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〈数学〉クルーズ船の集団感染の広がりから読み解く新型肺炎のおそろしさ

新型コロナウイルスの集団感染が起きている大型クルーズ船で、新たにおよそ60人の感染が確認されたことがわかりました。クルーズ船の感染者は、あわせておよそ130人に達することになります。
(TBSニュース2020年2月10日13:11)

まずは何より、クルーズ船の方々の少しでも早い回復と不安からの解放を願います。

ところで、クルーズ内での患者がおよそ130人に達したということは何次感染までいったのだろうかと計算してみようと思った。

世界中に感染が広がりつつある新型コロナウイルスによる肺炎について、中国疾病対策センターなどのグループは、感染から発症までは平均5・2日、原因ウイルスが1人の患者から平均2・2人に広がっていると見積もった。29日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで発表した。
(朝日新聞デジタル2020年1月30日)

上記記事から、コロナウイルスの患者が1人だけ乗船していたとして、何次感染で130人に近づくのか計算してみよう。

1人の患者から平均2.2人に感染する(1次感染)。その2.2人からさらに2.2人に感染すると、2次感染する人数はおよそ

1×2.2×2.2=4.84(人)

同様にして、次々に2.2倍していくと…

1×2.2×2.2×2.2×2.2×2.2×2.2=113(人)
(小数第1位を四捨五入、以下同様)

さらに2.2倍すると、約249人になって130人を大幅に超えてしまうので、ここまでにしておこう。

1(人目)から2.2を6回かけたのだから、およそ6次感染までいったことになる。

もちろん簡略化した設定のもとからであるが、クルーズ側だって乗客の安全を第一に考えていたであろう中でのことであるから、やはりコロナウイルスの脅威を感じずにはいられない。

〈世界の全人口にまで広がるとすると…〉

ちなみに、純粋に計算上の疑問として、全世界の人口に匹敵するほど感染が広がるには何次感染までいくのか計算すると、2.2の28乗(28回かける)が約39億で、29乗が約85億であり、世界の人口は約77億(2019年、国連)であるため、全人口にまで広まったとすると28~29次感染したことになる。(初めのウイルス1つが28人目に到達した頃には世界の全人口が患者になったことになる。)この28を少ないと感じられるとすれば、それがるい乗(同じ数を何度かかける計算)の力を身につけたウイルスというものの脅威であるように思う。

〈最後に〉

拙稿では、純粋な計算上の興味に基づいて、なるべくそれに関わっている方々への配慮を心がけ、その感染の広がりを検証しています。もし、関係する方を傷つけたり不安をあおるように感じられた場合は、本意ではないので削除など対応いたします。

繰り返しになりますが、新型肺炎にかかってしまった方々の少しでも早い回復と不安からの解放を願っております。

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