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HONDA GB400TT 手に入れたかった

新しくMac miniを導入したので、いろいろいじっていた。すると、pagesの中に2015年に副担任を勤めたクラスの「“裏”学級通信」が残っていることに気づいた。

学級通信とは
・クラス担任が、生徒(保護者)に向けて発行する手紙。
・内容は、1ヶ月の予定であったり、クラスの生徒のちょっといい話の紹介だったり、担任の思いであったり、様式自由。

“裏”学級通信とは
・担任発行の学級通信は“表”。
・副担任発行の通信は“裏”。
と私が勝手に位置づけて発行した。

それらを懐かしく読み返してみた。
noteを始めた時、過去を振り返って原点を思い出す、というテーマを立てたので、ちょうど良いと思いアップする。

“裏”なので、特に生徒に役立つ情報ではない。ただの私の自己満足であるが、数号の裏通信の発行で、副担任はこんな人間なんだというのは伝わった(と思いたい)。


2015年4月27日発行。
タイトルは「再会」。

昨日の夕暮れ。私は金色に光輝く道を車で走っていた。

頻繁に通る道沿いに全国チェーンのバイク屋さんがある。大抵数台のバイクが外に展示してあるが、普段は特に気にも留めないし、サッと横目で見ることもしない。日常の景色の1つである。

ただ、昨日は違った。横をとおり過ぎようとしたその瞬間、1台のバイクが私の眼に入った。いや、入ってきた。まるでそのバイクがオーラを出して、アピールしてきたようだった。

そのバイクの車種名は「HONDA GB400 Mk.Ⅱ」。
1985年式。ちょうど30年前に作られたものである。

中古バイク屋は、できるだけ走行距離が少なく、高年式のものを主に取り扱う。そりゃそうだ、余程のマニアでなければ、わざわざすぐに故障する予想ができる古いバイクは買わない。だから古いバイクはほとんど扱わない。

「ルームミラーで後ろを確認」
「左サイドミラーで後ろを確認」
「目視で後ろを確認」
「左に曲がるウインカーを出す」
「ハンドルを左にまわし」、「店の敷地へ入った」
(この一連の動きにかかった時間は約0.08秒)。

で、車を降りて近くまで行き、マジマジと観た。総走行距離は8万kmちょっと。

この距離を走った中古車は、おそらくだれも買わない。ましてや30年前のものだし。長くは乗れないだろう。しかし、車体はピカピカ。ざっと観たところサビもない。もしかして、エンジンやギヤボックスはすべてオーバーホール(分解整備)済みかもしれない。

とかなんだか考えながら熱い視線を注いでいると、店のニイチャンがやってきた。

私 : よくこんなのが入って(入荷)きましたね。

店員ニイチャン : でしょう!もうほとんど存在してないバイクですよ

私:大学時代、これの500cc版に乗ってたんですよ

店員ニイチャン:(目つきが鋭くなり)ということは、これがどんなものかご存知ですよね。これは前のオーナーさんが室内保管して大事にしてたバイクです。

私:そうでしょうね〜。見ただけで、どんな保管がされてきたのかが分かります

店員ニイチャン:(真剣な表情で)エンジンかけてみますか?

私:お願いします。

「ブルルン、ドルンドルンドルンドルン、ドッドッドドドドドドドド・・・・・・・・」

私の心臓も大きく動き始めた。                   
[次回に続く]


この4月27日発行のものは以上である。
通信的には次号は「買っちゃいましたー!」がいいのだろうけど、買わなかった(買えなかった。)

あれこれ悩んで、もう一度バイク屋に見に行ったら、すでに売れてしまっていたのである。
マニアに先を越されてしまった。
残念!縁がなかった。

「即決即断」「熟考」。
両極端だがどっちも大切。

しかし、今振り返ると、この時の私に求められていたのは「即決即断」だった・・・。

↓6年前に実際に配布したもの。

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