあるかと。


 ある時、ある小さな市の市役所の職場で、こんな連絡が市民から入りました。「A道路の街灯がつかなくなっている」と。役場の担当部署としては、それを改善したいと思うのですが、その時に電話を受けた部署が、どういう話をしたか?
「Aの街灯といったら。「○○(お店の名)」から山の奥に登るところやろ?」
「そうですね」
「あそこな・・・・。たしか木野さんちのおばあちゃんが、孫のひなちゃんを夕方迎えに行ってるやろ?早めにつけてあげんと、夜道、危なかね。ひなちゃん、この春幼稚園入ったもんね~」
そして、そう言われた若手職員は、身も軽く軽自動車に乗って、出動していったのでした。
これは、人口3万人余りの市役所で机を並べて働いていた時に実際にあったことです。

これが大都市の役所だとどうでしょうか?この「自分が動くことで、どこの誰が救われる」という実感がもてずらい状況になっているかと思います。これは、ある意味致し方ないですよね。しかし、それによって、実際に喜んでいる人のイメージができなくなると、役所仕事はしんどさだけが膨らんでいくでしょう。
 
「市民のために」やる仕事は手ごたえを感じずらく、「木野さんちのおばあちゃん」のためにする仕事は、ありありと手ごたえを感じる。
 これから、観光振興に着手しようとしている方には、ぜひこの「木野さんのおばあちゃんが孫娘を迎えに行く」のを助ける、というような想像力をもって、取り組んでいただきたいと思います。顧客を「セグメント(細かく分ける)」して、「キャラクタライズ」することの重要性を『まちの魅力を引き出す編集力』(㈱同友館)で何度もお伝えしているのも、このような理由からです。


BEFORE「木野さんちのおばあちゃんが暗い夜道でつまずいて怪我をするかもしれない」


AFTER「木野さんと孫娘が明るい街灯の灯りのもと、仲良く歩いておうちに帰れる」
という感じでしょうか。
観光振興の仕事もまさに同じなのです。「なんのためにやってるんだっけ?」と疑問をいだくことがこの後、必ず出てきます。その時に、ぜひあなたならではの「木野さんちのおばあちゃん」を思い出してください。それがある限り、その事業はぶれません。

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