日本の技術は、宝の持ち腐れ感が強い

日本人気質の問題もあるのかも知れないが、一つの物にこだわるのは悪い事ではないが、極めた技術を応用する商品開発の分野で、どうして発想の転換を持てないのだろう。

例えば、太陽熱を使った砂蓄熱発電という新しい分野の最も環境にやさしい太陽熱発電が注目を集めている。

日本の熱交換器の技術は蓄熱と熱交換の双方に利用できる画期的な技術を保有してる。

多管式熱交換器というモノをご存じだろうか?

日本は、この手の熱交換器の装置を作るメーカーが数多く、これらの装置の製造において世界トップクラスの技術力を持ってる。

Polar Night Energy のような真空タンクに砂を詰めて太陽熱を摂氏400℃前後で蓄熱し、蓄熱した空気熱を利用して熱交換でピストンなどを動かして発電するという考えは、素人でも思い付く。

日本メーカーの多くは、スターリング・エンジンの勉強会は1990年代から盛んに行われているので、今更、説明する事もないので割愛する。

詳しくは、Ron Hugo さんのYouTubeチャンネルで理屈が理解できれば、ある程度の素人でも分かるだろう。

一番簡単なのは、圧縮熱は空気の衝突でも作れるので、太陽光を最大で20日間も蓄熱できる砂を応用した蓄熱技術の方を日本メーカーが開発する部分。

現在、軽石を使った多孔質コンクリートがある。

上の動画は、多孔質セラミックスを使った内容のもの。

現在の多孔質コンクリートでは、70%の空気層を持つシラス(軽石)を使ったモノが使用されてる。

鹿児島の桜島などの噴火で降る軽石で出来た砂(火山灰)を保温の為の多孔質コンクリートとして活用すれば、熱交換器の構造で、通常は冷却水を流す部位を多孔質コンクリートで埋めるだけで保温の効果を得られる。

配管内にも砂や多孔質コンクリートを詰めて肉詰めソーセージのように砂で配管を埋める。

太陽熱で圧縮した空気を押し込み500気圧(50MPa)以上の圧が掛かると圧を逃がす仕組にすれば、圧縮された空気の水分がブローオフバルブから逃げる仕組みで、砂に必要な熱を蓄熱して保存できる。

地中または地下室に蓄熱設備を設置する事で、外気温度の影響を受けない構造にすれば、地下の温度も上昇して高温を保てる。

熱を作る方法は、エアコンの仕組みそのもの。

コンプレッサーで圧縮した空気で熱を作るだけなので、空気中の熱を熱媒が吸収して冷気が外に排出される。

熱交換器の仕組みを利用して、保温も蓄熱も発電も可能なシステムに活かす技術なので、既存の産業をそのままで生活空間で使用する電力消費量を抑える新しい技術として応用できる。

また高圧の空気はポンプ圧縮でも作れるので、油圧ピストンポンプの応用でも高い空気圧のタンク内の反発にも圧し勝つ動力として機能する。

空気圧縮は色々なコンプレッサーがあるけど、回転式ピストン・ポンプで空気ポンプを圧せば、リショルム式のコンプレッサーよりも高い圧を圧縮できる。

圧自体は、滑車の仕組みを使う事で30tonのチェーンブロックのような滑車の仕組みで幾らでもポンプの回転運動に使う動力圧を生み出せる。

チェーンブロックの仕組みを見れば明らかなように、自動車で言うとトヨタのプリウスで使用されている遊星歯車が使用されている。

可動部のチェーンは二つで、人力で引くチェーンと物を引き上げるチェーンの構成で、物を引き上げる方のチェーンを動かした動力の可動部と連結してチェーン駆動にすれば、単純に回転させたい方向に回す事ができる。

プリウスなどは、この遊星歯車を4つほど組み合わせて車速のギア比率と速度をコントロールしてる。

複数の熱交換の原理と機械の滑車の仕組みを応用するだけで、太陽熱で作るエネルギーを使って、空気熱でポンプを動かしたり、発電したり色々な事ができる。

金属だけでなく、セラミックス製のパイプなども存在するので、熱を保存するパイプの仕組みを鋼管パイプの中にセラミックス製のパイプを入れて耐圧性や熱の保温性を上げる仕組みを作れる。

自動車のように、他業種間の技術を構造に取り入れて集合体を作るという六次産業的なアイデアと発想が、「持続可能な開発目標」そのものだと理解してないのが、日本企業の本質の部分。

目先の損得と既得権益を守るという考えが先行して、先に広がる未来を潰してるのが企業その物の概念だろう。


※ あとがき

この方式なら使用済み核燃料の核廃棄物の発する排熱も応用できるし、使用済み核燃料を水で冷やす必要性もない。

熱媒を利用するだけで発電や冷却もできる。

使用済み核燃料は、電磁波を与えると電磁波を発生し続ける特性があるので、使用済み核燃料の温度が冷えてからでも応用できる。

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