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【選挙ウォッチャー】 海老名市議選2019・分析レポート。

11月3日告示、11月10日投開票の海老名市長選と同日に行われた海老名市議選。定数22に対し、今年は26人しか立候補しなかったため、落選するのがわずか4人という非常にぬるい選挙になりました。この選挙の一番のポイントは、ろくすっぽ働かないことで知られる「NHKから国民を守る党」の三宅紀昭さんが当選してしまうのかどうか。普通だったら当選しないと思うのですが、今回は立花孝志代表が海老名市長選に立候補することで、市長選で「立花孝志」と書いたものの、市議選で誰に投票したらいいか分からない人たちを誘導する作戦で当選を狙おうというのです。選択肢の少ない市長選はともかく、政治に興味があるわけでもなく、立候補している知り合いがいるわけでもない人たちにとって、選択肢の多い市議選は誰に投票したらいいのかがわかりません。だから、N国信者ではなくても、どうせ誰に投票したらいいのかわからないからという理由で、NHKから国民を守る党に投票してしまうような人たちはいるのです。

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これまでの日本は、一応のモラルが保たれていたため、NHKから国民を守る党がやっているような「選挙ハック」は起こりませんでした。カルトが恥も外聞もなく手段を選ばずに議員を生み出すということはなかったのです。ところが、令和元年の世の中は手段を選ばないカルト政党「NHKから国民を守る党」の登場により、各地の選挙が荒らされるようになったばかりか、ろくすっぽ仕事をしない議員が生み出されるようになってしまいました。まだまだ焼き畑農業のようにNHKから国民を守る党が素晴らしい政党のように勘違いしてしまう人たちが生まれているので、地道にコツコツと啓蒙活動をしていかないといけないと思っています。


■ N国の選挙ビジネスは保たれてしまった

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「参院選で300万円の供託金を自腹で用意してくれた三宅紀昭さんを海老名市議選で当選させるために海老名市長選に立候補する」と言い放った立花孝志代表。市長選に自分が当選できないのは十分承知の上で、今度の衆院選で候補者たちに300万円の供託金を用意してもらうためには、この海老名市議選で三宅紀昭さんを絶対に当選してもらわないといけない。だから、市長選で100万円の供託金が没収されても、市議選で三宅紀昭さんを通したのはデカいのです。しかし、立花孝志代表もNHKで経理の仕事をしていたと自称するのであれば、これではビジネスにならないことくらい分かるはずです。300万円を用意してもらった代わりに、ただ市議選に通すだけであればお金はかかりません。しかし、この作戦を取ろうとすれば、少なくとも100万円の供託金に加え、ポスター代や交通費・宿泊費が別途かかることになります。地方遠征に恋人である加陽麻里布さんを連れて行こうとすれば2倍の経費がかかるし、結局、300万円を自腹で払ってもらっても政党の出費は変わらなくなってしまうのです。つまり、この戦法は「やむを得ない時のウルトラC」としては使えるかもしれないが、常に使える戦法ではないということです。市長選と市議選が同日で行われる選挙の方が珍しいわけですし、今後も市議選のレポートはあり得るということです。

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今回の海老名市議選で三宅紀昭さんが買った理由として、意外と街のことを語っていたことが挙げられます。本人は「選挙に勝って立花さんを喜ばせたかった」と語ってしまうぐらいのポンコツであり、喜ばせたい人が市民ではなく立花孝志代表という時点で「N国信者」で、実際はあんまり街のことを考えているわけではないのですが、争点となっているゴミ袋については廃止すると語るなど、NHK以外のことも語っていたのです。ただ、ゴミ袋について「高い」と述べるのはいいとして、ゴミ袋を無料にする場合の財源はどうするのかという常に付きまとう問題に対しては、立花孝志代表が「財源なんて考えない」と答えており、その立花孝志代表の政策を支持しているポンコツの三宅紀昭さんが、議員になって何かができるとは考えられません。しかし、選挙でNHK以外のことを語っていたのがプラスとして受け止められてしまった可能性はあります。


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