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【選挙ウォッチャー】 茅ヶ崎市長選2018・分析レポート。

まさか、こんなイカれた選挙を見ることになるとは思いませんでした。本当は松戸市長選を追いかけるため、茅ヶ崎市長選はスルーしようかと思ったのですが、「NHKから国民を守る党」から激しい妨害と嫌がらせを受けるため、選挙も終盤という局面でDELIさんに迷惑がかかってはいけないと思い、急遽、茅ヶ崎市長選を見てみることにしたのです。ところが、ひょんなことから見ることになった茅ヶ崎市長選は、ものすごくカオスなことになっており、ワイドショーでも取り上げられるほどでした。とんでもなくカオスの香りが漂う選挙になってしまったので、普通に楽しい選挙レポートに仕上がっていると思います。

この茅ヶ崎市長選は、もともと行われる予定ではなかったのですが、現職の服部信明市長が講演会の最中に倒れ、お亡くなりになってしまったため、急遽、実施されることになりました。まだ57歳だったため、まさかこんなことになるとは誰も予想しておらず、誰も準備ができていないところからの選挙になってしまったのです。カオスになってしまった理由は、桂秀光というオジサン1人が掻き回したからなのですが、あのオジサンはだいぶヤバいです。


■ アグレッシブすぎる桂秀光さん

今回の茅ヶ崎市長選で、当選した佐藤光さんより話題をさらったのが桂秀光さんです。通行人がネット上で「アイツはヤバい!」とツイートしてしまうほどパチキレていて、僕も選挙カーに出くわしてみましたが、この人、選挙だったら何をやってもいいと思っているようです。桂秀光さんは高校や幼稚園の前でボリュームをギンギンに上げまくり、大きな声で持論を展開。幼稚園では「子どもたちが寝ている時間なので勘弁してください」と言われ、高校では「授業の妨げになるので勘弁してください」と言われたのですが、桂秀光さんは「選挙期間中はマイクを使って演説することが認められている。むしろ、演説を妨げようという人の方が選挙妨害なんだ!」と突っぱねていました。これとまったく同じことを「NHKから国民を守る党」の立花孝志という人も言っているんですけど、基本的に「周辺への配慮」というものに欠けた人間に政治を任せるのは不安でしかありません。

桂秀光さんの主張はかなり極端です。農学博士でいらっしゃるそうで、さぞかし頭が良いのだと思いますが、鳩山由紀夫さんと小林節さんの精神を受け継いでいるそうで、「自民党の市長になったら徴兵制が実施されてしまう」と訴えていました。この話は「風が吹けば桶屋が儲かる」の理屈と同じで、その間にさまざまな過程がある話です。最後の最後は徴兵制が実施されてしまう可能性があることにはあるのですが、そこに至るまでには挟まなければならないものがたくさんあり、それを省いてしまうと伝わるものも伝わらないどころかカルトに見えてしまい、あらぬ誤解だけを招いてしまうことになってしまいます。そんなことは僕でも分かるのに、農学博士をしているような立派な教授が理解していません。完全にどうかしています。しかも、茅ヶ崎駅前では佐藤光さんが先に演説をしていたわけですが、「先に演説しているライバル候補の邪魔をしない」という基本中の基本とも言えるようなルールを完全に無視して、ガンガンに突っ込んでいました。サッカーで言うと、自分のチームの選手が負傷したため、相手チームがピッチの外にボールを蹴り出して試合を止めたものの、ボールを相手に戻すわけではなくガンガンに攻め込むようなものです。ルール上は問題がないかもしれませんが、市長になろうという人にはフェアプレイが求められるわけで、マナーやモラルを持たずに突っ込んで行くというのはどういう神経なのでしょうか。


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