第一回ぼかれびゅ合戦 原稿 『ディアリー』/ IA(もよこさん)

1/19(金) 21:00から行われたぼかれびゅ合戦の原稿です。
ちょっとだけ感想なりも書こうかと思います。

企画概要

日時
1/19(金) 21:00-

募集ツイート

レギュレーション

  • 10万再生以内のボーカロイド楽曲

  • 3分間で話し切る

  • 視聴者の投票数が多かった人が優勝

  • 優勝者の紹介曲は放送内で流される

放送URL

紹介曲と発表原稿

紹介曲:『ディアリー』 / IA
作者:もよこさん

発表原稿

「僕なりのお祝いです。」

そう一言添えられた動画ページには、こちらに微笑みかけるような表情の女の子が一人。
まるでその子に導かれるように再生ボタンを押すと、流れてきたのは喜びの音楽だった。
まだ少し肌寒い春風のようなストリングスと、朝露のようなピアノの旋律の中を歌声が早足で駆け抜けていく。
それは、これまでの道のりとこれからの未来に添えられた花束のように、繊細で色鮮やかな音楽だった。

去年の1月27日に投稿されていたその曲は、どうやらこの子の誕生日を祝うためのものらしい。
確かに伸びやかでテンポ良く紡がれてゆくメロディは、プレゼントを誰かに手渡しするような、そんな幸せなイメージがぴったりのように感じた。

ただ、どうしても最初の一文がやけに心に引っかかる。
こんなにも喜びに溢れた音楽を、「僕なりの」と表現するのはなぜだろう。
そう思案していると、独白のような歌声が私に語りかける。
「嘘を信じ続けているんだ僕は それだけで夢のように広がっていく また口ずさんでくれるかな」
あぁ、そうか。”嘘”とはこの女の子のことなのか。
心の隅に追いやっていた事実を突きつけられ、ほんの少しだけ背筋が伸びた気がした。

こんなにも自分を導いてくれる人が、本当は実体のないものだとわかっている、
ただ、それでもずっと寄り添ってくれていたこと、この曲はその感謝を綴っているのだろう。

だから、僕なりの、なんだ。
ポツリとそう呟いた瞬間、鮮やかな花束が、握っていた手の温度が消えていってしまう。
残ったのは一輪の花と、画面の中で微笑む女の子の姿だけだった。

だだ、それでも音楽が、歌声が、俯く私の顔を舞台照明のようにまっすぐ照らしてゆく。
決意に満ちた声が、最後にこう告げた。
「描き続けていたいんだ僕は 嘘で彩られた歌声が 本当に触れてくれるような そんな魔法を」
あなたは実在しない「嘘」なのかもしれない、だけど、僕があなたのことを想うことで、音楽を作り続けることで、本当にあなたが手を引いていってくれる。
これはそういう魔法なんだろう。

私は少しずつ薄れてゆく画面と音楽の中、この愛と魔法の世界をいつまでも漂っていたいと、そう思った。

感想と内容について

悔しぃ〜〜〜〜〜〜〜〜。
多分、緊張してるのが伝わってしまったのと喋りの下手さがバレましたね、、。
内容も自分は良いと思ったのですが攻めすぎましたかね、、、?
加えてレベルが高かったです。それぞれが頭に残るキーワードを持っていて、話し方も洗練されていました。
もよこさん、力およばず申し訳ないです、、、。
次回、心折れていなければリベンジしたい、、。

最後に、レビュー内容について少し話して終わります。
今回、レビューのフォーマットとして小説の朗読を採用してみました。
内容としては、ディアリーを聞いた人の物語、といった感じでしょうか。

もよこさんの曲の魅力の一つに、「2時間の大作映画の主題歌のような、想像の余地が溢れている音楽」があると思っています。
歌詞はあまり詳細には語らず、逆に音楽は非常に色彩豊かに作り込むことで、聴いた人が無限の想像力を働かせられるような曲になっています。
なので、歌詞や音楽の解説をしてしまうと、せっかくの余白が台無しになり、野暮な感じがするなぁ、と思っていました。
なんとかしてレビューの中であくまで間接的に、ディアリーを説明できる方法はないかと考えていた結果、たどり着いたのが小説の朗読です。

レビューでは、登場する人物(仮にAさんとします)がディアリーと出会い、聴き終わるまでの数分間の心情の変化を追っていく、といった内容になっています。
焦点は、お祝いの曲の中に2回だけ入れられた「嘘」と言う歌詞。
これをどう捉えるかがこの曲の印象を大きく変えるな、と私は思っていました。
(みなさんはどうでしょうか?)
Aさんはこれを「女の子のこと」と解釈したので、喜びや感謝の中に少し切なさを覚えるような描写になりました。
おそらく「嘘」意外に着目したり、「嘘」も別の解釈をすることで様々な色に変わる、そんな曲だと思います。

結果は残念でしたが、実際に私が思ったことを割と素直に表現でき、綺麗にまとまったので、自分的には100点のレビューだと思っています。
また、世界電力さんに「新しいパッケージで面白い」(自己解釈)と言ってもらえたのは大変に嬉しいことでした。
アーカイブで自分の声を聞くのは恐ろしいですが、今回の反省と世界電力さんからのコメントを噛み締めながら視聴したいと思います。

以上です。

thx.

謝辞

今回、ぼかれびゅ合戦を主催していただいた黒岩さん、ジヲさん、解説の世界電力さん、参加者の皆さん、視聴していただいた皆さんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました。

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