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東京遠征を終えて 土と肉と宇宙の祝祭

 4/6〜9の東京遠征が終わった。充実した三泊四日であった。かんたんに感想を書いておきたい。

 六日、東京に降り立つ。本屋B&Bさんでの辻村伸雄さん片山博文さんとのトークライブは、50名近くの方々にお集まりいただき、盛況のうちに終えることができた。辻村さんのビッグヒストリー、片山さんの宇宙的コモンズ論のお話が素晴らしく、おまけに『つち式 二〇一七』が30冊ほども売れた。これ以上ない形で「東京デビュー」を飾ることができ、ウハウハな気分でよく眠れた。(上の写真は片山さんのスライドから。ハラウェイとわたしの対決!)

 七日は終日自由だったので、『つち式』の取扱店さんを回った。(青と夜ノ空七月堂古書部H.A.Bookstore

 各店のまわりを徘徊するのも愉しかった。特筆すべきは、昼食を食べようと偶然入ったWOOD STOCKという吉祥寺の喫茶店である。ママさんと仲良くなり喋っていると、彼女のおじいさんが、あの『』を書いた長塚節の弟だと発覚したのだ。なんたることだろう。東京に来てまで引き合う〈土〉の引力!オリジナルカレーが非常に旨かった。

 八日は午後、立教大で第27回マルチスピーシーズ人類学研究会があった。今回の東京遠征は、もとはといえばこの研究会での発表を奥野克巳さんにお誘いいただいたことがきっかけである。平日の昼間6時間を費やす研究会でありながら、様々な人が集まっており愉しかった。わたしはひたすら農と里山の悦びを語ってきた。打上げの席での家畜や獣姦(!)の話もおもしろかった。

 九日は磯田和秀さんと一緒に東大の博物館へ行った。

 ちょうど「家畜展」が開催されており、種々の頭骨や家畜の剥製にわたしははしゃいだ。なかでも世界各地の鶏たちの剥製が夥しく陳列されてあったのは実に壮観であった。

 このあと、東大の近くで旨い刀削麺を食べ、奈良へ帰ってきた。

 今回の東京遠征では、「つち式」の悦びを叩きつけることに照準していた。呼応する声があることを期待して。結果は、予想以上のものだった。
 とにかく踊りまくっていたら思いの外みんなが乗ってきてくれたイメージ。これは、土と肉と宇宙の祭りだ。折しも春だ。宇宙も春だ。踊るしかない。これは存在のダンス。陽射しを浴びて、いま俺がいてお前がいるということ。カエル、レンゲ、ツバメ。138億年の待ち合わせ。ニワトリ、ヒツジ、ウマ。出会い頭の閃光。イネ、リカオン、ヌー。そら死にもするし、生きもする。合体もする。みんな土になる途中です。すでに重層しているわたしの悦びは、さらにどこまでも折り重なる。貪って排泄して貪って貪られる。いまが清明。これが生命だ。


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