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【選挙ウォッチャー】 和歌山県知事選2018・分析レポート。

11月25日に行われた和歌山県知事選は、現職の仁坂吉伸さんと共産党の畑中正好さんの一騎打ちとなっており、ぶっちゃけた話、選挙をやる前から結果がわかっているような選挙になってしまっています。和歌山県は自民党の重鎮・二階俊博さんのお膝元。和歌山県もゴリゴリに自民党が強い「保守王国」なのですが、その中で共産党の畑中正好さんがどこまで善戦できるのか。今回の争点は「和歌山にカジノを作るか」なのですが、実際に和歌山県に住んでいる方々はあまり関心がないようです。カジノが赤字になれば、自分たちが税金で補填しなければならなくなるかもしれないのに、未来のことを何も考えていないのです。

仁坂 吉伸 68 現 自民・公明・国民民主推薦
畑中 正好 66 新 共産推薦

なにしろ仁坂吉伸さんは、二階俊博さんや世耕弘成さんといった安倍政権の中でも権力の中枢にいるような人たちに背中を押されているのですから、こんなに心強いものはありません。他の都道府県と違って「政治が強い」ということは県民の誇りなので、そもそも自民党以外の人たちを選ぶ理由がありません。政権の中枢から和歌山県を良くしてくれるに違いないと思っているわけです。ところが、和歌山県が特別に良くなっているかと言ったら、良くなっているどころか悪くなっていることの方が多いかもしれません。和歌山県にカジノを誘致して経済を発展させようなんて愚の骨頂です。けれども、そんなことに気付く人は少数派です。だいたい和歌山県のような田舎では、ジジィとババァが自民党以外の選択肢を考えたことがないのです。競争のないところは怠けるようになります。和歌山県はこれからどんどん寂れていくことが予想されていますが、東大卒の仁坂吉伸さんが画期的なアイディアを出してくれるかと言ったら、そんなことはなさそうです。政策を語ってくれているのですが、どれも具体性に欠けるからです。


■ 選挙の最大の争点は「カジノ」である

今回の和歌山県知事選の最大の争点は「カジノ」です。和歌山県はカジノの誘致にこれまで8000万円を費やしており、そのお金があったら、もっといろいろなことができたはずだと考えられます。和歌山県は山と海に囲まれた自然豊かな土地ですが、ここに「カジノ」がやってきて、本当に和歌山の風土とマッチングし、他の産業を伸ばすことができるのでしょうか。

カジノと言えば、すぐ隣の大阪府がカジノ誘致に積極的です。2025年の大阪万博を契機にカジノを作ろうとしているわけですが、ここに和歌山が対抗馬として立候補しているのです。普通に考えたら「カジノは大阪にできるのではないか」と思ってしまうかもしれませんが、和歌山で暮らしている人たちは「カジノは和歌山に来る」と確信しています。というのも、和歌山は自民党の二階俊博さんの街なのです。安倍政権の任期はあと3年しかありませんが、この3年の間にカジノを作れるのは和歌山だけ。大阪にカジノを作ろうと思っても5年以上はできないが、和歌山なら2年で作れるというのです。大阪維新の会との力関係を考えても、二階俊博さんが和歌山にカジノを引っ張ってくるに違いないというのです。安倍政権が進めることに何でも賛成してしまう仁坂吉伸さんは、果たして信頼できる人なのでしょうか。この後、じっくり解説いたします。


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