箔押しリボン作成レビュー(おたくらぶ さん)
先日、おたくらぶさんの【箔リボンキャンペーン】に参加し、現在実装準備中の箔リボンのお試し版を発注しました。
お手頃価格で色々できる、同人活動の大きな味方・おたくらぶさんの新商品として検討されているようです。もともと色んな本・グッズが作れましたが、ここ最近のラインナップの広げ方がすごい。
おかげさまで色んなアイデアを具現化できます……!感謝!
近頃、ブックデザインを始め、装丁〜ラッピングまでこだわる人もよく見かけるので、リボンのオーダーの際の参考になればと思いレビューを投稿します。
※まだ商品としての実装はされていないようです。今後に期待。
今回はキャンペーンということで、「お試し用の長さ」かつ「リボン色&箔の色は完全おまかせ」となっています。
作成レビュー
さて、百聞は一見にしかず。レビュー本編のはじめに実物の写真をお見せしましょう。
今回は実装予定の商品として、「どんなことができるのか?」という実力検証の意味合いも込めて、デザイン内に4つの要素を含んだものを作成しました。
隣接する細い線はどこまで鮮明に出力できるか?
小さな文字や点はどこまで鮮明に出力できるか?
ベタ部の間の線(抜き線)はどこまで鮮明に出力できるか?
ベタ塗り部分に、箔の剥がれはないか
上記をふまえて入稿したデザインデータがこちらです。
デザイン内使用フォント:VS-Boston Trafic
全体像はすでに見ていただきましたが、各観点に沿って実物を細かく見ていきたいと思います。
1、隣接する細かい線はどこまで鮮明に出力できるか?
バーコード部で検証します。
※ただし、今回、入稿データのバーコード部の処理が甘く、ぼやけた感じになってしまっていたのでそこを前提にご覧ください。
正直バーコードはガッツリ潰れてしまうと思っていたのですが、予想外にも細い線でも途中で途切れることなく出力されていました。
細い線が密集するエリアではどうしても隣にくっついてしまいます。
ただし、普通の紙に対する箔押しでも完全分離で押すのはかなり難しいので、リボンだからダメというわけではないと思います。
この細さの線が出せるのであれば、線がくっつくかもしれない可能性は受け入れた上で、細かい柄もオーダーできるのではないかと感じました。
(あくまで個人の感想です。オーダー通すときに「受けられません!」と言われる可能性は十分にあります)
2、小さな文字や点はどこまで鮮明に出力できるか?
10ptのVS-Boston Traficで、バーコード下に数字と点を入れました。このエリアで検証します。
数字の「8」「9」「0」などはくり抜き部分が入る字形ですが、今回のデザインではくり抜き部分が潰れることなく箔押しされていました。
小さいですが、各数字の間にある「・」も問題なく出力されています。
3、ベタ部の間の線(抜き線)はどこまで鮮明に出力できるか?
VS-Boston Traficの特徴は、文字の中央付近などに抜き線が入ることです。
レトロなスタンプ感があって好きな特徴なのですが、今回はこの抜き線を使って、ベタの間の抜き線(=箔が押されない部分)がちゃんと出力できるかを検証します。
右側の大きな文字(40ptくらい)の抜き線は、いずれも潰れることなく出力されていました。
実はこちら、よーーーーく見ると単調な直線の抜きではなく、ガタつきのある抜き線なんです。
箔押しされた実物でも、この絶妙ながたつきかんはしっかり再現されていました。すごい!!
原稿次第で、スタンプを押したみたいな絶妙なゆらぎ感とかも表現できそうですね。
一方で、左側の小さな文字(10pt)の抜き線は結構な確率で潰れていました。1mm以下の抜き線になると流石に厳しいようです。抜き線が全く出ていないというわけでもなく、角度によってはうっすら抜いている感じに見えるところもありました。
「2」や「7」の横線抜きはしっかり出ていたので、もしかすると縦や横で抜き線の出力しやすさが違うのかもしれませんね。
4、ベタ塗り部分に、箔の剥がれはないか
ベタ検証というほど広い範囲のベタデザインを入れていないので、大きめフォントを代用して検証します。もっと広範囲だと話が変わってくるかもしれないので、参考程度にご覧ください。
フォントの特徴として外縁部がガタガタしていますが、そのがたつき含め塗り潰し部〜外縁部まで綺麗に均一に箔押しされていました。布地に対しての箔押しなので、点状の箔剥がれなどがあるかな〜と思っていたのですが、それもざっと見たところありませんでした。恐るべし、おたくらぶさんの箔押し実力。
ただ、上下(天地)に余白が生じるため、白抜きデザイン(布地の色を線とするデザイン)はおたくらぶさん的には非推奨みたいです。
その他 コメントなど
・リボン自体は柔らかめ。
・箔は割としっかりついていて、軽く折り曲げたくらいでは割れない。
・リボン端の処理もきっちりされている。
まとめ
思っていたよりも綺麗に印刷された、というのが率直な感想です。
・太い線は基本大丈夫
・細かい線についてはくっつきやすい
・縁のがたつきなども表現できる
基本的には紙に箔押しする時のデザインと、気をつける点は一緒だと感じました。(細すぎる線の密集を避ける、など)
安い分、ある程度箔押しの精度は下がってしまうのかな〜なんて思っていたのですが、いい意味で予想を裏切る結果となりました。
高い技術力と、コストパフォーマンス。企業努力の成せる技だと思います。日々試行錯誤してくださってるスタッフの皆様、ありがとうございます。
データ作成ガイドを読んでいると、箔によっても得意なこと・不得意なことがあるようなので、細かいデザインがしたい方は事前におたくらぶさんに相談したほうがよりイメージに近いリボンが発行できると思います。
箔押しリボンが商品として実装された際、発注される方のご参考になれば幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。
余談
これは、箔押しリボンのレビューではないんですけど、すごく驚いたので共有します。
納品時に入っていたカードが箔押しだったんですが……
えー! こんな細かい文字、綺麗に箔押しできるの!?!?
「#」「参」「発信」とか潰れちゃうと思ってました。
何度もこの記事で言っていますが、もしかすると思った以上におたくらぶさんって箔押し得意なのかも、と意外なところで感じましたね。
使える箔も多くてリーズナブルなので、原稿に余裕があるときに試してみるのはありかも。
選べる選択肢が増えると、装丁含めて書いたものを表現したくなって、やりたいことがどんどん増えていく〜〜。
今回リボンを作成してくださった
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