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はんなり???!!!着付師物語 第6章①人生の変化

約4年の韓国滞在を経て帰国した未来は、旅行社の名古屋支店に勤めることとなった。
そう言えば、未来は既婚者な訳で、それだけ長い間、日本を離れていた間、夫はどうしていたのだろう。そして、どう思っていたのだろう。
何の相談もせずに決めてきた韓国への転職で、数年以上別居状態が続いたこの結婚は未来とその夫にとって一体どんな意味があったのだろう。
当然ながらこの関係性は長く続く訳がなかった。
離婚に至る理由は、お互い様でそれなりに言い分があるものだろう。五分五分とはならなくても、どちらか一方の責任で離婚に至るわけはなく、やはり何らかの歪みが少しずつひどくなり、会わない時間が多くなれば、その溝は深くなるだろう。
要するに、2人は合わなくなってしまうから、離婚に至るのだ。

未来は、帰国一年後に離婚した。そして、旅行社も退職し、単身大阪に引っ越した。その時、未来は37歳だった。
人生や運気を変えるには、引越しをするか付き合う人を変えるか仕事を変えるのが早いと言うけれど、未来はその三つを一気に変えたのだ。
大阪に引越して、未来にとって二つの大きな出会いがあった。一つは、愛猫のぺチャとの出会いだ。未来は、野良猫や捨て猫を放って置けず、拾っては、保護して里親を見つけてあげるという保護猫活動を人生を通じてやっている。ある日数匹の子猫を拾った。ペチャはその中で、とても小さく、弱々しかった。他の子たちの里親は見つけたけれど、ペチャはきっと短命で、もらわれていってもすぐに死ぬかもしれないから、自分の手元に置いて最後まで面倒を見ようと未来自身が飼うことにした。けれどこのペチャは、病気ガチでよく病院には連れて行くけれど、今でも未来と仲良く暮らしている。なんと15年以上の付き合いとなったのだ。
そして、もう一つは、ある男性との出会いだった。未来がよく行く居酒屋の大将の友だちだ。お店で話すようになって意気投合した。未来の自由奔放な性格を全て受け入れてくれるけれど、「自分の人生なんだから、やりたいことをやるなら自己責任でやれば良い。」というところなんかは何となく自分の父親の器の広さと厳しさを思い出させる存在であり、いつしかお互い惹かれ合い再婚することになった。
出会って1年と半年後、籍を入れることになった。
入籍するために役所に出向いた二人だっだが、思わぬことが起こった。
満面の笑顔で婚姻届を出し、受理してもらうのを待っていると、呼び出された。
「あのー、、斉藤未来さん、、ご結婚すでにされてますよね?あなたは、田中未来さんという氏名で婚姻されてる状態です、、、」
なんと、未来がまだ離婚出来ていなかったのだ。
未来も流石にびっくりした。
「わたし、サインもして、ハンコもついて、向こうもちゃんとハンコついたし、保証人も立てたから、後は持って行くだけで、、、、そこは任せても大丈夫だと思って置いて出て来ちゃった、、、なんで?、、」

とにかく、まずは離婚するしか再婚出来るわけもない。
未来は、離婚届を新たに作るために保証人になってくれる友だちも連れて名古屋に戻った。


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