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【選挙ウォッチャー】西日本豪雨の被害で忘れ去られた北海道の被害。

7月5日の夜に行われた「赤坂自民亭」という名の酒盛りですが、あそこに参加していた議員たちは、本当にこの豪雨が深刻な被害をもたらすかもしれないことを予想できなかったのでしょうか。よりによって、麻生太郎副総理大臣は記者から「赤坂自民亭」が不適切ではなかったかを問われ、「いいことだと思っている」と述べました。二階俊博さんも「ああいうことはなければなかった方がいいと思おうが、目くじらを立てて大騒ぎすることのほどではない」と話すなど、自民党の重鎮議員たちはことごとく「赤坂自民亭」を軽く見ているのです。200人以上の犠牲者が出ているのに、被災地があんなにメチャクチャなことになっているのに、こんなことを堂々と言えるなんて、よっぽど舐められているんだと思います。この人たちは本当に国会議員なのでしょうか。


■ 7月3日の時点で深刻だった北海道の被害

赤坂自民亭に参加した議員たちは「7月5日夜の時点で、こうなるなんて予想していなかった」と言い訳をしています。しかし、本当に予想できなかったのでしょうか。もし、もう少し全国で起こっている被害にちゃんと目を向けていたならば、この被害を少しくらい予想できたかもしれないのです。というのも、この豪雨による被害は7月2日から始まり、7月3日には既に深刻な被害が出ているからです。実は、西日本豪雨の被害があまりに大きすぎるため、すっかり完全に忘れ去られているのですが、実は北海道も被災しているのです。

7月2日から降り続けた雨は、石狩川やペーパン川を氾濫させ、住宅は浸水し、農地は冠水しました。幸いにも死者は0人だったのですが、農地の被害は深刻で、北海道の推計では12億4000万円の被害が出たとされています。被害があった場所は、旭川市、深川市、留萌市などで、読売新聞のまとめでは、6市町村1192世帯2729人に避難指示や避難勧告が出され、一時、住民が避難をしていました。床上・床下浸水した家もあり、今も復旧作業が続いています。

特に被害が深刻だったのは、みんなが大好きな「旭山動物園」の近くです。大きな石狩川と異なり、ペーパン川は静かに流れる小さな川なのですが、西日本に豪雨を降らせたのと同じ前線によって荒れ狂い、農地に大きな被害をもたらしたのです。被害を受けた作物は、コメが最も多く1億7600万円、大豆などの豆類は9500万円、ソバが8400万円、小麦が4000万円。多くの作物が生育途中で被害に遭っており、北海道は融資や復旧工事の補助といった資金面の相談に乗るとしています。ジャガイモが壊滅的な被害に遭い、ポテトチップスの生産ができなくなった2016年の台風被害の時、旭川市は約130ヘクタールの被害が出ましたが、今回の水害はそれを上回る規模の被害を受けているそうです。

留萌市では24時間の雨量が観測史上最多の146ミリにのぼり、石狩川や雨竜川などが氾濫したため、留萌市では17軒、旭川市で16軒、深川市で8軒が床上・床下浸水となっています。東川町では忠別川が溢れたため、冠水した道路が崩落し、天人峡温泉の宿泊客や従業員130人が一時孤立しました。遠く北海道の話なので、基本的に東京で暮らしている国会議員の皆さんにはまったく実感が湧かなかったのかもしれませんが、7月3日の時点でなかなかの被害が出ていて、同じ前線がまだ日本列島にかかっていたのですから、西日本の豪雨をもう少し心配できなかったものでしょうか。


■ 手塚仁雄さんのパーティーをリークした西村康稔官房副長官

今回の「赤坂自民亭」をツイートしていたのは西村康稔官房副長官です。菅義偉官房長官に次ぐナンバー2のポストと言えますが、そんな人物が何の危機感もなく5日の「赤坂自民亭」を楽しそうにツイートしていたのです。今週発売の「週刊文春」によると、立憲民主党の手塚仁雄さんが政治活動25周年記念パーティーが開催し、これに枝野幸男代表や蓮舫副代表が参加していたことを知った西村康稔官房副長官は、親しい国会議員に「ブログに書いてほしい」とお願いし、野党批判を拡散させたそうです。自分たちに批判が及びそうになった瞬間、お約束の「ブーメラン」と言い出す作戦です。被災地のことよりも自分たちの火消しを最優先にするのが「危機管理のスペシャリスト」のようです。

野党の議員にも危機感を持っていて欲しかったのはもちろんですが、そもそも西村康稔官房副長官をはじめ、安倍晋三総理や小野寺五典防衛大臣は、自分たちの責任の重さを理解しているのでしょうか。極論、同じ自民党の議員でも、今井絵理子先生が豪雨の中でどこぞの彼氏議員先生とイチャイチャしていたとしても責任を追及されることはないでしょう。なんでかって、今井絵理子先生には自衛隊を動かす権限もなければ、何らかのポストが与えられているわけでもなく、自民党の議員ではあるけれど、国会の端っこにいる議員だからです。ちなみに、今井絵理子議員は7月7日からお悔やみとお見舞いを申し上げるところから始まり、広島市や倉敷市の公式Twitterをリツイートし、NHKのボランティア受付のニュースなどをリツイートしており、SPEEDのファンだった人たちは勇気づけられているかもしれません。いっそのこと、今井絵理子さんが被災地に乗り込んで、被災した住宅の荷出しに打ち込む写真の1枚でもInstagramやTwitterに載せれば、あとに続くSPEEDファンが現れそうなので、どうせ妻子持ちの彼氏とラブラブになっちゃってミソをつけているんだから、こんな時ぐらい好感度目的でもいいから現地で作業の一つもしたらどうなんだとは思いますが、そこまで気が回るタイプの議員だったら、今頃、これほど国会の端っこにいることもないだろうと思うので、そこまでの期待はしないとしてです。西村康稔官房副長官は防災・危機管理のスペシャリストということになっていて、現場で指揮を執る係だったはずですし、安倍晋三総理にしろ、小野寺五典防衛大臣にしろ、自衛隊に指示を出す立場の人間が酒盛りしているわけですから、これは国民の人命に関わる重要な案件です。日本のトップにこれほど危機管理能力がないということは「日本の安全保障」に関わる深刻な問題であり、「保守」を自称する人たちが「いいじゃないか」と言っているのは、一体、どんな理屈なのでしょうか。実は、西村康稔官房副長官は5年前に「ベトナム買春疑惑」を文春砲されるほど、下半身も含めて危機管理能力がないオジサンなので、せめて危機管理のスペシャリストを名乗るのは辞めてもらいたいところです。


■ なぜ「空白の66時間」と言われるようになったのか

繰り返しになりますが、7月2日から3日にかけて北海道では大雨による被害が出ていて、5日の昼に気象庁が異例の記者会見をしているのに、5日の夜に「赤坂自民亭」を開催し、「こんなことになるとは思わなかった」と言ってしまう無能ぶりなのです。既に被害が出ている地域があり、気象庁が記者会見をしているのに、安倍晋三総理や小野寺五典防衛大臣が酒盛りに参加していたため、自衛隊の初動まで遅くなりました。自衛隊を動かす最終決定権は「シビリアンコントロール」に基づき、防衛大臣、総理大臣にあります。そして、この2人が同じ空間で酒を飲んでいたわけです。これでリスクヘッジができていると思える人は、おそらくこの世にネトウヨぐらいしかいないと思います。本来なら、すぐさま非常災害対策本部が設けられ、自衛隊を動かし、可及的速やかに人命救助にあたるべきでした。ところが、安倍晋三総理は何をしていたのか。ネトウヨの皆さんが「空白の66時間なんて存在しない」とおっしゃるので、わかりやすく解説するために、会社と同じように安倍晋三総理のタイムカードを作ってみました。安倍晋三総理の仕事は、災害が起こった時に国民の命を守ることです。百歩譲って、5日の夜に「赤坂自民亭」をやってしまったことは仕方がないとして、批判されているのは「その後の対応」です。総理大臣は人命救助のために関係各所に指示を出せる立場にあり、一刻も早く取りかからなければ力尽きて亡くなる方が出てしまう。安倍晋三総理は6日以降、どう働いていたのでしょうか。

非常災害対策本部が立ち上がり、世耕弘成経済産業大臣をはじめ、関係各所が本格的に仕事に取り組み始めたのが8日の朝9時です。そして、8日の朝に非常災害対策本部を設置した後は、なんと、昼の2時に自宅に帰っているのです。もっと驚くべきは、被害が深刻であることが分かっていたはずの7日の仕事ぶりです。朝9時44分に官邸に入り、午前11時35分には自宅に帰ってしまいました。7日といったら岡山県倉敷市をはじめ、あちこちで大変なことになっていた真っ最中です。まだ命の危険に晒されている人もたくさんいました。なぜ7日に非常災害対策本部を立てなかったのでしょうか。もし自衛隊の初動が早ければ、今、生きていた被災者の方がいらっしゃった可能性は否定できません。こうしてタイムカードにしてみると、ネトウヨの皆さんは安倍晋三総理にお休みがなくて大変だと思うかもしれませんが、これは「赤坂自民亭」の時間も、どこぞの議員との会食も「お仕事」に含めてあげています。毎日働いているように見えますが、実は、1日、7日、8日、14日、15日を見ると分かるように、基本的に土日はほとんど働かないのです。そうです、7日も8日も「土日」なので、非常災害対策本部を設置したものの、安倍総理ご本人はとっとと家に帰ってお休みしていたのです。つまり、安倍総理は国民の命のことなんて、まったく考えていなかったのです。そして、毎日働いているように見えるので大変だと思うかもしれませんが、実は、これ以上に働いているけれど安月給な国民はたくさんいます。多くの国民が「安倍さんも頑張っているんだから、厳しく批判したら可哀想だよ」と言っていますが、そんなことはありません。国民の命がかかっている非常に重要な時でさえ土日休みを守っているのですから、この国で最も「働き方改革」が必要なのは「総理大臣」なのです。災害が起きても土日をしっかりお休みしておきながら「被災地のために全力を尽くした」と言っているのですから、冗談も休み休み言ってもらい、なんなら永久に休んでいただいても結構です。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

もし北海道の被害に思いを寄せていれば、きっと、西日本の豪雨災害にも警戒できたと思います。もし、この国の国会議員たちが今日もどこかで苦しんでいる国民の話に敏感だったら、あんな酒盛りをしていないだろうし、亡くなる人だって少なくできたのではないかと思うのです。しかし、この国の総理大臣をはじめ、自民党の皆さん、もっと言えば、野党の国会議員の皆さんも同じかもしれませんが、多くの国会議員が国民のことなんて何も考えていなかったのです。結局、カジノ法案は強行採決されてしまいましたが、自民党、公明党、日本維新の会の議員たちは「これでいい」と思っています。心の奥底では「カジノより被災地の方が大事だよな」と思っている議員がどこかにいるかもしれませんが、どれだけ心の中で思っていたとしても、カジノ法案を審議することに異を唱えることもなければ賛成票を投じているのですから、その行動は被災地をバカにしています。今度から巨大な地震に襲われても、きっと安倍政権が助けてくれることは期待できませんので、皆さん、潔く死ぬしかないのです。あなたの子供、あなたの恋人、あなたの大事な親友が、本当は助かったかもしれないけれど助けてもらえないまま、酒盛りをされた末にアホの大臣から「いいことじゃないか」と言われて死ぬのです。もし、それが嫌だと思うなら、この腐った国会を見て、政治や選挙のことをもっと考えなければなりません。
そして最後に、このような記事を書くとネトウヨの皆さんが必ず「安倍叩きをしたいだけだ」と言ってくるので、これだけは言わせてもらいます。もし菅直人さんや野田佳彦さんが、あるいは枝野幸男さんが総理大臣だったとして、人の命がかかっている時にこの仕事ぶりをしていたら、「さすがは民主党の総理大臣だ、よく頑張っている!」と言えるでしょうか。間違いなく大きな声で「滅びろ、民主党!」と言っているに決まっています。それが安倍晋三総理になった途端に「よく頑張っている」と言ってしまうのは、どんな理屈なのでしょうか。バカなんでしょうか。石破茂さんだろうと、小泉進次郎さんだろうと、どこの誰が総理大臣をやっていたとしても、この初動の遅さと開き直るかのようなクソみたいな態度は批判されるべきです。もっとこの国のことをよく見てくれる国会議員を選びましょう。[了]

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選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材しています。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを公開中です。立候補する方、当選させたい議員がいる方は、すべてのレポートが必見です。

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