見出し画像

全然、問題ないとか。


  (約1,000字)

世界に「自分ひとり」居なくたって、

ただ今日という1日のこの国における人口が、統計上、1人減るだけ。

広義の意味では、地球上の人口が、統計上、1人減るだけ。


私のきょうだい、
両親、
介護を一緒にやった叔母さん、
仲のいい友達の数人、
甥っ子、姪っ子、
その両手いっぱいくらいの人たちは、
数時間〜1週間くらい、
または、
親とか私をすごく好きな天然記念物の人くらいは、もうちょっと長い時間、
未来に悲しんでくれるかもしれない。

いや、もしかしたら、

あまりに突然のことで、

呆気に取られてるうちに泣きもしないで、

私がお墓に入るときも、平然、だったりして。

喪服のスーツの行列に出くわす私は、

足がない状態で、

「皆さーん、涙を流していいとこですよ〜」

なんて幽霊で泣くのを催促したりして。


死んでまで、お願いキャラなんだろうか。


ある友達と久しぶりに話して、私の現状を大笑いされて、あんまり酷いから、

「やだぁ、またなの?じゃあ、来年にしよう、落ち着いてから会おうよ」

って、約束は先送りになってしまった。

シングルマザーの彼女は、ハツラツとしてるけど、難しい病気を持っている。

素敵で、いつも明るく、笑ったところしか見たことがない。

本当は、インフルエンザで小学生の息子さんのクラスが学級閉鎖で、それどころじゃないらしい。

「熱があるのに、仕事、行ってんの?」

と聞く。

「そりゃそうだよ。大学まで、行かせてやりたいもん。休んじゃいられないよ」

また、端正な顔して笑ってるんだな。

マッチングアプリに登録したら、すぐ釣れそうなのに、って冗談を言ったら、

そんなことしてる時間が勿体無いみたい。

カッコいいなぁ、彼女みたいな人が、
幸せにならなきゃダメなのに。

隣の県の癌封じの神社の名前をメールすること、お祓いをしてから又、連絡をちょうだい、と約束して、電話を切った。

「一人息子のために、あたし、長生きしたいんだよ」って笑う。

「ねぇ、長生きし過ぎると、息子さんの迷惑になるかもよ。100歳は、キツいでしょ」

私も、大笑い。

彼女の優しさが、私を元気にする。

息子さんの成長を、私は写真でしか知らないけれど、お母さんを守れる男性になりそうだ。

大切な人を守る背中は、いつも翼でもついていそうで。
フットワークは軽く、同じような強さのひとを呼んでくる。

年が明けたら、彼女の大切な友達と一緒にご飯を食べる約束をした。

出会いが私を強くする。

人生に無駄な人間関係なんてなくて、
成長するためのハードルは、沢山、用意されているんだろう。




星乃珈琲店で次回作品を練る夕方


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?