見出し画像

【選挙ウォッチャー】 安田純平さんをめぐる馳浩&丸山穂高議員の発言。

シリアで拘束されていたジャーナリストの安田純平さんが約3年半に及ぶ拘束生活から解放され、無事に帰国を果たしましたが、日本では相変わらず「帰ってくるな」と批判するネトウヨで溢れ返り、ハロウィーンで暴れる渋谷の暴徒化する若者以上と並び、非常に深刻です。ただ、どこぞのネトウヨがどれだけアホでも、あるいは、どこぞのパリピがどれだけアホでも、彼らは一般人です。もちろん、モラルや社会常識を持ち合わせるべきかもしれませんが、世間様に迷惑をかけるべきではないにしても、所詮は一般人なのです。一般人がアホでも、まともな人が政治家をしていれば国家が傾くことはないわけですが、いまや中学生より質の低い政治家が続々と誕生しており、この国をアホが支配する時代に突入しています。今回はアホアホ議員たちの低レベル発言をまとめました。


■ 馳浩「バカの上塗り」

元プロレスラーにして、現在は石川1区選出の衆議院議員で、元文部科学大臣の馳浩さんは、橋下徹さんとの討論番組に出演し、安田純平さんについて「バカの上塗り」と表現しました。どのような会話が繰り広げられたのかを書き起こします。

橋下「他の世界のメディアが報じないことをどんどん報じたんだったら、みんな、拍手喝采ですよ。できなかったんだから。結果責任だよ。それはちゃんと、やっぱりそれだけの税金を使って、みんな政府の、今、官邸が作ったテロなんとかユニットっていうチームを作って、90人ぐらいのチームを使って、そういう労力をかけたんだから、僕は帰ってきた時には『すみません。結果出せませんでした。ごめんなさい』と言うのが当然だと思います」

まず、日本維新の会の代表だったこともある橋下徹さんは、現在、「橋下新党」を作るのではないかと噂されていますが、安田純平さんに対しては、失敗して国家組織を動かしてしまったのだから「まず謝れ」という主張をしています。これは火事になった時に、まずは消防車を動かしてしまい、税金で消防隊員の人件費を使ってしまったのだから、まずは謝れと言っているに等しいです。そもそも、そうなった時のために消防隊員がいて、そうなった時に海外のテロ対策をするチームがあるのに、そのユニットを動かしたら「謝れ」というのです。これはこれでなかなかの理論ですが、MCのサバンナ・高橋茂雄さんに「馳さんはそれさえする必要がない?」と質問された馳浩さんは、このように答えています。

馳浩「やる必要じゃないですけど、それはそれで当然の話であって、そこのことをあまり、そこに議論の、議論の大事な時間を費やすより、今後の展開、ISがどうなっていくかという展開・・・」

まず馳浩さんは、安田純平さんが拘束されていた「ヌスラ戦線」のことをあまりよくご存知ないようです。安田純平さんが拘束されていたのは「IS(イスラム国)」ではなく、どちらかと言えばISとは敵対している団体であり、ここでISの話を出し始めると話がグチャグチャになります。そして、この「議論の大事な時間を費やすべきではない」という話は、馳浩さんがどれだけ海外で拘束された一国民を見下していたのかがよくわかるフレーズだと思います。と、ここで橋下徹さんが馳浩さんの話を引き出すためなのか知りませんが、こんなフリをします。

橋下「例えばね、馳さん、ごめんなさい。テレビ朝日、ここの番組ってテレビ朝日とサイバーエージェントの共同出資なんですが、テレビ朝日の朝のね、一緒にやっていた羽鳥さんとやってた、えーっと、羽鳥モーニングショーか。あそこのまた、玉川さんってコメンテーター、僕、知ってるんですけど、玉川さんが『いやぁ、安田さんはもう英雄だ』と。『こんなもの国をあげて、そんなもの、称えないといけない。そうじゃないとジャーナリズムなんていうものは、こんなものはあのー、えーあのー、できない、ジャーナリスはね、その活動なんかできないんだ』と言っていたんですけど、英雄ですかね?」

橋下徹さんは話を盛っています。そんな悪代官みたいな言い方をする必要があるでしょうか。確かに「英雄」だと言ったかもしれませんが、ジャーナリズムができないから英雄にしようという話ではありません。「英雄」という言葉尻だけを捉えて、英雄なのか英雄じゃないのかという話にすり替えること自体が橋下徹さんのマウンティングですが、なぜこの国に危険を冒してまで現地に乗り込む本物のジャーナリストがいたことに僅かな敬意も示さないのでしょうか。インターネットに流れる無取材のフェイクニュースが溢れる時代に、安田純平さんのような人がいるというのは、本当はスゴいことだと思うのですが。

馳浩「その議論をすることすら、おそらく時間がもったいない。無駄!」

英雄か英雄じゃないか。その議論をするのは、確かに時間がもったいないかもしれません。しかし、馳浩さんが言っている「もったいない」は、そういうことではありません。どこぞのジャーナリストなんて相手にするなという意味の「時間がもったいない」なのです。この人は文部科学大臣をやったことがあるのに、どうして世の中でジャーナリズムが大切にされているのか、その根本から意味をわかっていないのです。

馳浩「見ている人はだいたいわかっているんですよ。バカだなぁと。しかし、そういう、もう3回も行っているんだから、もうバカの上塗りと一緒なんで、もうそんなことを議論しているんじゃなくて」

このコメントを聞いて橋下徹さんは嬉しそうにテンションを上げ、「もうそこでわかりました、バカの上塗りね!」と言っています。橋下徹さんのことなので、あとになって批判が殺到した時には「馳浩さんの爆弾発言を引き出すことができて嬉しかったんだ」と言うのかもしれませんが、期待通りに同調してもらえたことが嬉しくてこう言っていることは明らかです。

馳浩「そんなことよりも、今後の展開について、彼が、私は正直に生きていてくれて嬉しいと思っています。で、バカだなぁと思っているのは、もう3回も行っているんだから、バカだなぁと、上塗りだと思いますけど、そんなことを批判するつもりもありません。それよりも、この状況において、今後、中東との関係においてですね、えー、我が、我々はやっぱり、外務省にしてもインテリジェンスは一番大事だと思いますので。あのー、今回、彼が救出されてきたプロセスを検証しながらですね、次の展開に生かしていくべきではないか」

3回も行っているからバカだとおっしゃっていますが、拘束されたのは3回目のシリア入りで初めてのことです。ジャーナリストが戦地に行くことをバカだと言い始めたら、この人にはあらゆる情報が必要ないのでしょう。救出されたプロセスを検証して次の展開に生かすというのであれば「検証できる材料を持ってきてもらった」とは言えないのでしょうか。これだけ堂々とジャーナリズムを否定できるんですから、バカはどっちなのかという話でしかありません。ということで、石川1区は大臣経験と知名度のある馳浩さんが強くなっていますが、ジャーナリズムをまったく理解していない元プロレスラーのオジサンであるということに気付いていただき、北朝鮮にガチで乗り込むアントニオ猪木先輩の爪の垢ほどでもないと言っておきたいと思います。


■ 丸山穂高「現状では、それに武力で対抗するしかありません」

かねてから「バカ議員」のお手本として教科書に載せていいレベルの丸山穂高さんです。泉佐野市や貝塚市などがある大阪19区選出の日本維新の会の議員ですが、小選挙区で一度も自民党が勝ったことがないという特殊なエリアから選出されている丸山穂高さんは、剛力彩芽ちゃんの彼氏でお馴染みのZOZOTOWN・前澤友作社長に突然カラみ出し、こんなことを言い出しました。

言っておきますけど、前澤友作社長が丸山穂高議員にカラんだのではなく、丸山穂高議員の方から突然、前澤友作社長にカラみ始め、「人類史や中東の地政学すらぶっ飛ばした発想が過ぎる」と言っているのです。べつに市井の社長が何をつぶやいたところで、末端の国会議員にとやかく言われる筋合いはないって話ですし、前澤友作社長は誰もが知っているファッションサイトの社長であって、人類史や中東の地政学を勉強していなければならない職業でもありません。そんな社長に向かって「驚きを隠せない」とは、社長にどんだけ高い要求をしているのでしょうか。ごく最近、韓国が話し合いによってテロ国家と言われた北朝鮮と平和を築き上げたばかりなのに、目の前にある歴史さえ無視していて「ぶっ飛ばした発想」とホザいている政治家の方がよっぽどヤバいと思いますが、いかがでしょうか。

歴史的に見ても、戦争のほとんどは「話し合い」によって停戦が実現しています。たとえ武力で抑え込んだとしても、最後の最後は「話し合い」なのです。今、韓国と北朝鮮が停戦しているのだって、大昔の「話し合い」の成果であり、日本が第二次世界大戦で降参して「ポツダム宣言」を受け入れたのも最後の最後は「話し合い」です。調印しに行った日本側の参謀や外務大臣がその場で殺されているわけでもありません。世界各地で停戦のための合意が行われており、最後の最後は「話し合い」なのですから、話し合いの機会を持つということがどれだけ重要なのかということは、むしろ歴史が証明しています。ところがどっこい、「日本の置かれた環境やら中東の地政学やらを短絡的に考えている」と主張し始めた丸山穂高先生。その言葉をそっくりそのままお返しした方がいいと思います。

そして、東大卒のネトウヨ議員としてお馴染みの丸山穂高先生は、前澤友作社長に噛みつくことで上がったテンションが抑えきれず、絶賛してくれるネトウヨ一般人にドヤり始め、とうとう前澤友作社長に「小並感」という言葉を口にしました。「小並感」とは「小学生並みの感想」の略であるネットスラングです。ネトウヨなので、普通に「小並感」という言葉を繰り出してきます。「オマエだよ!」と言いたいですが。

あげくの果てには、日本でもトップクラスの実績を叩き出している一流経営者に向かって、よりによって「経営で例えるなら」とホザき出し、「ZOZOサイトで勝ったら1秒で手元に商品が届くようにすれば、また、商品はタダにすれば顧客満足度も株価も絶対上がる新たな糸口になる!と発言する感じ」と言い出しました。もう一度、前澤友作社長の話を振り返ってみましょう。前澤社長は「身代金は、そのテーブルセットのための重要なカードとして使えるのではないかといつも思う。いくら払ってでも人命第一である、そして払うなら話し合いの機会が欲しいと。そうした姿勢を日本が率先して国際社会に示し、イタチごっこになっているテロ問題解決の新たな糸口にできないものかと」と言っています。つまり、身代金さえも利用して話し合いの場を作り、テロを終わらせるための第一歩を踏み出せないものかと言っているわけです。もし、これを経営に例えるなら「顧客のために利幅が多少減っても商品を安く提供できないだろうか」と言っているに過ぎません。1秒で手元に届けばいいとか、商品を無料にすればいいとか、そういう極端なアホ発言ではないのです。こうやって印象操作を図る丸山穂高先生は単なる「ストローマン」です。平気でこんなことができる国会議員に「小並感」とか言われたくありません。

そして、「炎上商法ではないとは思いますが、それを疑うレベルですね」などとホザいていますが、オマエが勝手にカラんでいるので、本当だったら前澤友作社長をフォローしている人が「そうだね」と、とっくに終わっていたであろう話を、オマエがややこしくしとるのです。その洞察の浅さで、よく国会議員ができているレベルです。

この丸山穂高先生の言いたい放題に気付いた前澤友作社長は「テロをなくすにはどうしたらいいですか?」と質問をしました。すると、丸山穂高先生は賢いところを見せつけようとしたのか、支離滅裂な文章を書き始めました。もはや何を言いたいのかが全然わかりませんが、ポイントは2つです。

自然界ですら他者を殺めたり破壊する同様のことは幾多起きている。人間界もテロどころか殺人事件すら未だ幾多。しかも実は、争いそのもの自体が人類どころか生命の進化の歴史において重要な要素を占めている。

いきなり自然界の食物連鎖の話を始め、こうした争いによって視覚や聴覚が発達したり、体の色を変えられるようになったり、進化してきたじゃないかと言っています。この理屈をストレートに受け取ると、人類がさらなる進化を遂げるためにはテロがあってもいいじゃないかということになり、テロを肯定し、争いによって人間は進化するのだと言ってしまうことになります。つまり、アホです。

「話せば分かる」が通じず、退避もできずに殺害されてしまうような現状では、それに武力で対抗するしかない。

通常、人質を取っての立てこもり事件でも、いきなり犯人を射殺するのではなく、ひとまずは話し合いで解決することを試みますが、丸山穂高先生の理屈が採用されると、どうせ人質を取って立てこもる人間なんて話し合いができないのだから殺してしまえということになります。話も聞かずに殺せば、ますます反発は大きくなり、テロを助長させる結果になるでしょう。つまり、アホです。

そして最後は、前澤友作社長が大人の対応を見せ、「一市民を小馬鹿にしたような発言は謹んでいただくようお願い」をして終わったのですが、丸山穂高先生はスッポンみたいな噛みつき方をするネトウヨ議員なので、あれだけ「小並感」とか言っておきながら「小馬鹿にしたつもりはありません」と言い放ち、「万一そうお感じなら何かしらの深層心理を反映したものではないかと推察致します」と言い切りました。誰がどう見ても小バカにしていたとしか思えませんが、それを前澤友作社長の「深層心理のせい」と言ったのです。こんなダセェ奴には一生かかっても剛力彩芽ちゃんみたいな可愛い彼女はできないでしょうが、前澤社長の過去発言をほじくり返す丸山穂高先生には「居酒屋でケンカして相手の手をリアルに噛みつくスッポン野郎なんだから、噛みつくのはネットだけにしておけ。また骨折したいのかよ、バカタレが!」と言っておかなければなりません。

それにしても、この丸山穂高という議員はどれだけ上から目線なのでしょうか。国会議員が仕事をできるのも前澤友作社長のような納税者たちのおかげだろうに、上から目線になれる神経がわかりません。「最高にダサい」という点は完全同意です。

最後は、ネトウヨYouTuberからコメントをもらって自画自賛です。前澤友作社長だって人質の命がかかっていたら何時間でも話し合ったでしょうけど、何もかかっていない状態でバカとトークをするほど暇じゃないってだけの話です。「話し合いによる問題解決の困難さや非現実性を示している」と言っていますが、ここで示されているのは「アホとの対話は無駄に時間を浪費するだけ」「こんな奴が国会議員をやっている」の2点のみです。話が平行線になるのは、国会議員のくせに市民をバカにして聞く耳を持たないからです。だいたい、身代金と引き替えに生きて帰されている時点で「交渉が成立している」ので、話が通じないわけではありません。もう丸山穂高先生の身に何があっても「歴史は繰り返される」「争いが生命を進化させる」の2点をもって放置していいんじゃないでしょうか。大阪の皆さん、こんな人を議員にしていて大丈夫でしょうか。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

これは安田純平さんを英雄とするかどうかの話ではありません。英雄である必要はありませんが、万が一の時に国家が自国民を守るのかどうかが試されているのです。にもかかわらず、国会議員がこのような発言をしているのですから、日本は国民を守らないことは明らかです。実際、福島第一原発事故にしろ、昨今の台風や水害、地震の被害でも、国家が十分に国民を守っているとはいえません。これだけアホを露呈しても議員に返り咲けることがそもそも問題なのですが、僕たちはもう少し真剣に政治や選挙について考えないと、こういう議員に見殺しにされてしまうのです。[了]

いつもサポートをいただき、ありがとうございます。サポートいただいたお金は、衆院選の取材の赤字分の補填に使わせていただきます。