見出し画像

英詞で読み解く藤井風の世界vol.2

12月24日は藤井風さんの"もうええわ"のシングルリリース日と言うことで、私のInstagramでシリーズ化している「 英詞で読み解く藤井風の世界」に加筆し、noteでもシェアさせていただこうと思います。

【英詞で読み解く藤井風の世界】
第二回目は「 もうええわ」です。

この曲は、彼の名詞がわりとも言える名作だと思います。

さて、この曲
「 もうええわ」の英語のタイトルは
"I’m over it"となっています。

「もうええわ 」= "I’m over it"
なのか、
そうか、はい、終了
・・・ではないんです。

なんとこの言葉は、いくつもの英文に訳されています。

では、「 もうええわ」が訳詞中何通りに英訳されているか見てみましょう。

It’s over now. (もう終わったんだ)
That’s enough. (それで十分だ)
Alright then. (それなら大丈夫だ)
I’m over it. (もう飽き飽きだ)
I’m fed up. (もううんざりだ)
I’ve had enough. (もう十分だ)
No more. (これ以上は無理だ)
Let it go. (放っておいてくれ)
"That’s not necessary." (それは必要じゃない)

9通りかい!
「 あなた・・・9つなんて!
一体どういうつもりなの?」
と藤井風の両肩を揺すぶるChicoであった。(イメージ)

同じ「 もうええわ」でも違う意味を込めて歌っているのかと思うと、MVでの表情やカット割にも理由があることがわかってきます。

【Kazenglishのこなれポイント】
初めてこの曲を聴いた時、
「行き詰まった喜び」というのは一体なんぞや?と思いましたが、
これも彼の英語が解説してくれています。

ここに当たる英訳は
"The pleasure you’ve worn out."
となっています。
ポイントはworn outです。
意味は
「 使い古された」
「 ぼろぼろの」
「古くさい 」
そう、
「 なくてはならないものだと勘違いしているけど、本当は手放した方が身軽になるもの」ということを言っているのだな、ということがここからわかるようになっているのです。

【曲の中に神さまがいる】
「 もうええわ」の曲の日本語の歌詞には「 神さま」という言葉は出てきません。
しかし、英語の訳詞の中に
「 神さま」を思わせる単語が出てくるのです。

元々の歌詞では
"やれるだけやってあとは任して"
と言うところです。

英語では
"Do the best you can, then leave the rest to Him."
となっています。

文字通りに訳し返すと
"ベストを尽くしてみたら、あとの残りは彼に任せて"
となりますが・・・

ん?
彼?
突然、彼って?
そして、なんで大文字?

そう、
英語(キリスト教などの唯一神)では神様の代名詞はHe なんです。(神様を表す時にはGodと同じく文中でも大文字になります。)

この文章の前後に「 神」という具体的な言葉はありませんが、このHimが大文字であることにより「一般的な神様 」という意味になると言えます。

「 やれるだけやったらあとは天(運命)に任せよう」

Himを使うことでそんな意味が浮かび上がってくると言うわけです。

うーん!何ということでしょう。

【Kazenglishのここを押さえよう】
1番の終わりのところで、風さんがなにやら英語で囁いている言葉、これはYouTubeの 「 もうええわって何なん?」に解説がありますので、ご存知の方が多いと思いますが、とても含蓄の深い文章となっています。

Men will be released from the cycle of birth and death only when he gives up body attachment
「人は身体への執着を手放した時に初めて生死のサイクルから解放される」

これは皆様ご存知の、サティヤ・サイ・ババによる言葉からの引用のようです。

「もうええわ 」のビデオの主人公を、渋谷のホームレス、って言う形で撮影したのも、
「 ホームレス」→家もない、こだわりもない、何も持たない、ということの原点、という象徴として使ったのでしょうね。

そんなわけでこの曲は永遠に「 もうええわ」とはなりそうにありません。
また、何かの機会に他の部分を深読みすることといたしましょう。

#藤井風
#fujiikaze
#Kazenglish
#英詞で読み解く藤井風の世界
#もうええわ
#HEHN
#LASA

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?