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【選挙ウォッチャー】 相模原市議選2019・南区レポート。

横浜市戸塚区で起こったトラブルの影響で、一時は取材まで見合わせることを検討したため、相模原市議選は当初に予定していたような十分な取材はできていないのですが、相模原市議選における一番のトピックスは何と言っても「日本第一党」が最も力を入れているエリアであるということです。NHKから国民を守る党と並ぶ日本三大カルト政党の一つなのですが、今回の統一地方選では幸福実現党とNHKから国民を守る党が大きく議席を伸ばした一方で、日本第一党は1議席も取ることができませんでした。どうしてこのようになったのかというのは分析や考察に値するのではないかと考えています。

ということで、今日から3日間、日本第一党を中心に相模原市議選を見つめていき、これからのカルト政党との向き合い方について考えてまいりたいと思います。なぜNHKから国民を守る党には票が入るのに、日本第一党には票が入らないのか。これは日本第一党の票を伸ばす方法ではなく、NHKから国民を守る党の票を伸ばさない方法の考察です。今後も同じようなカルト政党は出てくると思いますので、しっかりと対策をしていきたいと考えています。


■ 日本第一党は票を取れない

日本第一党は南区、緑区、中央区のすべての選挙区で1人ずつ候補者を擁立しており、相模原市を重点地域に置いていることがよくわかります。南区から立候補したのは中村和弘という人物で、本人いわく「保守左派」なのだそうです。政治的には保守だが、経済的には左派という主張です。山本太郎さんと同じく「反緊縮・財政出動」を推進しており、日本第一党を国政を担えるような政党にすることを目指しているそうです。ヘイトを認める日本第一党に在籍している時点で、いくら「保守」だとか「左派」だとか言っても、根本的にアホで情弱であることは言うまでもないので、恥ずかしげもなく日本第一党から立候補するなんて、実名でアホであることを後世に残すようなもので、だいぶお気の毒です。

日本第一党の特徴は、基本的に安倍晋三総理の政策に賛同しているわけではないということです。日本第一党に参加している人たちは、もはやネトウヨの域から抜け出しており、外国人労働者の受け入れを表明している安倍晋三総理の政治には「反対」しているのです。また、安倍晋三のことは「左翼」「極左」と表現していて、世界の潮流に逆らうわけにはいかない安倍晋三が中国との「一帯一路」構想に歩み寄りを見せていることについても批判的に見ています。とにかく中国と韓国のことが大嫌い。世界の中心がアメリカではなくなりつつあり、中国も大きな存在感を示すようになってきたわけですが、これを認めたくないのが日本第一党のスタンスです。天皇については一般的な街宣右翼と同じで、天皇崇拝と靖国崇拝を大切にしています。少し興味深いのは、左翼的な思想を嫌っているのではなく、左翼的な人物を嫌っているといった方が近く、福島みずほさんや辻元清美さんといった特定の議員のことを嫌っているだけで、本人いわく「経済的に左派」と言ってしまうほどにリベラル思想を否定しているわけではありません。こうなってしまうのはネット上で膨れ上がっているデマをそのまま信じているからであり、情報源はネットです。ネットで桜井誠を知って集まっているという点では「NHKから国民を守る党」と同じ構造にあります。日本第一党は桜井誠を頂点としているわけですが、NHKから国民を守る党と決定的に違うのは、桜井誠の指示に従って行動しているわけではないことです。日本第一党は思想で集まっている集団であり、NHKから国民を守る党のように「就職」という感覚ではありません。だから、選挙に勝てるかどうかというより、ここで議員になることを純粋に目指しており、これが票を伸ばせない理由でもあります。


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