大型の油圧モーターのメンテナンスに関する改善

日本には、大型のタービンを回す為に、油圧モーターが利用される。

下水道処理施設など、荏原製作所のポンプや熱交換器など、油圧を使ったパーツが山ほどある。

一応、図面を渡されてパーツを分解して組み立てる工程は然程さほど難しい作業ではない。

面倒なのは、油圧のパイプの結合時に色分けや番号などが割り当てられてないので、分解する時にタグを自分で書いて分解する前に番号を割り当てる必要がある。

無駄な時間だよね。

例えば、配管のジョイント部分にプラスチック製などのカップリング用に色で分かる配管の目印が付いてるだけで、赤や青に緑と言った感じで、同じような長さの配管の区分けができる。

何千万円もする商品なのに、自社がメンテナンスを引き受けておきながら外注に作業を依頼するのが、今の企業では当たり前であり、そうした創意工夫を凝らす考えがないのは、商品のメンテナスを考慮されてない作りとなっている。

油圧商品の開発を取り扱う企業には、そうした部分の改善をするだけで、飛躍的にメカニックの負担を減らすことが可能になる。

自動車用のパーツのような小型ポンプと違い、直径2mを超すようなタービンを回して河川の水(汚水など)を汲み上げて、浄化水槽へと移す作業に使用するタービンなどは、東京都の砂町だけでも一施設に10数基のタービンが設置されている。

未だにクレーンも手動式のクレーンを使っていたりして、15トンほどのパーツを全体として3分割ほどにバラして、荏原製作所に輸送する際、こうした面倒な作業が付き纏う

一度に3台程度を分解し、モーターなどの部位は現地でベアリング類やロッドパッキン等を交換する。

僅か5ton 程度の品であっても、20t 用のチェーンブロックを使って人間の腕力と体重で持ち上げるので、自分の体重が80kgを超えてる人であっても、ぶら下がってもチェーンが巻き取れないほどの力が必要になる。

僕なんかの背筋力が220kgを超えてるけど、腰を低く落として体重と背筋を目いっぱい使って、一回当たり80㎝程度しか引けない。

持ち上げる作業だけで、余裕で5分を超える。

毎日やる作業ではないので、こうした請負作業の多くは、一回あたりのメンテナンスに掛かる費用が高額で、公共事業の場合500万円ほどを見積もっている。

僕らの作業手当が1ヵ月で50~60万円の請負になるので、特に下水処理施設のメンテナンスは高額な費用が掛かる。

同じようなメカニックを3名ほど使って同時に分解して行くので、手元となる作業員も必要になる。

4~5名を雇うので、一回あたりのメンテナンス費用はかなり高額。

それを行なう事で、1000万人が垂れ流す小便やウンコを処理してメタンやアンモニアを取り出し、都内の電力の1割程度を年間で賄える。

東京湾に流す水を浄化して、海水を汚染しないように、人間の知恵が活かされてる。

一台あたり数千万円のモーターが 30基以上は設置されており、全体だと何機のもポンプ用モーターが設置されているのかも分からない。

体力と頭脳がないと出来ない作業なので、都内であれば、東京ドームのすぐ近くにある小石川下水道処理施設などは、皇居のお堀の水を循環して熱交換器で冷やし、水の汚れを取る作業が定期的に行われている。

当然だけど、レジオネラ菌などが繁殖するので、バイオハザード的な死亡率も高く、細菌により脳が委縮する病気などと戦う事になる。

僅か2週間ほどの作業を行うだけで、消毒の匂いがしばらくは取れない。

こうした大型の熱交換器やタービンポンプの重要性は、縁の下の力持ちのようなものなので、職員さん達は機械を管理する制御盤を扱うだけで、自身がメンテナス作業を行う事はない。

16~17日程度を通しで作業して、1~2日を休むだけなんだけど60万円ほどの請負作業になる。

熱交換器のカバーに使用される鉄の蓋の重さだけで、3tほどの重さがある。

それに耐え得る水圧を掛けるので、蓋の構造も厚みや裏側を鋳型でくり抜いた形状にすることで、面で水圧を受けた際に力を逃がす構造になっている。

ナットのサイズもM48~M64というような、超特大サイズのボルトナットを使用する。

トルクレンチで回した後に、インパクトレンチで外す作業だけで、丸一日掛かりで10名ほどの人数が必要になる。

蓋を外す作業や高圧洗浄機に特殊なジェットノズルを取り付けて長いホースにジェットノズルを加締めて水圧を掛けると、一気に22mm程の穴が15m程の長さをもっており、これが直径1.8mの熱交換器に無数に空いている。

穴が塞がると皇居の堀の泥水で汚が詰まってしまい、掘りの水が循環しなくなるので、数ヶ月毎のメンテンナンス作業が必要になる。

ポンプを使った作業の多くは、色々あって、東京ディズニーランドのスプラッシュ・マウンテンなども、同じようなタービンポンプを使用する。

つまり、油圧モーターを使うので、メンテナンスが必要になる。

アトラクションの場合は、営業を止める日数も限られるので、全取り換えでスペアとして予備のモーターとタービンを備え付け、交互に活用する事で水の循環を行なう。

ちなみに、下水道処理し施設も同じであり、4基8個の熱交換器を設置して循環工程が滞りなく行われるようになっている。

16~17年ほど前に、宮崎県のシーガイアが最後のプール営業になる時に遊びに行った時に、同じような仕組みを使っていたけど、ポンプの重要性が分かるよね。

水に圧を掛けて送り出すことで、常に水道を利用できる環境が存在する。

下水処理はもっと重要であり、水質汚染による赤潮の被害を食い止める効果を果たしており、特に横浜の八景島などの周辺のヘドロの上に砂を敷いてヘドロを覆う事で、魚がもう一度生息できる環境を作り上げてる。

横須賀の平成町前の海の多くが、埋め立てた際に砂を敷き詰め、ヘドロ対策の処理を施し、カレイやアイナメなどの魚が生息するようになり、地元の漁師が漁をできる環境が出来上がっている。

平成町にも同じような下水処理施設が存在する。

この下水処理施設の汚泥に、メタンを含む水素ガスが発生するので、その水素に二酸化炭素を結合して、メタンを製造するという試みが、全国の大型汚水処理施設で試験運用されている。

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