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フリーレンもメーテルも永遠の旅人だった

アニメ葬送のフリーレン最終話のあとに流れてきた公式Xの投稿に驚いた。フリーレンがトランクを持って立ち去る姿が、まるでメーテルなのである。

フリーレンもメーテルも、人間にすれば気の遠くなるような時間を旅していた。多くの人間とすれ違ってきただろう。しかし、彼女たちがふと立ち止まって考えるのは、他の誰でもないヒンメルと鉄郎のこと。

葬送のフリーレンも銀河鉄道999も、永遠の命ではなく限りある命の尊さがテーマである。死んだからといって終わりではない。意志が引き継がれ、誰かの心のなかに生きていくことが永遠の命なのだ。

フリーレンはヒンメルの死後に、メーテルは鉄郎との旅の別れで涙を流す。取り戻せなくなってはじめて、相手の大切さを思い知る。命の長さでは測れない人間の尊さ。

葬送のフリーレンが魔王を倒した後の後日談からはじまるように、銀河鉄道999もメーテルとの旅を終えてからの鉄郎の成長に期待が集められる。前者はフリーレンの目線で、後者は鉄郎の目線で描かれているが、共通しているのは人間が中心の物語ということだ。

私は、読者(視聴者)が困難に直面したとき、フリーレンやメーテルがどのように解決するのかではなく、ヒンメルや鉄郎ならどう立ち向かうかを考える。

例えば、震災があったときどんな魔法があれば助かるのか。たぶん、フリーレンなら大がかりな魔法は使わないだろう。人間の人生や世界を過去から大きく変えるようなことはせずに、花畑を出す魔法を使って生きている人の心を和ませてくれるに違いない。一見役に立たないように見えても、必ず人は立ち上がる。

どちらも人知を超えた魔法使いや魔女の力よりもは、人間の生き方が大切に感じられる作品だ。いつまでも心に残る作品に出会えて本当に幸せに思う。

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