yasuaki_kato

ときどき本を作る人、ものを書く人。 不定期で、まんぷく堂で料理人をしています。 主に日…

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ときどき本を作る人、ものを書く人。 不定期で、まんぷく堂で料理人をしています。 主に日常のこと、食べること、猫のこと、旅のこと。

マガジン

  • まんぷく堂雑記 日々あれこれ

    猫と、植物と、走ったりすることなど、 日々思ったこと、感じたことを適当に。 日記です。

  • 旅の記憶

    これまでに行った旅の、土地のこと、考えたことなどをまとめています。時系列はバラバラです。思い出したままに書いています。

  • まんぷく堂の料理レシピ

    冷蔵庫にあるものを中心に、 平日の夜でも気楽に、簡単につくれる ちょっと気の利いた料理を中心に紹介します。 プロではないので、細かいことは気にせず、 ざっくりとした仕上がりを目指します。 調味料なども基本的には、お好み、適量です。 パスタ多めですが、パスタ以外もそれなりにつくります。

  • 日々の、弁当

    3年くらい前から、楽しく、手際よく、見栄えよくを意識しながら、 日々弁当をつくっています(毎日ではありません)。基本、朝、ちゃちゃっとつくるので、ゆでたまごとプチトマトはほぼデフォルト。

  • まんぷく堂の庭

    都内にあるまんぷく堂の、小さな庭の四季など。

最近の記事

身近な別世界を探しに

21回目の結婚記念日で、都内のホテルにきている。 隣接する大きな庭には小さな川が流れ、今の季節だと、夜になると蛍を見ることもできる。自宅からわりと近い場所にあるのに、こんなに自然を感じられるとはと少し驚きである。 宿泊している部屋はその庭に面していて、部屋のデスクからは、大きなガラス越しに美しい緑を眺めることができる。 なんとも贅沢な環境だ。 いつもこういう場所で作業ができたら、どんなに気持ち良いことだろう。 朝、庭を歩いてみた。樹齢500年の御神木など、大きな樹木が多数

    • 自分が切り取る世界

      フィルムで写真を撮り始めたのは2016年9月だから、約4年前のこと。 カメラの機種は、Hasselblad 500C。いまさら説明する必要はないとも思うが、1957年に販売が開始されたスウェーデン製の中判カメラで、いま使っているものも自分が生まれる前に製造されたものだ。 このカメラを知ったのは、2011年の震災のときだった。 地震発生の翌月4月中旬、建築家、カメラマンと現地に入って取材をしたのだが、そのときカメラマンが使っていたのが Hasselblad だった。 取材期

      • 中毒と習慣と

        仕事の区切りがついたので、珈琲屋に豆を買いに出かけた。 梅雨の中休みで、夏のような青空が広がっていた。 この珈琲屋で豆を買うようになって20年以上になる。豆の種類はいつも同じ、ボルカン・アスールの深入りだ。 コスタリカの農園で収穫されるボルカン・アスールは、独特な香りと優しい酸味があり、飽きることない。もちろん他の店でも豆を買うこともあるが、結局、続けてとなるとこの豆に落ち着く。朝起きて、これを飲むのが長年の習慣となっている。 それにしても、20年も同じものをほぼ毎日飲む

        • 補助線を引いてみる

          たしかに意識を向けているのだけれど、対象をつかみきれないことがある。 例えば、書きたいことがあってもうまく表現できないときや、事件や出来事にモヤモヤしているけどその原因がわからないとき、写真や絵を見てよくわかならないけど心がざわざわするときは、そんな状態だろう。 それで先に進めなくなったのなら、対象から少し意識をずらして、「補助線」を引いてみるといいかも知れない。 補助線とは、 幾何の問題を解く時、与えられた図形にないが、問題解決の助けとするために新たに描く直線、また

        身近な別世界を探しに

        マガジン

        • まんぷく堂雑記 日々あれこれ
          42本
        • 旅の記憶
          3本
        • まんぷく堂の料理レシピ
          12本
        • 日々の、弁当
          17本
        • まんぷく堂の庭
          1本

        記事

          過程も大事、という話

          先日、NHK BSプレミアム番組「魔改造の夜」を観た。 跳ね上げ式のトースターを改造して、焼き上がったパンをどこまで高く飛ばせるか競うという内容で、これがとてもよかった。 求められるている条件は、できるだけ高く飛ばすこと、飛ばされたパンは美味しそうに焼き上がっていることなど。それらの条件に対して、3つのチームが自分たちの知識、経験、技術を駆使して挑むというものである。 あらためて文字にしてみても実にバカバカしい。だが、そのバカバカしいことに、各チームはすごい熱量を持って挑ん

          過程も大事、という話

          世界の広さについて

          旅をしていると、何気のない風景に小さな感動を覚えることがある。 それを初めて感じたのは、30年ほど前に、山陰を旅行したときのことだった。 当てのない一人旅を終えて、翌日から広島で待つ友人と合流して屋久島を目指す計画になっていた。そのため、朝、島根県の江津市から今は廃止された三江線を使って、三次駅経由で広島に向かった。 島根から広島への道のりはやたらと長く、その日はたしか1日じゅう電車で移動していた。はじめは景色を楽しんでいたけど、似たような風景が続くことや、もともとが田舎育

          世界の広さについて

          サバのリゾット

          今回はリゾット。 みちのく潮風トレイルを歩いているときに購入した サバ缶(柚子胡椒オイル漬け)を使って作りました。 材料はこちら。 ■材料(4人前) ・ご飯:2合 ・サバ缶:1缶 ・ニンニク:1かけ ・玉ねぎ:1/2玉 ・マッシュルーム:3個 ・エリンギ:3本 ・柚子の皮(あれば):適量 ・水:適量 ・胡椒:適量 ・コンソメ:1/2個 ・オリーブオイル:適量 【調理時間の目安:15分程度】 鍋にオリーブオイルを敷き、 みじん切りにしたニンニクを入れ弱火で炒めます。 ニ

          サバのリゾット

          猫が教えてくれたこと

          窓から気持ちの良い風が吹いていて、 カーテンがゆらゆら揺れていて、 それをボーッと眺めていたら、 猫がやってきて、カーテンをじっと眺めていた。 どうやらカーテンが風で動く様に興味を持ったらしい。 「好奇心は猫を殺す(Curiosity killed the cat)」という イギリスの慣用句がある。 9生を持つ(故に、なかなか死なない)猫でさえ、 好奇心のために死ぬことがある。 ましてや人ならば、好奇心に持つことには注意しなければならない、 という意味だそうだ。 でも、と

          猫が教えてくれたこと

          ユスラウメの赤い実

          早いもので、5月が半分過ぎた。 玄関先のヤマアジサイは、紫色の小さな装飾花を開き、 つい最近まで小さかった青い梅の実は大きく膨らみ、 ほのかに紅色をさすものも見られるようになった。 ユスラウメも、今年はたくさんの赤い実をつけている。 この実を使って砂糖煮を作るのが、 毎年この季節の決まりごとだったが 昨年は不作で実がとれず、それが叶わなかった。 今年は2年ぶりに、 甘酸っぱい砂糖煮を楽しめそうである。 当たり前だが来月は6月で、1年の半分が終わることになる。 今年は色々

          ユスラウメの赤い実

          土地と記憶について

          生まれ育ったのは、地方のニュータウンだ。 どこを見ても同じような色・形をした 四角い団地が建ち並び、 玄関ドアもかろうじて階で色分けされているくらいの 違いしかなかった。 実際に、間違えて1階下の家の玄関を開けて、 ただいまと言ったものの 見慣れない室内の様子に慌てて、出て行ったことが何度かあった。 まだ、鍵などあまりかけられていない、平和な時代だなと思う。 そのおかげか、故郷というか、育った土地に対する意識が希薄だ。 戻りたいとも思わないし、懐かしいとも思わない。 だ

          土地と記憶について

          再び距離について

          どのくらい対象に向き合えているか。 それが大切なんだと思う。 例えば鳥について書く。 翼が茶色で、クチバシは長くて、 足は黄色で、尾は……。 こう書けば、なんとなく鳥がいることはわかるけど、 リアリティがなく、結局よく伝わらない。 例えば木を描く、幹があって枝が伸びて 葉がついていて、と描き上げると 確かに木なんだけど、どこか不自然な作り物のような姿になる。 そういうことだと思う。

          再び距離について

          距離について

          連休最後の日、一日デスクワークをして過ごす。 2件の同時並行をしている仕事だが、 どちらもメールでのやりとりがうまくいかない。 というか、お互いに共通する前提条件がないのに、 そのことを踏まえていないメールが送られてきても 理解できないことが多く、疲ればかりがたまる。 間合いというか、距離感というか難しい。 もっとも、この疲れた感じは、お互い様だろうけど。 夕方から雷がひどく鳴っている。 ただ光は届くけど、音が遅い。遠くでなっているのだろう。 光ってから音が届くまでのなんと

          距離について

          楽しいリスト

          最近、テイクアウトの料理をよく利用している。 何度も通っているお気に入りの店はもちろん、 せっかくならならば これまで気になっていたが利用できていなかった店の メニューにも、と出かける機会があれば、 色々と目配りして、チャレンジしている。 テイクアウトしたどの店のメニューも、 味付け、盛り付け、彩り、素材の組み合わせに それぞれの工夫があって、 急な対応ながらも、さすがプロだと感心させられる。 自分でも料理をするので、こうした工夫から学ぶことも多く、 少々不謹慎な物言いか

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          月が丸みを帯びていた

          最近、よく空を眺めている。 コロナ禍で、人の活動が制限された影響か、 気持ち澄んでいる気もする。 夕方、近所を歩いていたら、 綺麗な月が浮かんでいた。 つい最近まで細い弓状だったのに、 もう丸みを帯びていた。 毎日代わり映えのない生活をしていても 日々は確実に進んでいることを思いながら 人通りの少ない道を選びながら、どこに行くともなく 歩いていた。 気になっていたお店が開いていて、 テイクアウトができるとのことだったので、 夕ご飯を変更し、何品か買って帰った。

          月が丸みを帯びていた

          早起きの明

          朝を告げるシジュウカラのツピーツピーというさえずりと、 外猫の気配を感じた猫たちの慌ただしく行き来する物音で、 思いのほか早くに起きることになった。 昨晩少しお酒を飲み過ぎたので 遅くまで寝ているつもりだったけど、 せっかくは早起きしたのだから、 のんびりランニングすることにした。 さすがに5時を少し過ぎたばかりの都内の日曜の朝。 人の姿も走る車もまばらで、 中野正貴の写真集『Tokyo Nobody』が思い出された。 江戸川橋から神田川を越え 護国寺を抜けて、目白方面

          早起きの明

          きっかけなんて、なんでもいいかも

          久しぶりにnoteを書くことにした。 今日は5月2日、土曜日。 区切りを考えれば、昨日のほうが分かりやすいし(月初め)、 もしかしたら明日のほうが、今日よりも スタートに適しているかもしれない(週頭)。 でも、今日から書き始めることにした。 はっきりとした理由はない。何かがあったわけでもない。 ただ良い天気だったので、 庭にテントを張って、仕事をしたりコーヒーを飲んだり、 本を読んで過ごしていただけだ。 そして夕方に、突然、書いてみようと思った。 ただそれだけだ。 こ

          きっかけなんて、なんでもいいかも