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⛩ 神社を目指す ①


たった一日の出来事ですが、出会いやら、トホホやら、じんわりやら、楽しい旅になったので、何回かに分けてお届けします。 
               (1950字)

直接、病気の名前を書くと、ドン引かれる方が多いかもしれないので、『◯◯封じの旅』とします。
(もう◯◯にする意味がないかもしれませんが‥‥)

静岡県内にも◯◯封じの神社はありますが、今回は隣りの県に足を運んでみました。

山梨県か、神奈川県か、を迷いました。
静岡市からですと、◯◯で有名な神社は、

山梨県の「差出磯大嶽山(さしでのいそだいたけさん)神社」は、距離が84km、公共交通機関でかかる時間は3時間13分です。

神奈川県の「鶴嶺(つるみね)八幡宮」の末社である「淡島神社」は、距離が100km、公共交通機関でかかる時間は、2時間54分です。

距離は、断然、山梨県の神社の方が近いのですが、公共交通機関を使うと約20分間、所要時間が余分にかかります。
それで、神奈川県茅ヶ崎市の神社にしました。

そして、

◇『◯◯封じ』のご利益について◇

ご祭神の「少彦名命(すくなひこなのみこと)」が医薬や病気平癒の神であるご神徳を象徴するものとして、社殿横に霊石「◯◯封じ石」があります。

「◯◯封じ石」は、◯◯をはじめ難病を封じるといわれていて、病に効果があるパワースポットとして人気です。

淡島神社の右手にあります

また、子授け・安産・婦人病平癒などにご利益があるとされ、女性の守護神として崇められています。

そして、この石、一つだけじゃないのです。
場所は違うのですが、「神明大神宮」という神社が同じ茅ヶ崎市内にありまして、この兄弟石🪨があります。

両方とも、参拝して神様にご挨拶したあと、「祓え給へ、清め給へ」と3回唱えながら、お守りを「◯◯封じ石」と体の悪い箇所を交互にさすり祈願すると、良いとのこと。

住所は、以下のとおり。

「鶴嶺八幡宮/淡島神社」
神奈川県茅ヶ崎市浜之郷462

「神明大神宮」 
神奈川県茅ヶ崎市円蔵2282

私は、両方の神社に祈願してきました。

静岡から、新幹線🚅(N700系)で
9時57分発 →   小田原駅 10時42分着
東海道線🚃上野東京ライン 高崎行き
10時54分発 →  茅ヶ崎駅 11時19分着

茅ヶ崎駅から、鶴嶺八幡宮
 徒歩 1.7km  約24分

そんな旅路で、ようやく茅ヶ崎市に到着。

ランチを食べた駅ビル「ラスカ」
歩道橋で移動する眺めのいい駅周辺

意気揚々と地図アプリを使いながら歩くこと10分。

梅田通りの交差点で、声を掛けられた。

「この先は何があるんですか」
軽装で中肉中背の男性だった。

「あ、私、旅行者なんで、地元の人じゃないから、詳しくないんです」
と言うと、その人は右手を胸のあたりで立てて、済まない、と謝罪のサインをされた。

「でも、地図アプリがあるから、場所を教えてもらえば方向は分かりますよ」
と続けた。
知らない人から声を掛けられることには慣れているので、反対に聞いてみた。

「あぁ、家は隣りの平塚市なんだよ。移動するとき、ずっと歩きなの」
と白髪の男性は言って、青に変わった交差点を一緒に歩き出した。

「東京でね、今日は会合があって、家まで歩いてるの」
と言いながら、シルバー人材センターのパンフレットを見せてくださって、笑っていた。

聞くと、82歳でボランティアでもいいから働きたいという。ホテルオークラで長く働いていた方で、酒飲みだから免許を取らないで移動はいつも徒歩だという。
「危ないでしょ、お酒好きで、車の移動」
と、おかしそうな表情で話す。
私の父が81歳で働いている、と話すと、楽しい話を始められた。若い頃、バブルの時代は働きまくって納税を100万円した、その頃はホテルに泊まる客が7割外国人で、チップをしこたまもらった、という。

景気がいい話しは、面白かった。
私は就職氷河期から社会人が始まって、不景気な世の中しか知らない。
高校生ブームが始まるときに高校生を卒業した残念な世代だ。

名前を知らないその人は、2人の娘さんがいて、愛媛県に嫁いでしまい、奥さんは54歳で亡くなったから、ずっと一人でいるそうだ。
奥さんは、肺がんで亡くなったと話された。

私が目指して行く鶴嶺八幡宮をご存知だった。

奥さんより若い年の私が、楽しい話の中で、同じような病気にかかっているとは言えなかった。

ちょうど細い道に入る道案内のアプリに救われた。
「じゃあ、私はこちらの道なので、気をつけて」
ニコニコしながら手を振って別れた。

健脚な方だ。
82歳の人の歩き方とは思えない後ろ姿だった。

私は、寄り道をして予定より時間はかけたが、
そのご老人のおかげで、
20分間ほど時間を             
忘れて楽しく歩いたのだった。

               〈つづく〉

鶴嶺八幡宮の参道




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