「hanataba」
(約500字)
最後の私信は書くつもりはありませんでした
あれは親類でも知らない人がいるかもしれない
文章の中の本音と嘘のジレンマが読めたから
私信は本音だけ
誤算だったのは、天邪鬼のやり方で
時々、あなたが正直者だったこと
私だったら、絶対に反対のことをしたのに
ダークヒーローの結末くらいにしか思っていなかったから、迷いがあって
少しだけ変えたのでしょう
ちゃんと あのときに話せばよかった
「忙しい」のは口実だと分かっていたけれど
、現実に向き合うのが怖いのだろうと推測していました
私は祖父母から、黙することを学び
家族から我慢することを教わり、
本から想像することを知り、
自ら創り出す知識を得た
これからは
あなたには読まれないところで書きます
事実は変えることは出来ないから、小説の中でだけ自由になり
もらった言葉は私が本音だと思うところだけ抱えて記憶しておきます
人生は自分の思い通りにはいかない
取り繕ったところで、その場かぎり
事実はあれだけではないけれど
キャパシティを超えてしまっているようですから、黙します
私からはもう公に言葉を差し上げることはありません
私には言葉が花束です
感謝しています
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