Dr.STONEであり得ないこと…

3700年後の未来の言葉を想像できるだろうか。

日本語というのは、昭和期に入って、今の形を整えたものだということ。

江戸時代においても、各藩の下級武士同士の会話が成り立たない為に、日本では吉原で遊ぶ下級武士同士の言葉が標準言語に使用され、その名残が現在でも使用されてる。

「です」「ます」というのは、芸者言葉の「ありんす」を「あります」「~であります」という部分から成り立ってる。

「~である」も同じで、全てが、明治に入る前の維新志士達が江戸で各藩の言葉が違い過ぎて意思疎通ができない為に、女遊びの言葉が標準言語に活かされるという、面白い言語の統一に活かされている。

遊女言葉だという事を認識しようね。

僕の世代の子ども達の言葉にしても、今の流行語などがあり、その世代毎に流行る言葉がある。

小さなコミュニティにおいて、独自性を見出すことは良くある。

目立ちたい人というのが存在する。

人気者になるか、仲間外れになるかのどちらか。

3人以上の人が集まれば、それぞれの個性が際立ってくる。

3人以上の兄弟というのは、それぞれの主張を持ってる。

Dr.STONEで石上村のように人口を増やして行く為には、4人以上の兄弟を作る必要性が出て来る。

ちょうど良く男女半々で子ども達が生まれてくる保障もないので、それぞれの父親が違っている異父兄弟や異母兄弟が必ず組み合わせとして必要になり、人口増加のプロセスにおいて、女子が多ければ多いほど、血縁の組み合わせを回避できるので、出産のプロセスで女子の出産の負担軽減が可能になる。

従妹どうしでは近親婚に繋がるので、奇形の確率や寿命と染色体異常が発生する確率が増える。

つまり、人口が増える為にも科学的な発想が必要になってくる。

石上村の人達は、先祖にあたる宇宙飛行士たちが死んだ後、日本を目指している。

もし科学者(宇宙飛行士)であるなら、最も近い近隣の島を目指す筈なんだけどね。

そこからストーリー性が崩壊してるので何とも言えないんだけどね。

まずは、近代文明に最も近い島に移動する事から考えるだろう。

もし、無人島という設定であるなら、遠洋では小笠原諸島周辺なので、近くに人間が暮らす集落も存在してる。

また、鹿児島県の吐噶喇列島とかられっとう周辺であったとしても、手漕ぎのボートで直ぐ近くに2日程度の移動で次の島に辿り着ける。

小笠原諸島であっても、トカラ列島付近であっても、石化当初の方が確率的に早く日本本土に辿り着くことが可能になる。

文明が進めば、残された子孫たちが学べる知識も少なくなるので、子孫を残すのであれば、本土を目指して教育からやり直すのが、一番効率が良いことが理解できる。

少なくとも、Dr.STONEのようなシナリオ展開は、100%起こり得ない。

6人の宇宙飛行士が人類を増やして行くという風に考えたのなら、島に残って人口を増やすという考えには至らない。

少なくとも、インターネットで情報を得られる場所を選んでデータを残すだろう。

もし宇宙飛行士たちが離島に漂着したとしてもボートがあるのだから、先に石化の原因を究明するだろうし、情報収集から始めるだろう。

僕ら以上に優秀なパイロット達においては、ヘリコプターの操縦や航空機の操縦など、アポロ飛行士などの条件は、あらゆる機械を操作できる人達が過去には選ばれていた。

ロシア語2人、英語3人、日本語1人であったなら、言語的に英語を選択するだろう。

全員が日本語を話してる時点で、おかしいんだよね。

Dr.STONEの内容の後半を読めば分かるけど、千空がガソリンを作った理由が述べられている。

石化した鳥を多孔質石と仮定して、中にガソリンが浸透する実験の為に、ガソリンを作っていた事が語られている。

地球に帰還した目的が、最初に、情報を得ようと地球に戻った筈なのに、しかもボートも拾ってる筈なのに、何故か日本本土を目指してない。

しかも家族まで作ってるし…

ストーリー性が、支離滅裂なんだよね。

近代文明のある日本を目指せば、小笠原諸島周辺であったとしても、長くて7日程度で、すぐ隣の島へ渡る事ができる。

小笠原諸島であれば、ネット環境も繋がっており、関西方面の原発の燃料棒の交換時期までには、数ヶ月原発は稼働してるので、1ヵ月程度では原発は停止しない。

原発は基本、自動運転で燃料が燃え尽きるまで稼働するので、電気が垂れ流しの状態になっている。

つまり、数ヶ月の期間は、日本のエネルギーが止まる事はないということ。

そのタイムリミットを切ったとしても、通常、父島などには、備蓄燃料としてA重油が保存されてる。

島の発電用の燃料が存在するので、漁業で生計を立てている人達の船が存在する。

普通に燃料を満タンにすれば、19トンクラスの漁船であれば、1ヵ月以上の航行が可能なので、不安であれば、魚層に燃料を補充して航海に出れば、日本に到着できる。

トカラ列島でも小笠原諸島でも同じように日本へ戻る事ができるということ。

おそらく、島がある付近の内容を全く調べずに漫画の台本を書いてると思うんだよね。

僕は7年ほどしか船舶に乗船してなかったけど、日本の漁船が3日も移動すれば、殆んどの島に行けるんだよね。

漁船の速度が7ノット(約13km/h)24時間移動すれば、310㎞以上を移動できる。

しかもGPSは人工衛星なので、太陽光発電と燃料電池の循環により、自動で稼働してるので、電池が切れる(金属の劣化)12年前後は軌道を周回してる。

宇宙飛行士になる人達というのは、こうした知識の多くを頭に入れてるので、もしサバイバルに遭遇した場合や紛争地域に着地した場合などを想定して、色々な訓練を受けている。

Dr.STONEにおいても例外ではなく、もし、本当の宇宙飛行士が物を残そうと思ったのであれば、日本本土へ戻る事を選択した筈。

少なくとも医療器具やネットが動く環境を考慮すれば、もし俺個人が日本人の宇宙飛行士だったのなら、宮崎県へ行くと思う。

医療器具、メスやシリンジ類など、注射針の新品が空気に触れずに残されている。

薬品の多くは日本中の病院や薬局を回れば大量にある訳だし、宮崎県のように、水力発電で100万人の人口の 80%以上の電力を賄える都道府県は、日本に存在しない。


宮崎県の水力発電所

物凄い数の水力発電所が存在する。

しかも宮崎市を囲むようにして、大きな水力発電所が存在する。

西都市に向かう方面の途中に都農町などがあり、この周辺は酒蔵など焼酎の製造も行っており、サツマイモと少し違った白いサツマイモを使って焼酎を作っている。

痩せた火山灰のある土地でも農作物が育つ。

農業県でもあり、牛や豚、養鶏など畜産も豊富だし、野菜や米、柑橘類も豊富で、ポンカンなどの甘いフルーツも多い。

デンプン質を水に溶かして樹木に与えれば、甘い柑橘類を作る事ができる。

こうした資料に関しても水力発電が稼働できれば、日本中のPC類を集めることも可能になる。

ただ、宮崎県は陸の孤島と呼ばれてるように、高速道路網も九州で唯一途絶えてる。

宮崎市を拠点にする場合、都城経由で鹿児島とえびの高原で繋がる必要性がある。

豚や牛の数を見れば明らかだけど、とんでもない数の家畜が存在するので、1ヵ月前後であれば、家畜も生きてるだろう。

勝手に飼料を荒らして、食ってるさまが見て取れる。

養鶏も重要になると思う。

人間が居なくなれば、サルやイノシシが道路を横断してるような土地なので、街に出てサルが蔓延はびこる可能性も高い。

宇宙飛行士が島に残る可能性を考えれば、薬のある日本本土の前に、近隣の島へ移動する手段を取れば、ディーゼルエンジンで動く船を手に入れられる。

日本本土に到着すれば、販売店に置いてある自動車やバイクを手に入れて、移動する事も可能だし、府中や茨城県などの小型飛行機用の空港に行けば、セスナ機を飛ばすこともできる。

ダイヤモンド・エアクラフト DA-20のように、燃料が灯油でも稼働するエンジンの方が長期間使用するのであれば都合が良い。

レシプロ小型航空機は、日本でもかなり(約490機)存在するので、操縦方法などの動画など必要なデータを記録しておく。

日本国内のサーバーに電源供給できれば、必要なデータを独自に取得して、DVD-Rベースで保存すれば、読み取り専用のデータを長期間保存できる。

舞台としては、日本の方が生活はしやすいと思うけど、鉱物資源を求めるのなら、中国とオーストラリアは人口が増加した後の未来には必要になりそうだよね。

昭和の頃は、八木・宇田アンテナなどが徴用されたように、八木アンテナ(UHF)の技術に戻って、ロケットがない代わりの代替手段として、見晴らしの良い山の頂上か、気球を使ってパラボラアンテナ基地を作り、情報のやり取りを行うんだろうな…

八木・宇田アンテナ

このアンテナは、アルミパイプなどで作られており、非常に安価でシンプルなのに、性能は驚くほど高性能な機能を持ってる。

ニワトリに関しては、烏骨鶏や名古屋コーチン辺りが、日昼に石化したので生きていると思われる。

人間と燕のみの石化だった筈なので、動物園のライオンやトラが逃げ出すことはないだろう。

動物園の動物は、飼育員が居なくなれば死滅する。

鳥や一部の動物を除き、自然界では生きられない。

豚は、野生化しても 90%は死滅するだろう。

石化後に最初に生き返らせる必要があるのは、酪農家たちになる。

その次に、果樹園を営む農家。

次に、米や麦、芋などを生産する農家の石化を解けば、とりあえず人類が滅亡することはない。

次に、マシーン・エンジニア

ガソリン・エンジンやディーゼル・エンジンのメンテナンスができる船舶のエンジニアと自動車整備工は最初に生き返らせたい。

また、芝刈り機などのメンテナンス業者も居た方が便利。

ラジコン・エンジンなどのように、アルコールとニトロメタン(ニトロ)を使った燃料に、オイルとエタノール性の酸化防止剤を入れた燃料など、グロー・エンジンなどの特殊な物もあるので専門知識は必要。

千空が作ってるエンジンなどでは、中国の自動車のように、ベアリングの焼き付けや金属がすり減り、変摩耗による振動が起きる。

しかも満水排水量500トンを超える船舶に、ガソリン・エンジンを搭載するというアホな描写が見受けられる。

まだ、焼玉エンジン程度の知識なら分かりやすいけどね。

スターリング・エンジンと言っても、おそらく蒸気機関の燃料を石炭から石油に代替した物なら理解できるんだよね。

ピストンを作るよりも、タービンの方が圧倒的に作りやすい。

ディスク型のタービンであれば、同じ加熱水蒸気で動かすにしても、過流タービンの形状で作れば、カタツムリ型のタービンでも稼働できる。

テスラタービンと同じような、汲み上げ式に使うタービンポンプを動力源にして推進する仕組みであれば、スクリューを作るよりも効率が良い。

Dr.STONEの作者は、スクリューの製造がタービンと同じかそれ以上に難しい事を理解してない。

過流タービンであれば、砂で型を作り、流し込んだ鉄にガス抜きして鋳巣ちゅうすを作らないようにすれば、鉄でも加工できる。

鉄の製造工程は全て省いてるのは、知識が無いからだろう。

鉄と言っても加工する際に必要なものに、原料の鉄以外に、石炭の水分と油分を抜いたコークスをという炭を使用する。

石灰せっかいとコークス、イットリウム(水素ガスを除去する)シリコン「(Si)ガラスの素材で不純物を取り除く」など、その他にも火薬など混ぜ物が存在する。

銅が存在したので、テルミット法に関しては銅の酸化物を使ったのだろう。

通常は、蛍石も必要になる。

蛍石は、融点を下げる為に使用される。

つまり、ドクターストーンの状態だと、製鉄の処理も粗悪品であり、焼き入れもされない軟鋼で、炭だけ入れて炭素化して鉄を硬くしました?みたい発想なんだよね。

少し舐め過ぎだよね。

スチームハンマーを使って、鉄を叩いてインゴットを切削するという作業を行うのであれば、スチームハンマーを作る時点で、割れない鉄を加工する必要性が出てくる。

つまり、千空の知識レベルでは、鉄さえ加工できないレベルなので、中国に渡り造船をするという工程が必要だった。

つまり、宇宙飛行士たちが残した子孫が徐々に増えて行き、3700年後に石化を解除されるという物語の方が無難だった。

木造船は、知識のある船大工が10名ほど居て、木を蒸して柔らかくして曲げの工程などを行なうなど、特殊な工程が必要になる。

俺なら、ナイロン繊維を作って、専用の窯の空気を熱して高温で焼き上げたグラスファイバーを作って船を作る。

この方が、同じ木枠の骨組みでも、船の強度も高く、発泡樹脂を使って骨組みの間に緩衝材としてスチロールを入れ、サーフボードと同じように船体を作れる。

推進機もパイプだけで構成されたシンプルな構造の方が、流体の速度を遅くして水圧を上げるだけで済むので、ジェットエンジンと同じでシンプルで壊れてもメンテナンスがしやすい。

つまり、千空の作る船では動かすことができない。

最初から6人の宇宙飛行士が日本に上陸して小さな村を作る話からスタートした方が、未来の言語が違っても、文字で会話が通じた訳だよね。

その実験の過程が、ナイタール液を作って石化を解くまでに3700年掛かったという話なら、分かりやすいよね。

一応、日本の蛍石の産地は存在する。

大分、福岡、兵庫、三重、岐阜という感じで、西の方に鉱山というのは多い。

ニッケルも京都に鉱山が残ってるし、カドミウムなどは新潟から鹿児島県に至る日本海側の地域にカドミウム鉱山が見受けられる。

二次電池を作るのであれば、ニッケル・カドミウムを思い浮かべる筈なんだけど、Dr.STONEの作者は、知らないみたいだよね。

意外と日本ではマンガンも取れるので、40kgの無線機を担ぐ必要性もない。

自動車バッテリー二つ分であれば、亜鉛バッテリーの方がリサイクルできる分、便利だろう。

携帯電話が40kgというのは、阿呆なんだろうね。

昔の1980年代の携帯電話のように、バイク用バッテリーの亜鉛バッテリーでも8時間以上も使えて、ショルダーで持ち運べた。

バッテリーの希硫酸の量は自動車もバイクも同じなので、重さにして1.5kg程度だし、12V4Ahなので4時間は持つ。

予備を一つ持っても3kgの重さしかない。

受信機側は鉱石ラジオを使えば電源は不要なので、磁鉄鉱があるので、コマ型の磁石にコイルを巻いたフェライト・コアを作れる。


増幅とかラジコンでコイルを巻いた棒に電気の接触する部位で電圧をコントロールする装置があるけど、理論的には同じこと。

40kgの重量にはなり得ない。

精々2kgと言ったところ。

バッテリーを合わせても5kgという感じだろう。

8時間程度の利用が可能で、待ち受け側は、電源を必要としないので、出力側の送信電波が強ければ、連絡を取りあえる。

鉱石ラジオとは

鉱石ラジオ

コイルに石が付いてるだけの単純な作りで、アンテナとなる部位が銅線を巻いたコイル電極の前にあるれた裸銅線の部位で、クリップ部位がアースの役割を果たしている。

電源は必要なく、これでラジオを受信できる。

ストーリー性はメチャクチャだけど、面白いものを紹介してるという観点では、Dr.STONEは、それなりの意味を持った参考書になる。

漫画をキッカケにして、興味を持てば良いんだよね。

発信装置を作るならマグネトロンを作るのが一般的。

むしろ、Dr.STONEの無線技術を作る法が難しい。

何故、マグネトロンにしなかったのか理解できない。

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