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小臀筋の機能解剖学

トレーニングを学術的に考えるYouTubeチャンネル「CHICKEN HEART TV」。
今回は、小臀筋の機能解剖学をまとめていきます!

【動画】小臀筋の機能解剖学①

【動画】小臀筋の機能解剖学②

【動画】小臀筋の機能解剖学③

■ 小臀筋の起始・停止・機能

起始:中臀筋の起始のすぐ下の腸骨外側
停止:大腿骨大転子の前面

機能:股関節の外転、外転に伴う内旋

起始を見て分かるように中臀筋の下に隠れて付着しており、触れることはできません。臀筋群に分類され、お尻の外側に位置しています。そのため、最も表層に大臀筋があり、その下に中臀筋、さらに下に小臀筋という形で構成されています。

停止部は、大腿骨大転子の前面なので大腿骨の付け根(近位側)の前側に付着しています。

この起始と停止の距離が近づくと大腿骨を外側に上げる(外転)とそれに伴って大腿骨を内側に回す(内旋)の2つの機能が生まれます。中臀筋と付着部が近いため、機能も似たものを持っています。


□ 中臀筋と小臀筋の違いは2つ

① 起始部が股関節に近い
中臀筋は、腸骨の上部に付着していたため、大腿骨を外側に開く力が大きくなります。それに対して、小臀筋の起始は股関節よりになっています。そのため、中臀筋と比べて大腿骨を大きく動かすよりも安定した動作ができるよう股関節を固定する作用が強くなります。

② 筋サイズが小さい
小臀筋という名称通り、筋サイズは中臀筋の方が大きいため、発揮できる力も中臀筋ほどではありません。使われることに間違いはありませんが、小臀筋はがスポーツ動作の主力になることはありません。


■ 「トレンデレンブルグ徴候」とは

股関節を外転する機能を持つ小臀筋や中臀筋が弱化すると、歩行にブレがでてきます。歩行している時には、股関節を内転させるような力が加わり、これを小臀筋や中臀筋が外転機能でコントロールしてくれています。

弱化するとコントロールできなくなり、歩行時に骨盤が左右にブレることが起きるのです。無意識に”モデル歩き”のようになるわけです。意識的に行っているのであれば問題ないですが、無意識に起きている場合「トレンデレンブルグ徴候」と呼ばれ、障害の1つとして扱われます。この方は、小臀筋や中臀筋を鍛えることが推奨されます。


■ ストレッチの方法

このように股関節を内転したポジションで外旋することでストレッチが可能です。
※後ほど他のストレッチ画像も添付予定


■ トレーニングの方法

① ダンベルを使用して片脚で内転・外転

片足立ちになり、軸足と反対でダンベルを持ち、そこから軸足のお尻を外側に突き出しながら、上体を側方に倒します。これで股関節は内転位になり、中臀筋とともに小臀筋がストレッチされます。ここから股関節の外転で直立まで姿勢を戻すことで、中臀筋とともに小臀筋が収縮し、トレーニングすることができます。

このトレーニングでの大きな注意点は「サイドベント」にならないこと!
サイドベントは、外腹斜筋・内腹斜筋のトレーニングで紹介していたと思います。中臀筋のトレーニングでサイドベントのように、腰椎の側屈で上げてしまうと、脇腹ばかり辛くなり、中臀筋と小臀筋の活動が小さくなってしまいます。

そのため、腰椎でなく股関節を動かす意識を強く持って行なってください。
関節可動域の限界まで中臀筋をストレッチさせるように行うと怪我のリスクもあります。膝を完全に伸ばしたまま行うと違和感を感じる方がいるので、その際には、やや曲げることで改善されます。


□ なぜ、ダンベルは軸足と反対で持つの?

必ず、ダンベルは軸足と反対に持って欲しいのですが、この理由は股関節からの距離にあります。軸足側の小臀筋を鍛えたいので、軸足側の股関節から離れたところにダンベルを位置させたいのです。

もし、軸足側で持ってしまうと股関節との距離が近くなり、股関節を内転させる負荷がかからなくなります。

これと同じような理由で、両手でダンベルを持つこともNGです。
片手でダンベルを持つ理由は「股関節を内転させる負荷で体を傾かせたいから」ですが、両手で持ったらこの負荷を相殺してしまい、内転させる負荷が小さくなります。

なので、ダンベルは必ず軸足の反対の手で持ちましょう!


② スミスマシンを使用して片脚で内転・外転

①の種目と全く同じ動きを利用してスミスマシンでも可能です。
バーを担いで対象筋側のお尻を外側に突き出して、戻すを繰り返します。姿勢が安定しやすいですが、可動域が小さいとストレッチ感を感じにくいため、お尻の動きを強調して、しっかり大きく行ってみてください。


③ 片脚レッグプレス

レッグプレスを片脚で行うことでも活動します。
片脚でレッグプレスを行うと片側の骨盤が抑えられるような負荷がかかり、重りを上げる時に反対に対象筋側の骨盤を押し出しながら力を出すことで股関節の外転が起き、小臀筋や中臀筋にも刺激が入ります。両脚でやってしまうと内転させる負荷を相殺してしまうため、片脚で行う必要があります。


④ 自重で内転・外転

横になった状態で股関節を内転・外転するトレーニングがあります。強度が低く、負荷を工夫する必要がありますが、これでもトレーニングは可能です。


⑤ ヒップアブダクション

ジムにあるマシンでは「ヒップアブダクション」という種目があります。
これは”股関節の外転”という意味で、内転は「ヒップアダクション」になります。

これはよく出てくる用語ですが、どっちが外転だっけ?となりやすいです。この覚え方は「外転するとアブないからアブダクション」で覚えてください!

ジムでよく見る、座った状態で股関節の内転と外転をするマシンでも鍛えることができますが、この種目では小臀筋をストレッチすることができません。ストレッチができないので、安全性は高いですが、トレーニングの刺激としては、ストレッチできない、というのはデメリットになります。


⑥ 反復横跳び

反復横跳びでは切り返す動作で股関節を外転して行うため、中臀筋と共に小臀筋も活動します。また、股関節を捻る(内旋)ことで大臀筋の活動を高めることができます。一歩で左右に跳ぶように行うと切り返しで強い力がかかるため、強度を高めることができますが、怪我のリスクも高まりますので、短い時間から始めるなど段階的に強度を上げるようにしてください。


⑦ チューブでカニ歩き

チューブを両足首に付け、中腰の姿勢で股関節を外転をして横に歩きます。
横に歩く場合、股関節を外転した脚の小臀筋はコンセントリック収縮し、逆脚にはエキセントリック収縮が起きます。

・方法は大きく3つ
① 右に1歩、左に1歩を繰り返し行う
② 右脚を先行させて一歩ずつ進み、壁まで行ったら左脚を先行させて戻る
③ 右脚で一歩踏み出し、右脚を戻す。これを繰り返す。

このように動作パターンがいくつかあります。足首につけることで負荷を大きくすることができ、膝につけると負荷を小さくすることができます。


■ お知らせ

小臀筋の機能解剖学は、以上となります。ご覧いただきありがとうございました!noteでは、機能解剖学だけでなく、トレーニング実技やYouTubeチャンネルで公開していないオリジナル記事も公開中です!※一部有料

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