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【選挙ウォッチャー】 国民主権党のクラスターフェスとカウンターの皆さん。

3週間ほど前にも、「国民主権党」というNHKから国民を守る党から分裂した政治団体が、渋谷ハチ公前で「コロナはただの風邪」と訴える「クラスターフェス」なるイベントを開催し、世間様にご迷惑をおかけしているという話をお伝えしました。あまりに頭の悪いイベントなので、さまざまなメディアが同じように「クラスターフェス」を報じたのですが、本人は反省するどころか、注目されれば注目されるほど喜んでしまう逆効果。普通は叱られたらヘコむものですが、彼らは叱られれば叱られるほど「ご褒美」だと感じてしまう、五反田あたりで女王様にシバかれ倒す変態のオジサンと同じメンタルだったのです。なので、このイベントは過激さを増しながら現在も続けられており、このままではとんでもない事件や事故に発展しかねない非常に危うい状況になっていると言わざるを得ません。さらなる過激な思想を持った人たちから血を流すようなトラブルに巻き込まれるかもしれませんし、欧米のコロナパーティーのように、本当に新型コロナウイルスに罹って死んでしまうような若者が出てしまう可能性もあります。いろんな意味で危機感を持って監視していかなければならないカルト団体になっています。


■ クラスターフェスについて知ってほしいこと

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まず大前提として、この「クラスターフェス」を開催する「国民主権党」は総務省に届けられている正式な政治団体です。なので、これはイカれた個人がやっている迷惑行為ではなく、政治団体が世の中に思想信条を広めるために行っている政治活動であると言えます。つまり、みんなに「コロナはただの風邪」だと伝えたいという目的の裏に、「今後、国民主権党に1票入れてくださいね」というメッセージが隠されていることを皆さんに認識していただく必要があるかと思います。代表の平塚正幸は、今年7月の東京都知事選に立候補していますが、その先の何らかの選挙に立候補してくる可能性が高く、このような派手で迷惑なパフォーマンスをする背景には、かつて「悪名は無名に勝る」と言って、やりたい放題やりまくって知名度を獲得し、国政政党まで上り詰めた立花孝志の選挙戦略がお手本になっています。マナーやモラルは最悪だけど、あくまで法律に違反しているわけではない。こんなに新型コロナウイルスが流行しているのにマスクをしないで行動することを取り締まる法律は、今のところないからです。そういうところも、立花孝志と同じです。


■ 国民主権党にカウンターをする日本国民党

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実は、クラスターフェスが問題になってから、国民主権党に対してカウンターを仕掛ける政治団体が現れました。カウンターとは、関係者に大きな声で中止を呼び掛けたり、すぐ隣でマイクを使って同じように主義主張を展開することで、クラスターフェスを止めようとする動きのこと。これを展開しているのは「日本国民党」という政治団体です。日本国民党は、現職の葛飾区議である鈴木信行さんが代表を務める政治団体で、掲げている政策は「葛飾区から外国人の生活保護を廃止する」というもの。日本という国は日本人だけのもので、日本にやって来て生活に困った外国人は祖国に送り返せばいいという思想のもと、外国人(主に韓国や北朝鮮の人たち)の生活保護は廃止するべきだと訴える人たちです。めちゃくちゃシンプルな言葉で表すならば「ネトウヨ」です。ちなみに、平塚正幸がお手本にしている立花孝志も葛飾区議で、葛飾区というのはヤバめの議員の宝庫です。

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実は、クラスターフェスに対しては、日本国民党の他にも、さまざまネトウヨ的な人たちがやってきて、カウンターを仕掛けるようになってきているのですが、この人たちはどうして「クラスターフェス」を潰そうとしているのか。それは、ネトウヨの皆さんにとって新型コロナウイルスは「武漢ウイルス」「武漢肺炎」であり、中国の研究所が人工的に作ったウイルスかもしれないと考えているから。要するに、このウイルスは中国が作り上げた日本を攻撃するためのウイルスで、マスクをしないべきだと言ったり、もっと密になろうと言ったりするのは、結果として中国が仕掛けたウイルス攻撃の犠牲者を出すことになるかもしれない。つまり、これは「反日行為」以外のナニモノでもないという考え方なのです。もし平塚正幸が中国共産党のスパイで、わざと日本で新型コロナウイルスを広めようと思って活動しているのだとしたら大したものですが、実際は、陰謀論をこじらせて本当に新型コロナウイルスはただの風邪だと思うようになってしまった頭の弱い子でしかないので、中国のために働いているみたいな壮大なスケールでお届けされているものではなく、ただただシンプルに「アホ」だという話です。ぴえん。


■ 何度も警察のご厄介になっている

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物騒なことに、クラスターフェスの現場では、だんだんトラブルが発生するようになってきています。先日は日本国民党のメンバーが国民主権党のメンバーに殴られたとして警察に駆け込み、国民主権党は国民主権党で日本国民党のことを「当たり屋」だと表現しています。実際、殴ったとされる映像も残っていますが、皆さんが想像する一般的な「ぶん殴る」みたいなものではなく、威嚇的に体に触れることが「殴る」として扱われている印象です。ただ、これもエスカレートすれば流血するような事件に発展する可能性があるし、実際におまわりさんの手を煩わせるようなことに発展していることは事実です。それ以外にも、この「クラスターフェス」については通報が行っているようで、渋谷警察署は平塚正幸を呼び出し、事情を聞いたようです。平塚正幸は警察署から出てきてすぐに動画を撮影し、「こんなくだらないことでいちいち警察に通報する奴がいる」と恨み節を言っていました。本人にとってはくだらないことかもしれませんが、平塚正幸がやっているのは渋谷の駅前であり、仕事や何かの用事があって渋谷駅を利用する人はたくさんいます。その中には、けっこう重めの病気と闘っている人もいるでしょうし、妊婦さんもいることでしょう。介護士や理学療法士のような仕事で、高齢の方と接する機会が多いので気を付けているという方もいらっしゃることでしょう。「駅」というのはたくさんの人が利用する公共性の高いもので、いくら渋谷が若者の街だと言っても、さまざまな事情で「コロナはただの風邪」として扱えない人はたくさんいるのです。「コロナ感染希望」などというナメたプラカードを持ったり、ナメたTシャツを着た人間たちが駅前に集まってくるようなイベントは、迷惑以外のナニモノでもないし、テメエの家にたくさんの人を集めて密になるのなら、それもそれで迷惑な話だけど、まだ駅前でやるほどの迷惑ではないことでしょう。いまや国民主権党が動けば動くほど警察官が動かざるを得ず、市民の安全を守ってくださる警察の方々にも感染リスクを背負わせているというのが現状です。迷惑系YouTuber・へずまりゅうの時にも、対応した警察官が新型コロナウイルスに感染してしまうという出来事がありました。クラスターフェスに参加している人たちが感染するのは自業自得だとしても、警察の方々はたまったものではありません。仮にも政治家を志そうという人間が警察に迷惑をかけても何とも思わないというのは、相当痛々しいものがあります。


■ 「コロナはただの風邪」は増えている

実は、国民主権党のように「コロナはただの風邪」だと考える人は増えていて、この「クラスターフェス」もだんだん盛り上がるようになってきている印象です。各地で「ノーマスクデモ」などと言って集まる人も増えてきているし、ネットで偏った情報に触れるうち、本当に「コロナはただの風邪」なのかもしれないと思う人が増えているのです。彼らには共通して「今しか見えていない」という特徴があります。なぜ普通の人が新型コロナウイルスのことを「ただの風邪」だと思えないのかと言ったら、風邪やインフルエンザよりも重症になる確率や致死率、得体の知れない後遺症で悩まされる確率が格段に高いからです。若くて健康な人なら「8割は軽症だから大丈夫」だと言いますが、裏を返せば「2割は重症」です。下手をすれば一生苦しむかもしれないような後遺症を20代で患ってしまうかもしれず、その確率が2割だとすれば、普通の人はそんなものを大丈夫だとは思いません。日本は海外に比べて死者の数は少ないと言いますが、なぜ欧米に比べて死者の数が少ないかと言えば、今のところ、医療崩壊を起こしていないので病院に入れずに亡くなる人がおらず、みんなの努力によって、感染者が増えても欧米ほどは深刻ではない状況が続いているから。簡単に言えば、みんなが気を付けてくれているおかげで、感染者が抑えられ、死者や重症者が辛うじて抑えられているのです。もし「コロナはただの風邪」理論が採用され、みんなが気を付けなくなってしまうと、あっという間に死者や重症者が増え、死因の上位に新型コロナウイルスが来るようになるでしょう。多くの人は「気を付けなかった場合の死亡者数」を計算に入れ、「それなら自分にできる範囲で気を付けた方がいいよね」ということになっているのですが、「コロナはただの風邪」だと主張している人たちは、その「未来予測」ができません。そんなものを予測をしても、本当にそうなるかは分からないという考え方をしてしまうからです。しかし、科学は既に「実効再生産数」などで予測できるようになっていて、人と人が触れ合う機会を増やせば感染が拡大してしまうというのは、残念ながら「事実」です。小泉進次郎ぐらい当たり前のことを言いますが、感染者が増えなければ重症者や死者は少なく抑えられるし、感染者が増えれば重症者や死者は自動的に増えるようになります。僕たちは未来の数字を悲惨なものにしないために、みんなでできる行動をしているに過ぎません。そのごくごく簡単な計算ができない人たちが、今、こうして世間様にご迷惑をおかけする行動に出ているのです。


■ 国民主権党がひた走るN国党と同じ道

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社会に迷惑をかけてでも知名度を優先していくやり方は、NHKから国民を守る党が参院選で1議席を獲得したことで、まるで「選挙革命」のように扱われたこともありましたが、今、そのNHKから国民を守る党がどうなっているのかと言うと、今年2月の新座市議選で最後の当選者を出してから、かれこれ「20連敗」しています。しかも、8月23日に行われた箕面市議選では、3ヶ月以上にわたる駅前中心のドブ板選挙に加え、2回もチラシを全戸配布し、市長選に立候補することで選挙期間中に宣伝するチャンスを2倍に増やし、持てる力のすべてを出し切ったにもかかわらず、当落ラインに遠く及ばないレベルでの落選。市長選の供託金100万円も没収。市議選ではろくすっぽ勝てず、市長選に出るたびに100万円が没収される始末。確かに知名度は上がったかもしれませんが、「投票してはいけないヤバめのカルト政党」だということも同時に知られるようになり、各世論調査でも政党支持率が「0.0%」になることが増えています。まさに、このやり方をお手本にしているのが国民主権党なので、確かに平塚正幸のことなんて誰も知らないし、国民主権党のことだって誰も知らないかもしれませんが、知った時にはやっぱり「投票してはいけないヤバめのカルト政党」だと認識されてしまうので、政治家としての未来はなくなってしまいます。政治家の未来がなくなった時に、こんなふうに迷惑なことばかりやっていると、これまた立花孝志のようにYouTubeから広告が剥がされ、貴重な収入源が絶たれることになってしまいます。既に平塚正幸のYouTubeからは広告が剥がされているという話もあり、そうするとどんどんお金に困っていくことになります。コロナ対策では手を洗うことが重要とされますが、平塚正幸やNHKから国民を守る党は、足を洗った方がいいのかもしれません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

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クラスターフェスは、まだまだ毎週末ごとに渋谷駅のハチ公前で続けられていますので、渋谷に用事のある方はくれぐれもトラブルに巻き込まれないように気を付けていただきたいと思います。こういう奴らが週末ごとに渋谷に集まってきてしまうので、渋谷にある大好きな飲食店や雑貨店に行くのを控えるという方も多くいらっしゃると思います。みんな、新型コロナウイルスで厳しい経営が迫られている中、こういう奴らのせいで、高いテナント料を維持できずに撤退させられるお店もあるかもしれません。本人は「ただの風邪なんだから気にするのがいけない」などと自分勝手なナメた主張をするんでしょうけど、アホによる自分勝手なアホアホ理論で迷惑を被るのは、真面目に働いている人たち。少なくとも、こういう人たちには政治の世界から撤退してもらいたいと思います。引導を渡すのは、僕たち有権者の役目です。

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