廣川ちあき

なにか書いたりリーディングをしたりする人。96年生まれによる短歌誌『ぬばたま』同人。詩…

廣川ちあき

なにか書いたりリーディングをしたりする人。96年生まれによる短歌誌『ぬばたま』同人。詩人とDJのユニット「9HZ研究所」でも活動。自炊と読書とラジオでできている会社員(2020/04/01〜)。その前は東大大学院の修士課程にいました

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  • ひとりアドベントカレンダー2020

    2020年12/1〜12/25の間、通常なら複数人のリレー形式で書いていくアドベントカレンダーを、ひとりで一日も休まず書いてみようという突然の思いつき。

  • 詩歌以外(エッセイなど)

  • 自由詩

    リーディングや投稿・寄稿で発表済の作品を掲載します。

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わたしは答えない with いとうせいこう is the poet

2019/07/13 LIVE DUB JAM Vol.2 with 胎動LABEL@下北沢ERA いとうせいこう is the poet による演奏とダブ処理によって一回限りのリーディングを作り出す、一般公募オープンマイクでの即興セッションライブ。元テキストは、既出の拙作「わたしは答えない」ですが、その場で内容を大きく変更しています。 撮影:伊藤晋毅 ──LIVE DUB JAM Vol.2 with 胎動LABEL── ◆いとうせいこう is the poet http://dirty30pro.com/artist/itouseikou/ https://twitter.com/ITP_dubpoet いとうせいこう (Words) DUB MASTER X(MIX) WATUSI(Ba) 會田茂一(Gt) 龍山一平(Key) コバヤシケン(Sax) SAKI(Trumpet) ◆セッションゲスト 御徒町凧、さいとういんこ、高橋久美子、なのるなもない、猫道(猫道一家)、ハハノシキュウ、枡野浩一、宮尾節子 ◆DJ Naz Chris

    • 考え続け、書き続けるということについて│ひとりアドベントカレンダー#25

      小学5年生の頃の担任の先生が、毎日出していた宿題は「日記」ではなかった。先生はそのノートのことを「考えノート」と呼んだ。 「その日にあったことをただ書くのではなく、自分の『考えたこと』を書きなさい」 その日学校であったことでも、読んだ本でも、新聞記事の切り抜きでもいい。「あったこと」「読んだこと」だけでなく、自分が「考えたこと」を書く、というのが「考えノート」の条件だった。 私にはこの「考えノート」が随分はまったらしい。ただの日記や、当を得ない読書感想文のような、もっと

      • 非・酒飲みによる屁理屈飲み会論──「なんでお酒飲めるの?」とは訊かれない人たちへ──│ひとりアドベントカレンダー#24

        【おことわり1】今回は詭弁と屁理屈しか出てきません 【おことわり2】この文中に出てくる「酔っ払い」「酒飲み」は、私がこれまで出会った厄介な酒飲みをさしているのであって、アルコール飲料を嗜む人たちをおしなべて非難しているのではありません 非・酒飲みはいつも説明損私はお酒が飲めない。喘息に近い症状が出るので、飲むと危険だ。━━ということを、これまで何度の飲み会で早口で説明してきたか知れない。 それに引きかえ、「え~、なんでお酒飲めないのォ?」と訊いてきた当人たちは、だいたい酔

        • 痛快なバディムービーなんかじゃなかった──映画「最強のふたり」評──│ひとりアドベントカレンダー#23

          ※このnoteは、映画「最強のふたり」の内容にかなり踏み込んでいます。未見なのでネタバレを避けたい!という人は、また今度いらしてください。 ことし5月、遅まきながら映画『最強のふたり』(2011年・フランス)を映像系サブスクで鑑賞した。 パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として男に雇われた刑務所を出たばかりの黒人青年の交流を、笑いと涙を交えて描く実話がもとのドラマ。まったく共通点のない2人は衝突しあいながらも、やがて互いを受け入れ、友情を育

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        • 非・酒飲みによる屁理屈飲み会論──「なんでお酒飲めるの?」とは訊かれない人たちへ──│ひとりアドベントカレンダー#24

        • 痛快なバディムービーなんかじゃなかった──映画「最強のふたり」評──│ひとりアドベントカレンダー#23

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        記事

          高校演劇大会のラストシーンでやらかした話│ひとりアドベントカレンダー#22

          高校演劇の卒業生なんですここ数年、テレビやラジオで高校演劇が取り上げられる機会が増えているような気がする。香川県立丸亀高校の「フートボールの時間」が注目を集めたり、兵庫県立東播磨高校の「アルプススタンドのはしの方」が映画化されたり。 私がよく聴いているラジオ番組、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」でも、水曜パートナーの日比麻音子アナウンサーが高校演劇出身ということもあって、普段は政治報道でおなじみの澤田記者が高校演劇ガチ勢として特集に何度も登場している。 かく言う私

          高校演劇大会のラストシーンでやらかした話│ひとりアドベントカレンダー#22

          人んちの本棚が見たい!│ひとりアドベントカレンダー#21

          人んちの本棚、見たくないですか? 私は見たいです。 ▲京極夏彦の本棚とか(出典) ▲みうらじゅんの本棚とか(出典) いつ、どこで、どうしてその本を買ったのかというストーリーが、本の冊数だけ、いやそれ以上ある。一冊一冊しらみつぶしに訊いていけば、その人の人となりや物の見方、思考のくせがおのずと見えてくるだろう。しかもそのストーリーが必ずしも時系列順でなく、その人なりの分類で、あるいはものすごくてきとうに雑多に詰め込まれているのがいい。本棚はその人の脳みその外付けハードディ

          人んちの本棚が見たい!│ひとりアドベントカレンダー#21

          それは例えばブルーアイズでも、くちなし色の鋳物琺瑯鍋でも│ひとりアドベントカレンダー#20

          鍋・フライパンのスタメンを増強する年末年始はとことん家にこもろうと思っている。そうすると、例年通り、やることといえば、NETFLIXでまだ見れてない映画を見たり、まだ読めてない積ん読を消化したり、見て見ぬふりをしてきた場所を思い切って掃除するとか、そこそこいろいろある。が、殊、今年のわたしには「煮込み料理をつくる」という一大目標がある。 キッチンの調理道具といえば、「一人暮らしでそこそこ料理する人が最低限持っているアイテム」くらいだった。鍋・フライパン類はこの3つ。 ・和

          それは例えばブルーアイズでも、くちなし色の鋳物琺瑯鍋でも│ひとりアドベントカレンダー#20

          ゆるゆる詩歌遍歴の記 │ひとりアドベントカレンダー#19

          自分のTwitterアカウント、いつから使ってたっけ?と思ったら、2015年9月から使っていたらしい。確か、ネット歌会「うたの日」に参加していたころだ。 いま私のTwitterアカウントに接している人は、たしかポエトリーリーディングとかスポークンワーズとかだったと思うけど雑多なことばっか書いてるなこの人……くらいの認識だと思うし、実際私も自己認識がそういう感じになってきているので、いま一度ここでてきとうに自分の詩歌・文芸遍歴をまとめてみたいと思う。 百人一首を模倣する小学

          ゆるゆる詩歌遍歴の記 │ひとりアドベントカレンダー#19

          ピスタチオグリーンの永田町│ひとりアドベントカレンダー#18

          なんとしても短い昼間の日光を摂取しようと外出し、近所のコンビニにふらりと立ち寄ったところ、アイスクリーム「MOW」のピスタチオ味が売っていた。 物珍しさだけで買い、食べてみたら思ったより美味しかった。ピスタチオのフレーバーを楽しみながら思い出したのは、永田町・国立国会図書館の3F喫茶「ノースカフェ」である。 国立国会図書館といえば、「日本国内で出版されたすべての出版物を保存収集する図書館」として知られる、巨大図書館だ。歴史屋さんとしては、地方の図書館にしか置いていないよう

          ピスタチオグリーンの永田町│ひとりアドベントカレンダー#18

          あなたの仏像はどこから?【後編】│ひとりアドベントカレンダー#17

          あなたの仏像はどこから? の問いから始めたこのシリーズも、今回で一応完結である。前編・中編は以下よりどうぞ。 【中編】で触れた、小学5年生のときの家族旅行は2006年のことだった。今回は時が流れること13年、2019年の4月2日のことである。 難波に泊まったはずなのに2019年3月31日、暦の上では修士課程1年の最後の日、私は大阪・難波にいた。修士論文で取り上げたい史料が、難波のとある企業資料室にあるとの情報をキャッチし、一路東京から馳せ参じたのである。 難波滞在中にお

          あなたの仏像はどこから?【後編】│ひとりアドベントカレンダー#17

          あなたの仏像はどこから?【中編】│ひとりアドベントカレンダー#16

          ▼【前編】はこちらをどうぞ さて、「あなたの仏像はどこから?【前編】」では、私がすっかり仏像好きな子どもに育っていくようすを書いた。その続きが今回【中編】である。本当は前・後編の2回で書ききるつもりだったが、頭の中で構成をこねこねした結果、「どう考えても2回では無理」という結論に落ち着いた。 ということで中編をどうぞ。 いざ行かん奈良・京都へさて、両親から仏像の早期教育を受け、順当に仏像マニアの子どもに育った私だったが、小学5年生のとき、ある機会が訪れる。家族旅行で、奈

          あなたの仏像はどこから?【中編】│ひとりアドベントカレンダー#16

          あなたの仏像はどこから?【前編】│ひとりアドベントカレンダー#15

          あなたの仏像はどこから? 私は『奈良国宝仏めぐり』(講談社カルチャーブックス)と『仏像の見分け方』(新潮社とんぼの本)から。 血となり肉となる仏(ブツ)たち「風邪はひいても仏像はひかねえ」という人が世の大多数を占めると思うので、そもそも冒頭の問いが成立しないような気がするが、そんなことはどうでもいい。 幼少のみぎり、気づいたら実家の居間の本棚に『奈良国宝仏めぐり』(講談社カルチャーブックス)と『仏像の見分け方』(新潮社とんぼの本)があって、どうしてだかそれらが絵本と同じく

          あなたの仏像はどこから?【前編】│ひとりアドベントカレンダー#15

          壁新聞とかZINEとか良いよねという話│ひとりアドベントカレンダー#14

          ひとり壁新聞局小学生の頃は、一人で勝手に壁新聞を作って教室に貼っては、先生に叱られているような子どもだった。 特に小学5年生からは社会科に歴史が入ってくるので、その頃から歴史屋さん気取りだった私は、せっせと勝手に歴史新聞を制作していた。千利休にインタビューしてみたり、薩長同盟のスクープを入手してみたり。大化の改新を報じた新聞には飛鳥時代の乳製品「蘇」や「醍醐」の広告を掲載したりもした。平安時代の新聞なら牛車のレンタル業者とか。 紙か、デジタルか、紙とデジタルか一枚の紙を広

          壁新聞とかZINEとか良いよねという話│ひとりアドベントカレンダー#14

          西永福よ永遠なれ│ひとりアドベントカレンダー#13

          2014年3月下旬から2020年3月上旬まで、西永福に住んでいた。大学進学を機に上京してから、大学院修士課程をどうにか修了するまで丸6年、西永福の女子学生会館で面倒をみてもらった。住所でいうと東京都杉並区浜田山だが、最寄り駅は京王井の頭線の西永福駅である。 京王井の頭線は、渋谷~吉祥寺間を結ぶ、たった17駅・12.7kmの短い路線で、西永福駅はそのちょうど真ん中あたりに位置する。6年間通っていた東京大学駒場キャンパスまで、乗り換えなしで7駅で行ける。 駒場の思い出については

          西永福よ永遠なれ│ひとりアドベントカレンダー#13

          ガンダム素人は一つ目小僧がお好き│ひとりアドベントカレンダー#12

          【おことわり】 以下はガンダム素人による寝言です。真に受けないでください。 ガンプラことはじめ《機動戦士ガンダム》という一大コンテンツには全然詳しくないけれど、身の周りには、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツのプラモデル=ガンプラを作っている人が多かったので、ガンプラのことが気になっていた。なんで人はそんなにガンプラにはまるのか。本の虫が「積ん読」をするがごとくに、ガンプラマニアも「積みプラ」をしてまでガンプラを収集するらしいではないか。 ということで、物は試しと作っ

          ガンダム素人は一つ目小僧がお好き│ひとりアドベントカレンダー#12

          ヒップホップのすてきな三にんぐみ③RHYMESTER【後編】│ひとりアドベントカレンダー#11

          三人組とは何かと魅力的である。という能書きはすっ飛ばして早速始めようと思う。昨日の「ヒップホップのすてきな三にんぐみ」では、私がRHYMESTERを聴くに至るまでの話でうろうろしすぎて、本題に入りかけたところで終わってしまった。計画性のなさにもほどがある。 目下快進撃中のヒップホップユニットCreepy Nuts(R-指定&DJ松永)が、ラジオやテレビでRHYMESTERへの偏愛をこれでもかという勢いで語っている(※特にDJ松永)ので、もうわざわざ私がそのすごさを書くまでも

          ヒップホップのすてきな三にんぐみ③RHYMESTER【後編】│ひとりアドベントカレンダー#11