患者さんの力になる為の症例発表の作り方


どうも、珍さんです。いつも拝読ありがとうございます。

今回は症例発表について話をしたいと思います。

学生時代はもちろん、臨床に出てからも随所で行う事があると思います。

この症例発表、明確な目的を持って作成しないと日々の睡眠時間を削るだけの曲者にしかなりません(笑)

特に実習の時はこのせいで沢山の学生が徹夜の日々を強いられたのではないでしょうか。さらに発表に至ってはまさに公開処刑。指導者やその先輩が自らの経験、知識をひけらかし学生にも関わらずマウントを取ろうとする有様。

学生時代の僕はこれが当たり前だと思っていました。実際上記のような精神を削られる経験を僕自身もしましたし、終わってみれば何かいい経験だったように美化している自分がいます。

でも皆さん、冷静に考えてこれっておかしいと思いませんか?

まるで学生が何か悪いことをして裁判にでもかけられているかのようなこの状況ははっきり言って誰も得しません。

症例発表は誰の為にするんですか?そうです、患者さんの為にするんです。

自分が患者さんを担当して社会復帰させる為にどういったことが必要で、自分は何に困っているのか。聴いている人たちにどのような力を貸してほしいのか。

それらを明確にする為に発表を行うのです。

それがいつの間にか自分の為、指導者や先輩セラピストの為になってしまってます。

今回はそういった問題を正し、患者さんの力になる発表の仕方を話していこうと思います。


1.症例発表の目的を考える


兎にも角にもまずはこれです。症例を通じて何を伝えたいのか。

検査結果や、治療プログラムだけを淡々と話すのでは発表の意味がありません。具体的にここに困っている。こういう機能障害に対しての治療方法を知りたいといった明確な目的を持って発表することが重要です。

発表する患者さんの事を誰よりも知っている自分がまず聴いている人に伝えたいことから決めていきましょう!


2.発表には医学的な言葉のみを用いる


目的が決まったら早速作成していきましょう。

ここで気を付けなければならないのは言葉の使い方です。

症例発表は同職種はもちろん、医師や看護師といった医療従事者に向けて発表するものです。そこで共通の言葉を使わなければ話が上手く伝わらないことがあります。

例えば足が曲がっている。

こんな曖昧な表記では聞いている人は曲がっているのが股関節なのか、膝なのか足部なのか分かりません。さらに曲がっているのが屈曲なのか外転なのか外旋なのかも区別できません。

一番気を付けるべき項目としてリハビリに対し、やリハビリを行う上でといったリハビリ表記はやめましょう。

そもそもリハビリテーションはre‐habilitation:再び、取り戻す

その個人にとって社会的な回復を意味します。つまり結果です。

患者さんをその結果に導く為にPTは理学療法を、OTは作業療法を行うのです

ですからせめて「患者さんは理学療法に対して積極的で」や

「作業療法を行う上で」という表記をするように心がけましょう。

小さなことですが文面から気を付けることは自分が何をしているかを明確にする事はとても大事だと思います。


3.客観的な様式を意識する


発表に用いるレジュメやレポートは明確な決まりはありません。気を付けたいポイントは聴いている人が見たことない患者さんをイメージできる情報を載せれているかです。10人が聴いていたら10人全員が同じイメージをすることが重要です。

ここに載せているのは僕がいつも用いる形式です

出来るだけシンプルに、かつ必要な情報は載せきるのが理想です。

さらに文章ではなく、単語や数値を用いて表示するように心がけましょう。


4.発表は分かりやすく簡潔に


原稿が出来ればあとは発表です。

僕の職場では発表は7分に設定しています。この限られた時間で、先ほどのフォーマットを隅から隅まで話すともちろんタイムオーバーします。

ここで話すべきポイントは

・目的

・動作での異常

・統合と解釈

・予後予測

・治療プログラム

です。要はこんな患者さんがいて、見てるとここに異常があり、検査したらやっぱりおかしくて、でもこの障害は治せるのでこういう風に治します!

という話をするように心がけると聴いている人からはその筋道にそった質問が返ってくることが多いです。

逆にこういう筋道を立てて話さないと上げ足を取るような質問攻めに遭ってしまいます。

患者さんの力になる為にもスマートな発表を意識しましょう。


5.まとめ


以上で簡単ですが症例発表する時のポイントをまとめました。

この方法を意識していると段々と頭の中でフォーマットを想起することが出来ます。そうなってくるとより患者さんの障害像を速く捉えることが出来ますし、先輩に相談もしやすくなると思います。

患者さんの力になる為には適切な情報の発信と共有できるだけの客観性が必要です。

そういった部分を常に意識しながら臨床に取り組んでいけると一人でも多くの人を救うことが出来ると思います。

自分の為の発表ではなく常に発表される患者さんの為の発表を心がけましょう!

for the patient!!

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