見出し画像

ホワイト化する世界

画像2

セカンドインパクト後の世界を見下ろしながらのゲンドウと冬月の会話
「これが母なる大地とは・・・痛ましくて見ておれんよ」
「だがしかし、この惨状を願っていた者たちもいる。原罪のけがれなき浄化された世界だからな」
「私は人でけがれた混沌とした世界を望むよ」
「カオスは人の印象に過ぎない。世界は全て調和と秩序で成り立っている」
「人の心が世界を乱すか・・・」
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破より

不浄なものが存在しない世界、不快という感覚を感じることのない世界、そういう世界に思いを馳せたことはないだろうか?
目障りな人間、自分に害をなす人間を消してしまいたい、そんな感覚を持ったことはないだろうか。
そういうことが具体的にできる時代に突入している。

岡田斗司夫さんの語るホワイト革命。

目障りなものはミュートして孤立させる。
それでもなお目障りな状態にあり続けるものは叩かれる。
そうなることが必然だと心のどこかで理解している人たちは無意識のうちに叩かれない立場、つまりホワイト側にいる。

辛いこと、苦しいこと、悲しいこと、面倒なこと、よくわからないことをナチュラルに回避していく生き方、それがホワイトな生き方。


さて、岡田斗司夫ゼミの冒頭で映画「ゆるキャン△」の話が出たのでついに岡田さんが「ゆるキャン△」を語るのかと思ったがさすがにそんなことはなかった。

スマホやSNSが無かった時代とは異なり、個人がそれなりの発信力を持つのが今の時代。

提供される娯楽の中から自分に合うものをセレクトしていた時代から、自分の納得いくものを制作側に作らせるべく自らの発信力を発揮する個人が力を持つ時代に移り変わっている。

その個人たちが根底に持っているのがホワイト的な考え方。
不快感を排除し、かつ合理的にコンテンツを摂取することを目的とする。

ここでいうコンテンツとは作品の出来栄えとかメッセージとか言うものではなく、あくまでもその作品の表面的な情報。
だからこそ、わかりやすいものが求められる。

これまでオタクと呼称されていた人たちがやってきたような作品を掘り下げて掘り下げてめっちゃ解説する状態を個人は求めていない。
彼らは倍速でより多くの情報を摂取することを求めている。

そしてその副産物として、作品を掘り下げることの好きないわゆるオタクという人種は絶滅危惧種に指定されることが不可避となる。

情報の発信はテレビ一強の時代からYoutubeの時代を経てツイッターやインスタグラムといったSNSや音声メディア、noteやアメブロといった文章での発信と多岐にわたって一個人が簡単に発信することができるようになった。
だからこそ個人の力は脅威となり制作側は一個人の意見を取り入れざるを得ないようになってきている。

このキャラは不快だから排除しろ、とか推しのキャラが苦しまないストーリー展開にしろとか・・・

そういうホワイトな意見をひたすら取り入れていくとどうなるのか?
ゆるーいストーリーになることは間違いない。
そう。「ゆるキャン△」のような。

もちろんこれは批判ではなく、だからこそ「ゆるキャン△」は時代にマッチしているという話だ。マッチしているどころか今の時代が求めている最先端の一つの形だと言える。


「ゆるキャン△」をもじってホワイト化から逸脱するようなことをしようものならものすごい勢いで燃え上がる。

「ゆるキャン△」ではなく「SPY×FAMILY」だが、こういう記事を見ているとまさにホワイト社会にいることを実感する。

アーニャの格好をするだけで酒を飲むことがNGとなる。
今の時代をに生き残ることを考えるとたしかに配慮不足は否めないとしか言えなくなる。


そしてホワイト化は目立つ存在となることをも嫌う。

自分はそもそも目立つのが嫌いなのでこの著者の気持ちはよくわかる。

目立つと目を付けられやすくなる。
覚えられると色んなシチュエーションでターゲットになりやすくなる。

それを可能な限り回避したいのでみんなの前でほめられたくなんかない。


ほめるなら個人的にほめてもらえば

画像1

こんな感じで喜ぶので、目立たせないでと言いたい。


そういえばこの人もまた燃えていた。

クラウドファンディングなんてそもそも主催者を応援するためのものであって内容に関係なく支援者がお金を出すものだと思っていたが、そういうものでもないらしい。

「よくわからないもの=NG」ということらしい。
もちろん客観的に見てもドミノの意味はよくわからないが・・・。


こんな時代を生き抜くためにホワイト化の意味をよく知る必要がある。
最近よく思うのが20代半ばから30代前半ぐらいの人でナチュラルにこの人ホワイトだなぁと思う人が増えている。

仕事ができるできないは別にしてこういう人は生き残っていくんだろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?