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2/27 BBC Business Daily Coronavirus: Fake news goes viral を解説してみた

Business Daily of BBC World Serviceは良いぞ

BBC World ServiceのBusiness Dailyというラジオ番組。毎回20分以内で終わり、内容は世界経済を中心に、色んなトピックがよくまとまっていて面白い。英語のレベルも、頑張るとようやく理解できるくらいの、私にとってちょうど良いものです。テレビをほとんど見ないので、情報源として普通に重宝しています。

コロナウイルスがどんどん世界規模の話題になり、時事ネタをまとめておくことはそれなりに価値があるのではないかと思ったため、コロナ関連の回を英語中心に解説してみました。このnoteを読んでからラジオの音声をもう一度聞くと、驚くほど内容が入ってくる、そんな記事を目指して書きました。しかし…時間がどんどん溶けていって死ぬかと思いました、もう同じ形式ではやりたくありません。笑
※誤りもあると思うので、見つけたらどんどん指摘してください。

音源はこちらの公式サイトから再生もダウンロードもできます。Podcastにもあるし、Podcastは0.8倍速とかで再生できるし、良い時代だ。公式の音源は配信から1年間、Podcastは1か月間聞くことができます。

重要単語(ここだけチェックでだいぶ楽になるよ)

時事的な単語と、私が知らなかった単語を重要単語としてまとめます(傲慢)。英語が得意めの人はここをチェックするだけでだいぶ楽になるはずです。

go viral:(インターネットやSNSで情報が)頻繁に共有される、拡散される、伝搬する、バズる
contain:  ~を抑制する、~を封じ込める
conspiracy theory: 陰謀論
bogus: 嘘の
malign: 有害な、悪意のある
stoke: 火をたく、燃料をくべる→煽る
footage: 映像
bleach: 漂白剤
fall down: 倒れる
dilemmata: dilemmaの複数形。普通はdilemmas
verification: 検証。動詞はverify
address: ~を扱う
step up efforts for: ~への努力を積み重ねる
outspoken: 率直な、あからさまな、無遠慮な
(be) brought in for questioning: 取り調べに連れていかれる
hold up: ~が保たれている、維持されている ※受身で訳していますが英語は能動態
transparency: 情報透明性
debunk: ~を晒し上げる、~をすっぱ抜く
great fire wall: 中国のインターネット検閲を万里の長城に例えた表現
strike a balance: 釣り合いを取る、収支決算をする
riot: 暴動
evacuee: 避難者、疎開者。元の動詞はevacuate
hoax: でっち上げ、でっち上げること
falsehood: 嘘、嘘をつくこと

タイトルについて

2月27日(木)に配信された回のタイトルは
Coronavirus: Fake news goes viral
コロナウイルスの発生や感染対策についての誤った知識・フェイクニュースが拡散されていく様子と、ウイルスの拡散を重ねていると思われます。

go viral:(インターネットやSNSで情報が)頻繁に共有される、拡散される、伝搬する、バズる

番組全体の要点まとめ

※公式が出している概要文(英語)の和訳です。

・コロナウイルスの発生に関する誤った情報が、ウイルスを封じ込めようとしている保健当局と医学研究者の努力を損なっている

・医師らは、医師らがウイルス流行の真実を隠していると信じる陰謀論者からの攻撃に気付く。一方ソーシャルメディアでは、感染対策について、や非常に危険なアドバイスが広まっている

・リポーターのEd Butlerは、誰がこれらの有害なうわさを助長しているのか、国際事実確認ネットワークのCristina Tardaguilaにインタビュー。また、 the Cardiff School of Journalism, Media and CultureのKarin Wahl-Jorgensen教授は、新聞やテレビなど主流のメディアも一般大衆のヒステリーを煽ってしまっていると指摘

・米国に本拠を置く健康研究組織EcoHealth Allianceの代表Peter Daszakによると、陰謀論の最も心配な側面の1つは、多くの医学研究者が発見を共有するのをやめさせてしまうこと

contain:  ~を抑制する、~を封じ込める
conspiracy theory: 陰謀論
bogus: 嘘の
malign: 有害な、悪意のある
stoke: 火をたく、燃料をくべる→煽る、と訳しました

内容詳細(時間溶かしたから読んでほしいけど細かいから読まなくても良いよ)

※すべて意訳であることに注意!

最初の1分程はいつものオープニングと導入。

エド・バトラー
中国の警察官が感染の疑いのある患者を銃で撃っている動画の紹介をする。実際は、関連性のないいくつかの映像を組み合わせて作られたフェイク動画(Googleで検索してみても、すでにヒットしなくなっている)。

footage: 映像

クリスティーナ・タンダギーラ
インターネット上では、ウイルス発生の原因がコウモリであるとか、中国のバイオテロだ、はたまたビルゲイツが黒幕だ、またウイルスを防ぐには漂白剤を飲めばよいなど、様々な言説が飛び交っています。人々が倒れる動画を脈絡なくキャプションして、コロナウイルスによって人々が倒れているかのような動画が作られています。

bleach: 漂白剤
fall down: 倒れる

カリン教授
テレビニュースや新聞のような主流のメディアも誤情報に引きずられ、大衆の不安感を煽っています。タブロイド紙(ゴシップ紙)はコロナウイルスが死に至る、危険でよく分からないものだということを強調しており、結論を下すための十分な情報が無い中でのそのような書きぶりはパニックを引き起こす可能性があります。

エド・バトラー
しかしそれはジレンマですよね。危険性を強調することで、少なくとも人々への注意喚起はできるのだから。

dilemmata: dilemmaの複数形。普通はdilemmas

カリン教授
それはそうですが、一方で、主要なメディアは提供する情報を検証する責任も負っている。ソーシャルメディアの誤情報は、人種差別的な考えに基づくものも多い。それに主要なメディアが引きずられているのは問題です。

verification: 検証。動詞はverify

話題は「言論の自由」という問題に移る。インターネット上での人々の自由な発言を、どのように扱うべきなのか。

address: ~を扱う

カリン教授
ソーシャルメディアでこれだけ誤情報が広まったのは、中国の情報統制が非常に厳しく、中国本土で起こっていることが分かりづらいからです。誤情報が拡散している問題の解決策は、言論の自由を取り締まることではなく、ソーシャルメディア上の主張を簡単には信じないよう注意することだと考えています。

では、感染の中心地となっている中国国内の状況はどうか。BBCで中国のメディア分析をしているKerry Allenが語る。

ケリー・アレン
中国当局は、全国の医療従事者の動員や、大人数の検疫/自己検疫など、努力を積み重ねてきました。最近では遠慮のない発言をした人が取り調べに連れて行かれるケースが出てくるなど、政府によるコントロールは以前より厳しくなっています。

step up efforts for: ~への努力を積み重ねる
outspoken: 率直な、あからさまな、無遠慮な
(be) brought in for questioning: 取り調べに連れていかれる

具体例として、武漢に住んでおり、病院や街の様子をSNSに投稿し、その後姿を消した2名が挙げられた。また、(番組収録時の)直近48時間以内で、中国のSNS上で率直な発言をした人間のアカウントが凍結されている。

エド・バトラー
こういうウイルスとの闘いのほとんどは政府に対する信用にかかっている―つまり、政府が普通の人々をいかに望ましい形で行動させられるにかかっている、ということが興味深いところですよね。で、ケリーは今でも、中国政府への信用は失われてないという感覚を持っていると。

hold up: ~が保たれている、維持されている ※受身で訳していますが英語は能動態です

ケリー・アレン
そうですね。そう思う理由のひとつに、WHOが、中国はコロナウイルスに関して通常よりも情報透明性が高いと発言したことがあります。しかし一方ではフェイクニュースが乱発している。政府は国民に対し、政府の出すメッセージを注視してソーシャルメディアは見ないようにと述べ、フェイクニュースを見つけ次第コントロールして晒し上げようとしています。

transparency: 情報透明性
debunk: ~を晒し上げる、~をすっぱ抜く

エド・バトラー
コロナウイルスの一件が中国とグレート・ファイアウォールのターニングポイントになる可能性があると考えていますか?中国は新しい均衡点に落ち付かなければいけませんね。

great fire wall: 中国のインターネット検閲を万里の長城に例えた表現
strike a balance: 釣り合いを取る、収支決算をする

ケリー・アレン
一連のストーリーは中国政府を試しているといえます。今までで一番よくやっているという姿勢を見せていますから。一方で、権威的で統制を好む国でもあるので、やはり私たちは永遠に何も分からないかもしれません。

ここで、ウクライナの暴動の話に。ウクライナの健康省から送られてきたように見せかけた偽のEメールが原因で、ウイルスを懸念して中国からウクライナに避難してきた人たち(ウクライナ人)の乗ったバスが同じウクライナ人に襲撃されるという事件が起こった。このようなEメールを作り出しているのは誰なのだろうか。

riot: 暴動
evacuee: 避難者、疎開者。元の動詞はevacuate

クリスティーナ・タンダギーラ
メールに広告リンクがたくさんついていれば、お金が絡んでいて、誰かがそれでお金を儲けています。そうでなければ、イデオロギーの強要です。こういうでっち上げの情報を流すことは、選挙の場ではよくありますよね。反中国的感情、人種主義的感情、極右、反ワクチン、様々な主体がこの状況で利益を得ている可能性があり、嘘をつくことは個人レベルの損害を超え、社会全体にとって危険な考えを強めてしまいます。

hoax: でっち上げ、でっち上げること
falsehood: 嘘、嘘をつくこと

話題はSNSプラットフォームの規制へ。YouTube、Facebook、Instagram、TikTokなどは、コロナウイルスに関する誤情報が拡散されないようにコンテンツの規制を始めた。

クリスティーナ・タンダギーラ
まだまだ十分ではありません。TikTokは中国の持つプラットフォームですがアメリカでとても存在感がある。韓国のカカオトークやアジアのWhat's UpのようなLINEでも同じことが起こっています。西洋と同じく、東洋のSNSも色々あるのだから、規制は大変な仕事です。

最後に、米国に本拠を置く健康研究組織EcoHealth Allianceの代表Peter Daszakが登場。ピーター氏は、医学雑誌ランセットが出した「中国の研究者をサポートする」という声明に、9か国27人の研究者の一人として共同サインした。

ピーター・ダザック
SARS以来約15年間、欧米と中国の研究者は連携してウイルスの治療やワクチンの研究を進めてきました。しかし、「ウイルスがラボで作られている」などといった誤情報のせいで中国の科学者が非難・攻撃されている今、バッシングを恐れた中国の研究者が情報をシェアするのを恐れ、東西の連携が滞る恐れがあります。

エド・バトラー
巷では別の種類のうわさ―にんにくを生で食べるとウイルスに効く、といったものも流布していますが、そちらに関してはどう思いますか。ウイルスの発生に関するデマほど危険ではないような気がしますが。

ピーター・ダザック
科学ではなく根拠のない迷信を信じて行動している点で同じく危険ですね。






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