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親を許す事がゴールじゃない③

いつか母は私に言った。
「おばあちゃんは私よりカズちゃん(母の妹)の方が可愛いと思ってる」と。
その時の母の寂しそうな横顔が忘れられない。

母は二人姉妹の長女である。
妹が生まれた日から母親の愛情は全部、妹の方へ向けられた。そう思っている心の傷が、今でも母を苦しめているのだ。

「自分は愛されない存在だ」
そう思っている母は、娘を上手く愛する事ができなかった。
そして娘である私にも自分は愛されないという心の傷が受け継がれた。

世代間連鎖はこうして起こるのだ。

私は、いつか子どもを生んだら上手く愛することができるだろうか。自分と同じように傷つけてしまわないだろうか。
ずっとそんな事を考えていた。

でも、セラピストの先生は、
「世代間連鎖は止めれるよ。止めたいと思った人が止めるの。」
と言ってくれた。

私は止めたい。この負の連鎖を止める。


先生は言った。
「お母さん、私にはお母さんの苦しみが良く分かります。今の私の苦しみはお母さんの苦しみです。」と言ってみて。と。

そのままその言葉を声に出すと、
あぁ、母は私と同じだけ苦しんでいたのか。こんなにも辛かったんだ。と思うと涙が止まらなかった。

初めて母と繋がった瞬間だった。

親を許す事が出来ずに苦しんでいる全ての人の幸せを願って。

つづく。

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