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音上ミーミンと砂端燕の共通点と相違点

初めに

PPPPPPと対世界魔法少女つばめという漫画をご存知だろうか。前者はかつて週刊少年ジャンプに連載され、後者は今現在少年ジャンプ+で連載されている、どちら共ジャンプ系列の作品であり、またどちらの作品もマポロ3号氏による作品である。
どちらの作品も正式名称が長い為、この記事では前者をピピピ、後者をまほつばと呼ぶ。この二つの作品は同一作者の連載作品の為ファンの中で比較にされやすい。その中でもある二人のキャラクターが比較にだされる事が多かった。
それがタイトルにもある音上ミーミンと砂端燕だ。今回は二人の共通点、相違点を解説しようと思う。

簡単なキャラクター紹介

音上ミーミン
・ピピピの主要人物。天才ピアニスト一家音上家の七つ子の長女。主人公の唯一の女兄弟。
砂端燕
・まほつばの主人公。魔法少女を夢見る高校二年生。ある事がきっかけで本当に魔法少女になる。

共通点

まず前提として作者であるマポロ3号氏の作品内のキャラクターは他作品とも比べても突飛な人物が多い事を理解して欲しい。その中でも彼女達は作品内で自由人として描かれている。
彼女達の共通点として最もあがるものといえばズバリ性格であろう。両者共「天真爛漫で自由奔放な空想家」である事である。

ピピピ単行本2巻より引用

ミーミンは天才ピアニスト一家のお嬢様であるが、その実態は「ピアニストである父親の手を噛む」「コンサートでハチャメチャな演奏をする」を行う破天荒な少女なのだ。また彼女の行動指針は「自身が生み出した妖精と一緒に居る事」であり、それもまた年不相応な幼さが見える。(しかし彼女の場合作品内の異能「ファンタジー」を扱える事もあって一概に幼いとは言いきれないのだが)

マポロ3号氏X(旧Twitter)より引用

一方つばめはお嬢様のミーミンと比べると一般の出(現時点の情報だと彼女の家庭事情も中々に複雑だが)にも関わらず、ぶっ飛んだものである。高校二年生にも関わらず進路希望調査に魔法少女と書いたり(一応第三希望に就職と書いている)、初対面の女性にババーと発言するなど破天荒である。
また二人共普段は軽い中性口調(女性言葉よりか中性言葉よりかは分かれるが)で喋りながらも驚いたり怒った際は口調が極端に乱暴になる他、二人共ロングヘアーで作劇中白のロングドレスを着る事が多かったり、能力(じみた力)を発現する際瞳が変化する事も共通点であろう。

自分で描いたもの↑

相違点

ここまで音上ミーミンと砂端燕の共通点を語っていたが、実の所ファンが二人の事を比較していたのも初期も初期で、今現在はあまり比較されていない。むしろこの二人は相違点の方が多かったりする。
結論を言うと二人はそれぞれの個性を持った別人物である。
砂端燕は音上ミーミンほど突飛じゃないし、音上ミーミンは砂端燕ほど達観していない。

ピピピ3巻表紙より引用

まず前述に上げた共通点である性格だが、似通っている部分こそ多いも、まったくの別物である。
ミーミンは箱庭育ちな事も相まって、世間知らずでわがままな面が多い。作品内でも表現されているがその様はまるでお姫様のよう。彼女の自由奔放の源はそこから来ている。
一方のつばめと言うと彼女の育ってきた環境はミーミンとは真逆だ。二人共可愛がられて生きてきたと言う点は似通っているが、ミーミンがお姫様と例えるなら燕はペット。ミーミンが揺るがない上の立場で愛されていた反面、燕は不安定な下の立場で可愛がるとは名ばかりで常に見下されていた。そんな立場に居たからこそ、置かれている環境の中楽しく過ごそうという彼女の意思が自由奔放な性格を作りだしたのだ。そういう彼女はある意味では早熟しており、幼稚な面が見られるミーミンとは対照的だ。

まほつば2話扉絵より引用

容姿も正反対な部分が多い。
ミーミンはモデル並の高身長で、成熟した女性を思わせるグラマラスな体つきに対して、燕は低身長で小柄、幼子を彷彿とさせる肉体だ。ここにも「お姫様」と「ペット」という要素を感じさせる。顔つきも絵柄の都合上分かりにくいがミーミンが大人っぽさをどことなく感じられる顔立ちに対し、燕は愛らしさ、幼さを押し出した顔立ちになっている。
仕草や言葉遣いにも注目してみよう。ミーミンは裕福な家の育ちと膨大な才能故、無邪気なキャラクターながらも、堂々とした、女性的な振る舞いが多く、仕草一つとっても優雅で気品を感じられる。言葉遣いも普段は伸ばし棒がついた子供っぽい台詞回しが多いが、時折自身の誇り高さを強調する様な台詞回しをするのもまた素晴らしい。逆に燕は世間的に見るとあまり恵まれなかった育ちとリアルの女子高生というキャラクターから、江戸っ子的な印象を受け、育ちの良さを感じさせない、野性的な仕草や言葉遣いが多く、それは何処か少年じみてもいる。その少年らしさがある意味では少年ジャンプ系列の作品の主人公としてのらしさを強調させてるのかも知れない。
また当たり前だが作品内の役割も違う。
ミーミンはピピピの中ボス的立ち位置ながらもヒロインであるのに対し、燕は名の通りまほつばの主人公である。その立ち位置こそがミーミンの女性らしさ、燕は少年らしさをプラスした要因の一つかもしれない。
ミーミンは物語の軸である主人公によって心情が変化する受動的なキャラに対して、つばめは軸そのものであり周りを引っ張っていく能動的なキャラクターだ。

最後に

先程も申したが音上ミーミンと砂端燕はそれぞれの個性を持った別人物である。最初はマポロ3号氏の作風により、似たようなイメージを持ったかも知れない。しかし現在はそれぞれが独自の魅力を持ってファンに愛されているのだ。


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