「立ち退きさせてこい、オマエらで！ 今日火をつけてこい！ 今日火をつけて捕まってこい、オマエ、燃やしてしまえ！ ふざけんな！ 損害賠償、個人で負え！」。職員に向かって２年前に吐いた暴言が、今さらになって公開され、現職の泉房穂市長が辞職しました。あの時、「火をつけてこい！」とは言ったものの、２年後に自分に火がつくとは思っていなかったのではないでしょうか。当初は統一地方選が近いので、その時に住民に信を問うと話していたのですが、あまりのプレッシャーに耐えきれず、市長を辞職することになったため、３月１７日に市長選が行われることになりました。

泉 房穂　　　５５　現　火つけてこい
北口 寛人　　５３　新　元明石市長
新町 美千代　７１　新　共産党推薦

もし泉房穂市長が当選したとしても、任期は４月２１日の統一地方選までであり、もし立候補する人がいた場合には４月２１日に再び選挙を戦うことになります。ただ、一度は決着がついていますので、４月２１日に再び立候補するのは、あまりにも空気を読めていなさすぎるので、さすがに４月２１日は無投票当選で決まるのではないかという公算が高いです。

■ 問題となったのは明石駅前の拡張工事

騒動のキッカケとなったのは、明石駅前の拡張工事をめぐってのことです。以前、この交差点で交通事故が起こったことをキッカケに、国道２号線の拡張工事を進めることになり、立ち退きをお願いすることになったのだそうです。ここにはもともと「菊水」という料亭があり、ちょうど裏側に良い土地があったので了承してくれたものの、昔からここで商売をしている人たちが多く、なかなか折り合いがつかなかったのは事実です。実際にはほとんど立ち退きは完了していたそうですが、泉房穂市長と情報が共有されておらず、いつまでも立ち退きが進まないことに業を煮やし、あの「火つけてこい！」の発言に至ったのだそうです。泉房穂さんに近い人の話によると、泉房穂さんは日頃からあんな感じでキレやすい性格であり、「あれが平常運転」という声がチラホラ聞こえてきます。日常的にややパワハラめいたことはあったようなのですが、それでも市を改革しようというモチベーションはあったということで、多少のことには目をつぶってきたということのようです。