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【選挙ウォッチャー】 小牧市長選2019・分析レポート。

愛知県知事選と同日に行われた小牧市長選は、とっても熱い選挙になりました。現在の市長は、非常に評判が悪く、企業との癒着が疑われています。度重なるパワハラも問題になっていて、市役所の職員からの評判も悪いです。選挙の争点は50億円をかけた新図書館建設問題、そして、22億円かけた「こども未来館」の創設です。新図書館は小牧駅前に作る計画なのですが、既に小牧駅前は閑散としていて、こんな所に図書館を作ったところで街が発展するとは思えません。なにしろ、現職の山下史守朗市長はツタヤ図書館を作ろうとして、住民投票になった結果、否決された人物です。ツタヤ図書館を作ろうとするところに政治家としてのセンスが凝縮されている気がしますが、住民投票で否決されてなお図書館を作ろうとしています。市民のためにリベンジに挑んだ上禰幹也さんは、果たして勝てるのか。これは正義が勝つか負けるかの戦いです。

山下 史守朗 43 現 古老の自民議員支持
上禰 幹也  36 新 自民・旧民進系の一部支持

これほどドラマとして面白い選挙はありません。前回は準備不足で現職に勝てなかった上禰幹也さんですが、今回はある程度の準備ができていて、熱とパワーがあります。上禰幹也さんを応援している人の数も違います。選挙の後に住民投票もあり、住民投票で反対した人は上禰幹也さんに投票することでしょう。人間的にも政策的にも圧倒的に上禰幹也さんが上回っており、これだけ熱烈に応援されていながら負けるようなことがあると、これは小牧市の未来に大きなマイナスの影響を及ぼすと思います。これは見逃せない選挙です。


■ 悪評高き市長vs情熱の市民派

地元の人たちに話を聞くと、ことごとく市長の良い話は聞こえてきません。これは三島市長選を追いかけた時と同じです。そこそこ地元の政治を理解している人たちは危機感さえ抱くほどに現職の山下史守朗さんのことを嫌っています。なにしろ、山下史守朗さんのWikipediaを見てみると、地元の人たちが熱心にまとめているのだと思いますが、これまでの不祥事の数々を丁寧にまとめているのです。後援会バス旅行問題、私有地売却と要綱改正問題、ふるさと納税市外職員協力要請問題、妻が代表を務める社会福祉法人の小牧市立みなみ保育園委託応募問題、新図書館広報費返還住民訴訟、投票日前日の当選祝い配布問題、国会議員個人演説応援の公用車仕様住民監査請求、小牧市立図書館建設問題、小牧市こども未来館整備問題、予定価格漏洩隠蔽指示疑惑、市長選立候補者討論会の開催直前辞退など、これまでの不祥事の数々が丁寧に載っています。一方の上禰幹也さんは自民党支持者だそうですが、図書館や子ども未来館の廃止を訴えるところは共産党と共通しているため、共産党の候補だと勘違いしていた人もいるかもしれません。しかし、上禰幹也さんは地域経済のあり方についても語れる人物で、ただ図書館を廃止するだけに留まらず、そのお金をどのように使い、どのように街を発展させていくのかというビジョンも熱心に話していました。ビジュアルは現職の山下史守朗さんの方がいいのかもしれませんが、ビジョンや情熱は上禰幹也さんの方が良かったです。


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