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【サイボーグ009】004の話をしよう

ボンチノタミ、ジョーカーです。

石ノ森章太郎先生の代表作のひとつ『サイボーグ009』ご存知でしょうか。
1960年代に描かれたSF漫画でありながら、昭和・平成と経て令和の今もなお愛され、何度も映像化もされている傑作です。

仮面ライダー』やスーパー戦隊シリーズ(特に『ジャッカー電撃隊』)などにも見られる、望まざる力を手に入れたサイボーグの悲哀や、人間と機械の狭間で正義とは何かと問い続ける主人公たちの葛藤。最高だよね。

わたしはこの作品に登場する004/アルベルト・ハインリヒが好きなのでその話をします。

昔自分で描いたやつ

※基本的に平成版アニメをリアタイしてハマった人間で、そこから原作漫画を読んだ程度の知識しかありません。しかもそれも随分と昔のことなので記憶を頼りに書いています。あしからず。

『サイボーグ009』ってそもそも何?

タイトルは聞いたことあるけどよく知らん、という方もいらっしゃると思うのでまずは『サイボーグ009』について簡単に紹介します。
004も好きなんですが、そもそもこの作品自体が好きでどのキャラクターも好きなので、まずはそこから話させてくれ。簡潔に話すから。

めちゃくちゃ簡潔に言うと、悪の組織に改造されサイボーグとなった主人公たちが、正義のためにその悪の組織と戦う、という話です。
そのサイボーグたちが9人。ゼロゼロナンバーサイボーグと呼ばれ、001(ゼロゼロワン)から009(ゼロゼロナイン)まで、それぞれがサイボーグとしてあらゆる能力を備えています。
みんないろいろな事情があってさらわれたり死にそうになったところを拾われたりして勝手にサイボーグに改造されてしまいました。

001(イワン・ウイスキー)
ロシア出身の赤ん坊。天才的な頭脳を持ち、超能力が使える。赤ん坊なので基本的に誰かに抱っこしてもらわないと動けない。

002(ジェット・リンク)
アメリカ出身の元不良少年。足にジェットがついており空を飛ぶことができる。009より性能は劣るが加速装置も使える。

003(フランソワーズ・アルヌール)
フランス出身、元はバレリーナを目指していた少女。9人の中の紅一点。視力や聴覚が超強化されており、索敵能力に長けている。

004(アルベルト・ハインリヒ)
ドイツ出身。全身武器人間。ニヒルな皮肉屋。詳細は後程。

005(ジェロニモ・ジュニア)
ネイティブアメリカンで、体が大きく心根が優しい巨漢。その体躯に相応しい怪力と、鋼鉄の体の持ち主。

006(張々湖)(チャンチャンコ)
中国出身の元料理人。口から炎を吐くことができる。カタコトの日本語で、語尾に「アル」がつくなど喋り方が特徴的。

007(グレート・ブリテン)
イギリス出身の元俳優。ヘソのボタンを押して細胞を自由に変化させ、何にでも変装(変身)できる。

008(ピュンマ)
アフリカ出身の少年で、水中での活動能力を強化されている。地上での戦闘もさることながら、水中でその真価を発揮する。

009(島村ジョー)
主人公。日本出身。8人のゼロゼロナンバーサイボーグたちのノウハウを詰め込んだ、9人の中で最も高性能なサイボーグ。奥歯の加速装置によって超高速で移動が可能。

このほか、0010以降も敵として登場するサイボーグがいます。兄弟とか円盤とか家とか。0013のことを思い出すと悲しいからもうその話はやめてくれ。

全身武器人間の悲哀

上記の通り、各人がそれぞれあらゆる改造を施されているんですが、その中でわたしがいちばん好きな004は全身武器人間、という能力特化でも何でもない、ただの物騒な人型兵器にされています。
さらにあだ名は『死神』です。

手からマシンガンは撃てるしレーザーナイフは出せるし指も飛ばせるし膝からミサイルも出るし、とにかく体のすべてが武器です。死神です。

というのも、彼は悪の組織ことブラックゴーストにさらわれた際、事故で重傷を負っていたことから、体のほぼ全てを機械に改造されました。
生身の部分は生命維持に必要な最低限しか残っておらず、9人の中でももっとも機械に近いサイボーグと言えます。

その強さがあるゆえに、強すぎるからこそ、人の心だけは忘れてはいけない。それを忘れたら本当にただの兵器になってしまう。
そういうことを常に表に出すようなタイプではないですが、戦闘のプロフェッショナルである彼の根底にはそういうものがあり、それを垣間見せるというのがまた魅力的です。

機械の体に愛着がありながらも、機械というものを信用しきっているわけでもなく、生身の体や人間の心というものにも執着がある、そんな相反する感情を内包していながら、普段は冷静に戦闘に臨む姿勢がかっこよくてちょっと危うくてめっちゃ好き。

垣間見える愛情深さ

前述したように、004は事故で重傷を負ったところを拉致され、改造されました。
じゃあその事故ってどんな事故だったの?というと、まず、彼は東ドイツ出身者なんですね。当時ヒルダという婚約者がおり、ふたりで西側に亡命しようとして失敗してしまうのです。
婚約者は死亡、自身は事故で重傷を負って、そのままブラックゴーストにさらわれてしまうわけですよ。ああー。
この辺の時代背景は、当時ならではですね。他のキャラクターたちにも、今では描かれないだろうな、というような様々なバックグラウンドがあります。それで第一世代という概念ができたんだな。

最愛の人を失っていることもあって、そういうことの機微には敏感です。クールでニヒルに見えて、人の愛情を大切に想う心がある、ああもうそういうところだよ。そういうところなんですよ。

そういう経緯があるからなのかわかりませんが、女性キャラクターとの恋愛エピソード的なものも出てきます。(なお、003とは全くそういうのはありません)
実際、クールでニヒルな皮肉屋を気取っておいて、すごく愛情深い人物なんですよね。優しいし、誰かのためにも自分のためにも感情的になれるし、懐に入った相手に対してはすごく心を許すというか、大切にする心を持っている。
割りと真顔で冗談を言ったりするかわいいところもあるしね。好き。

完全に個人的ツボ

そもそもサイボーグの悲哀って大好きだしそういうものを描かせたら石ノ森先生の右に出る者はいないのでは? くらいに思っているから最高だし、なんなら『サイボーグ009』自体がそういう大好きなアレの宝庫なので超好きに決まってるし、そこでさらに全身武器人間とかいう最高キャラクターが存在しているのが本当に本当にありがたいんですよ。

基本的におっさんというか大人ポジだし、普段はみんなのお兄さんというよりお父さんでは? くらいのポジションにいて、戦闘においては特にプロフェッショナルな姿も見せてくれて、クールで、冷静で、ニヒルで、皮肉屋で、でも本当は愛情深くて感情的で誰よりも人間くさくて、ジョークも言って、そういうアンビバレンスを内包していることも自分でわかっていて、危うくもありながら、きちんと自身の意思で戦っている姿勢、本当にわたしの好みでしかない。

あと、第一世代設定も好きなんですよね。001~004までの。あれのおかげでまたいろいろこう、ドラマが生まれるし、さらに残酷になるし。
あと、これのおかげでわたしの世代でも見やすかったのかもしれないな。

ちなみに、大学の第二外国語選択でドイツ語を選んだのも004の影響がかなり大きいです。というかほぼそれで選んでいます、だって他に特に選ぶ理由が見つからなかったから……せっかくなら好きなキャラクターの母国の言語学びたいじゃん。本編でもダンケシェーンて言ってたし。じゃがいもむいてたし。

あと顔が良~~~!!!
機械目三白眼~~~鷲鼻~~~表情に乏しいのに笑うと優しい顔になるの本当に好きぃーーー。

平成版アニメ『サイボーグ009』

無料公開中です!
期間限定でYouTubeで視聴可能です!

こちらは平成版、まさにわたしがリアルタイムで視聴していて『サイボーグ009』を知るきっかけとなった作品です。
004の声は飛田展男さんです!めちゃくちゃ渋いし優しいし本当にかっこいのでぜひご覧ください。

まずは5話までご覧ください
5話で004の魅力は大体わかると思いますので。
わたしは当時の録画など含めてかなりの回数見ていますが、まあ何度見てもいいよね。ヒルダ。
チェーンくわえて指輪で引き金引くところ、ありえんくらいエモい。

そして今後公開になると思いますが、ぜひ32話『機々械々』をご覧いただきたい。
004そっくりの兵器人間が現れるんですけど、人間的な部分が残っていたからこそ勝てる、という、まさに004だねっていうエピソードなので。
これも何回も見てる。好き。

もちろん原作も読んでいますし、他のアニメーション作品も見てはいるのですが、わたしの原点はこの平成版アニメ作品なので、どうしてもこの作品準拠になってしまいます。
でもどれもいいんだよ004は。どの004も好きだよ。でもやっぱり平成版アニメがいちばん印象深いし自分のなかに残っているんですよね。

当時まだ10代だったわたしが、父親の「009新しいのやるのか、懐かしい」につられて一緒に観始めたことがきっかけでした。
まさかあれから図書館で原作漫画を見つけて読みふけることになるとは思わなかったし、大人になった今、自分が平成版無料公開を「懐かしい」と思いながら見ることになるとは思わなかったです。

004はもちろんなんですが、どのキャラクターも魅力的なのでぜひご覧ください。

004/アルベルト・ハインリヒを、よろしくお願いします。


2023/5/17追記

『サイボーグ009』と004について語り足りなかったので平ゼロの好きなエピソードと004の話をまた書きました。
あわせてどうぞ。

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